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LIFESTYLE 夫婦

2020.03.29

令和童貞・令和処女。夫婦で話し合いの果ての末に…『あなたはどう思いますか?』

 

『不倫女子のリアル』(小学館新書)などの著書がある沢木文が、東京で働く女性の恋愛事情をレポート。甘い禁断の果実に潜むリスク…あなたはどう思いますか?

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他人の遺伝子を家庭に持ち込まなければ、いい

お話を伺ったのは…

竹友優里さん(仮名・36歳)、東京都出身・中堅私立大学経済学部卒業後、学校法人に勤務。2歳年上の夫(税理士法人勤務・年収1000万円)と友人の紹介で6年前に結婚。東京都練馬区内の分譲マンション在住。子どもは小学1年生の女子1人。身長160cm、メガネをかけ、真面目そうでふくよかな女性。

夫にお願いしても、してもらえない

優里さん夫婦は子どもを授かったことがわかって以来レスだという。

「私はすごくしたいのに、ずっと夫に避けられています。普段はとても仲が良く、信頼し合っているのに、夜だけダメ。夫はいわゆる”妻だけレス”ではなく、もともと性欲が薄い。新婚旅行でして、子どもが授かったので『これで解放された』と思ったのだそうです」

夫が「令和童貞として生きる」宣言

新婚旅行から帰った後も、数回の交渉はあったものの、優里さんの妊娠がわかると、夫から「赤ちゃんに何か影響があるのが不安だ」と断られてしまう。

「夫は私と娘をとても大切にしてくれます。でも夫婦の交渉はない。夫との回数は、片手で足りるくらいです。人生のパートナーとしては大切な人ですが、交渉がないのは空しい。ずっと我慢していましたが、平成から令和に改元されるときに、『してみない?』と言ったら、『僕は令和童貞として生きる』と宣言されました」

”令和童貞”とはTwitterなどのSNS上ではやった言葉。改元にあたり、経験人数がリセットし「初めてを捧げる」という意味がある模様。

「それなら私は令和処女(笑)。改元の時に今後のことをキチッとしておきたくて思い切って『どうして私とはできないのか』と聞いてみたんです。そしたら『本当に家族はムリ。プレッシャーは仕事で十分。それに僕は一人でもしていない。今だから言うけれど、結婚する前も1人の女性としかしたことがない。できればこれからもしたくない』と言うんです」

夫の初体験について、質問すると、ピアノの先生だったという。

「今でこそ、頭髪が薄く、ちょっぴり丸いオジサンですが、整った顔をしている。幼い頃の美少年写真は、義母が後生大切にとっています」

「他の男性と恋愛していいよ」

でも、優里さんは30歳以降、夫と交渉を持たずに老いていくことの苦しさを訴える。

「そしたら、『他の男性と恋愛していいよ。でも他人の遺伝子を家庭に持ち込まないでね』とあっさり言うんです。夫にとって、私はかけがえがなく、信頼できるパートナーであり、愛する娘の母として完璧な女性だそうです。『僕は夫婦の交渉を供給できないから、よそでして』と。しかも夫はそのことをずっと考えていたようで、女性向け性産業のリンク集をLINEで送ってきたのです。これはとてもショックでした。しかも”供給”ってひどいですよね……」

妻が他の男性と交渉を持つことに、何も感じない夫

優里さんは「もし、逆の立場だったら、優里さんは自尊心がズタズタになると思う」と続ける。

「夫に『ホントにいいの? こんなセクシー男優さんみたいな人に私が抱かれても何とも思わないの?』と聞いたら、『僕は何も感じないよ。優里さんは性欲が強すぎるんだよ』とムッとしたように言われたんですよ。でも、性交渉の問題さえなければ、優しくていい夫なんです」

大学の同級生と交渉を持ち、底知れぬ寂しさを味わう

それから1か月後に行われた大学時代のゼミの飲み会で、当時好きだった男性に、夫から奇妙な提案をされたことを話してしまう。

「そしたら、『俺、令和処女、いただいちゃっていいの?』みたいな話になり、五反田のラブホテルに行きました。久しぶりの男性の重みと、生々しい快楽に驚きました。向こうもそう思っていたみたいで、定期的に会うことを持ち掛けられました。なんというか、自分が”モノ”として扱われたみたいで、悲しくなりました。そして、交渉の後の底知れぬ寂しさがやってきて、泣きそうになりました」

遊び相手は寂しさを受け止め切れない

交渉を重ねるほど、空しさと寂しさは広がるのに、快楽を求めてしまう。

「結局、今もその同級生と月に1回会っているような感じなのですが、すればするほど、悲しさと虚しさが広がっていくんです。それでもやめられない。悲しくても、どうにもならない。どこかで辞めなくてはいけないんでしょうけれど」

優里さんは、「さすがに大っぴらにいうのもどうかと思って」同級生との性交渉のことは夫に言っていない。同級生との関係が始まってから、夫との夫婦関係は良好だという。夫は、スキンシップの先に性交渉を求められないことがわかり、優里さんと一緒にお風呂に入ったり、ハグしたりするようになったそうだ。これは裏切りなのか、そうでないのか…ジレンマを含む夫婦関係に、優里さんは離婚を考え始めている。

写真/(C)Shutterstock.com

Writer&Editor

沢木 文

1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。お金、恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。

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