Q:物忘れが激しい! どうしたら治せますか?
答える人/霜田里絵(銀座内科・神経内科クリニック院長・医学博士)
A:忙しくても「ぼんやり過ごす」時間をつくる!
私のクリニックでは、「ものわすれ外来」をやっているのですが、そこに来る方の多くは「睡眠時間が少ない」、または「ぼーっとする時間が少ない」という共通点あります。
「睡眠」は体を休めるだけでなく、記憶をつくるために大事な時間です。また、数年前に「デフォルト・モード・ネットワーク」という脳の機能があることが発表され、「人はぼんやりしているときに脳内を整理している」ことがわかっています。だから、「睡眠」と「ぼんやりすること」なしに、何かを覚えておこうなんていうのは、甘い話(笑)なんです。
現代の生活では、いつでもスマホ片手で頭をぼーっとさせることがないし、マルチタスクも習慣になっていますよね。「ぼんやりする」ことは、よほど意識しないとできないもの。私は、昔からこの「ぼーっとする」のが大好きで、仕事前には毎日カフェに立ち寄ってぼーっと過ごしています。でもこの習慣が、いい状態で仕事をするために必要な時間なのです。
忙しい人ほど、「睡眠」と「ぼんやり」を大事にして、脳をいたわってください。
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銀座内科・神経内科クリニック院長・医学博士
霜田里絵(しもだ さとえ)
医師・医学博士。銀座内科・神経内科クリニック院長。パーキンソン病、アルツハイマー病、脳血管障害、頭痛、めまい、しびれなどが専門。『絶対ボケない頭をつくる!:脳の専門医が教える 元気に、長生きする方法』(学研パブリッシング刊)、『一流の画家はなぜ長寿なのか』(サンマーク出版)ほか著書多数。
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