相手を否定しない、20代の男子と不倫関係に
今回お話を伺ったのは…
桜田響生さん(仮名・38歳)。山梨県出身・有名私立大学国際学部卒業、IT関連会社勤務(年収450万円)。同じ年の夫(IT関連会社勤務・年収720万円)と結婚8年。東京都心の賃貸マンション在住。子どもは6歳の男子。身長160cm、ロングヘアとスタイリッシュなファッションの女性。
息子が4歳のときから、チラホラ浮気をしている
響生さんは営業職で出会いが多く、その美貌もあって、モテる。
「モテても、息子が幼いうちは、保育園にお迎えダッシュの日々でした。けれど、4歳くらいになるとカゼもひきにくくなるし、私や夫の母、シッターさんに遅くまで見てもらえるようになる。その頃から”いいな”と思った人に誘われると、ホテルに行っていました」
最初は罪悪感があったけれど、レスなので仕方がないという思いもあった。
「最初は夫や息子を裏切ったという思いがありました。でもあまりに夫に拒否られるし、OKでも嫌々されていることがわかる。だから私がこういうことをしているから、家庭が維持できると思うようになりました」
西原理恵子著『毎日かあさん』を読み、自由になる
育児中、ママ友から勧められた本が、西原理恵子著『毎日かあさん』。この作品を読み、心が自由になったという。
「潔癖に育児をしたり、息子優先であれこれしていましたが、そんなことをしなくても、子供は育つんだ……と思いました。あとは、マンガの中に60代くらいの女性が出てきて、『昔、男性に誘われて、断ったけれど、今ならしていた。もったいないことをした』というようなセリフがあり、ホッとしたんです。みんな、本音と建て前を使い分けているんだと思ったんです」
マスコミ関連の男性から、異常にモテていた
響生さんの相手で多かったのはマスコミ関連の男性。
「大手テレビ局、広告代理店など、高学歴なチャラ男が多かったですね。お互いに遊びだとわかっているから、ゲームみたいな感じ。私は自分からは絶対に行かずに、向こうが来るのを待つ。大人になるとその呼吸がわかってくるんですよね。でも、ナンパは怖いので絶対に行きませんでした。共通の知人がいる程度の人間関係もNG。仕事関係で、比較的よく知っているけれど、実務では関わらない程度の距離感の男性を選んでいました」
「デートは2回までが限界でした。今思えば、短期で距離を置くことが、不倫にはとても大切だと思います。もし、夫が浮気をしていても、短期不倫なら、別に腹も立ちません。長期不倫だったら離婚しますね」
おいしい食事よりも、求めるのは癒し
「長期不倫は許せない」と言い切る響生さんの今の恋人は25歳の大学院生。つかず離れず3か月くらい続いている。
「自分でもヤバいと思うんですが、一緒にいたくなるんですよ。でも男女の関係になるというよりは、おしゃべりしているのが楽しい。私、年上だったり、同世代で仕事ができる人ととばかり付き合ってきたんです。彼らはいろいろ私に教えてくれて、対等な立場か、もしくは上から目線で話す。しかし、25歳の大学院生の彼は、どんな話もフラットに受け止めてくれて。『すごいね~』『よかったね~』『がんばったね~』『大変だったね~』などと絶対に否定しない」
否定しない恋人は、何かに似ている……
25歳の大学院生男子は、相手を否定せず、響生さんのグチも世間話もありのままに受け止める。
「そういう教育をされて、そういう家庭環境で育っているんでしょうね。もうそれは、スマートスピーカーみたいな感じですよ。『〇〇をして』というと『ハイ』とやってくれて、反抗も否定もしない。こっちは仕事でダメ出しされ続け、保育園の先生に送り迎え時にダメ出しされてきた。さらに今は仕事に加えて、学校の先生にわざわざ呼び出されてダメ出しされ、親からも文句を言われている……癒しが必要なんですよ。今回は、ちょっと長く続きそうで、自制しなくちゃいけないと思っているんです」
つかの間の癒しのつもりがゴールのない恋へ…果たして「自制」は本当にできるのだろうか。
写真/(C)Shutterstock.com
Writer&Editor
沢木 文
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。お金、恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。