あさりちゃんに学ぶ「目ウロコ生き方論」
40年以上愛され続ける少女ギャグ漫画『あさりちゃん』には、家事や仕事に頑張るワーママが楽しく生きるヒントが隠れてる!と聞きつけ、パワフルで豪快な作者としても有名な室山まゆみ(室山眞弓・眞里子)先生自称イケ★ゲイKeisuiが体当たりインタビューします!
まずは、「あさりちゃん」の登場人物をおさらい。
登場人物
浜野 あさり…桜貝小学校4年生。明るく元気で学校一の人気者!運動大好き。勉強大嫌い。
浜野 タタミ…桜貝小学校一の秀才。弱点は、ピーマンと水泳。趣味は勉強と読書と貯金。
浜野 さんご…別名キューリママ。九州出身。不器用だけど何にでも挑戦する元気なママ。
浜野 イワシ…女3人に囲まれて優しくおとなしいが、賑やかな家族を大切にしているパパ。
【vol.1】ホンネとタテマエ
今回は「おとなってこわい」より抜粋!タテマエの陰に見え隠れする大人の本音。大人になるって噓が上手につけるようになるってことなのね、と思うストーリー。
てんとう虫コミックス『あさりちゃん』(小学館刊)第21巻「おとなってこわい」より
貧乏だったから賞金目当てに漫画家を目ざすことに
まず、漫画家を目ざしたきっかけについて尋ねたところ、ふたり声をそろえて「まずし~(貧しい)」と即答。
姉・眞弓(以下、姉)「私たちが育った熊本市の郊外は、近くに本屋もなければ、田んぼくらいしかない街で、名ばかりの熊本市内だったのよ」
妹・眞里子(以下、妹)「だけど、夏休みや冬休みにすごす親戚の家は地方の温泉地なんだけど、商店街や映画館もあって、私たちが住んでる熊本市よりも娯楽が充実。貸本屋(※昭和20〜30年代に、まんがや雑誌を子ども相手に賃貸する“貸本屋”という商売が広くあった)もあって、楳図かずお、石ノ森章太郎、さいとう・たかをなどの作品を借りて読んで、漫画に親しんでいったの」
姉「休みが終わって地元に戻ると、本当に田んぼしかない。もちろん、貸本屋もないから、やることもなく、暇つぶしに漫画を描き出したのよね」
バカ高校行きやがってって母に言われて
最初は別々に漫画を描いてたとか?
妹「姉は人物だけ描いて、背景を描かないから、結局私が描くしかない。そんな理由でふたりで描き始めたのよ。そして、何度か作品を投稿するうち賞金ゲット(笑)。私は当時中学3年生だったんだけど、受験前日まで漫画を描いてたの」
姉「私も受験前日に体調崩して見事すべっちゃってね。母には、ふたりそろってバカ高校行きやがって!なんて言われちゃった」
漫画のストーリーにもお母様のキャラが反映されてたり?
妹「母はとっても口が悪くて。街を歩いていても、ほら、あの女の人を見てごらん、首に肉がついてるでしょ?首に肉がついてると老けて見えるのよって、陰でハッキリ言っちゃう」
姉「お母さんだって肉ついてるだろってね(笑)。テレビを見てても、街を歩いてても人のことをボロカスに言っちゃうのよ。私たちの前では、悪気なく本音ばっかり言っちゃう」
お前はBMI計算してないのか! 自分のブサイクに気づいてないのか!
あさりとタタミが、あの人綺麗かな、ブスかなって女性をチェックするシーンも。
姉「それは実話 (笑)。母は、私たちの卒業アルバム見ながら、これはひどいね、あれもひどいねって指差しながら言っていく」
妹「自分たちのことを差し置いてね (笑)。だけど、こんなことはみんな思ってて『おとなってこわい』だってありふれた話。みんな腹の底では思ってるけど、言わない。母は特例 (笑)。そんな母のお陰で、今では私たちだって、お前はBMI(※ボディマス指数。身長と体重の関係から算出できる、肥満度を表す指数)計算してないのか!自分のブサイクに気づいてないのか!なんてこっそり言っちゃう始末 (笑)」
姉「母ほどじゃないけど、私たちも言いすぎ。もっとタテマエを気にしたほうがいい」
妹「バランスも大事だからね。父は他人の容姿に文句言わないのよ。だっていい男なんだもん。ブスほど文句言うの。だから私たちも気をつけなきゃね~、ほんとに」
私も気をつけます!
編集後記:あさりちゃんよりさらにパワフルなおふたりの大ファンになりました!
2時間があっという間のインタビューでした(笑)。ちょっと遠慮してしまいそうなこともズバッと言ってくれるおふたりに私の気持ちも清々して、またお会いできるのが今から楽しみ。次回はもっとつっこんだ内容をお届けできるように頑張ります!
「あさりちゃん」公式サイト
「あさりちゃん」公式Twitter
室山まゆみ
熊本県出身の漫画家姉妹。姉・眞弓、妹・眞里子。1976年「がんばれ姉子」でデビュー。代表作「あさりちゃん」は、1978年「小学二年生」で連載スタート。2014年にコミックス全100巻をもって雑誌連載を完結。「二人組による1コミックシリーズ最多発行巻数(女性作家)」として、ギネス世界記録に認定された。
エディター
Keisui Suzuki
PRの仕事をメインにエディター業もこなす、年間100日は日本にいないデジタルノマド。世界中の〝イケメン〟とスイカが大好き。【ほぼ毎日更新中】Instagram@keisui
構成/鈴木啓水 再構成/WebDomani編集部