Q:年をとることに嫌悪感。老ける自分がイヤです
答える人/霜田里絵(銀座内科・神経内科クリニック院長・医学博士)
A:年上のロールモデルを探して向上心につなげて
日本には、特に女性について若さ至上主義の考えがあることは否めません。そんな背景もあって、年齢への嫌悪感を感じてしまうことも、仕方ありません。
ただ、海外に目を向けてみれば、年を重ねることがマイナスではないということは、さまざまな書物で語られています。読みやすいところでは、フランス人女性の生き方を取り上げた本など、いかがでしょう。
こうした本の中でもいいし、現実の生活の周囲の人でもいいし、年上のロールモデルとなる人を探し、自分の向上心につなげるのは有効なこと。私の受けもつ患者さんで、いつも美しく身なりを整えてきれいにしている80代後半、90代の女性たちがいます。こういうふうに生きていきたいと思わされる、憧れの存在です。
アメリカのイエール大学の研究では、年を重ねることを肯定している人は、否定している人よりも8年近く寿命が長かったと発表されています(※)。加齢を悩むよりも、受け入れて前向きでいるほうが、心身ともにいいし、若さを保つことにもつながるといえそうです。
※Thinking Positively About Aging Extends Life More than Exercise and Not Smoking(イエール大学 2002年7月29日)
写真/Shutterstock.com
銀座内科・神経内科クリニック院長・医学博士
霜田里絵(しもだ さとえ)
医師・医学博士。銀座内科・神経内科クリニック院長。パーキンソン病、アルツハイマー病、脳血管障害、頭痛、めまい、しびれなどが専門。『絶対ボケない頭をつくる!:脳の専門医が教える 元気に、長生きする方法』(学研パブリッシング刊)、『一流の画家はなぜ長寿なのか』(サンマーク出版)ほか著書多数。
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