mailoveのvenus maiです。
灼熱のエルサレムからエキゾチックなイスタンブール、そして一面の雪景色へ…と眺めるだけでも旅気分な、映画『オリエント急行殺人事件』を見てまいりました。
ご存じ、アガサ・クリスティの名作を、ケネス・ブラナー監督・主演のもと、ジョニー・デップやペネロペ・クルス、ミシェル・ファイファー、ジュディ・ディンチなど名優が勢ぞろい!
ストーリー展開や結末は有名ですし、謎解きを楽しむというよりも、映像の美しさと俳優陣のアクの強さを堪能。と言いながらも、やっぱりストーリーにも惹きつけられました。
ジョニー・デップは、相変わらずの変幻自在ぶり。いやらしい悪党役をケレン味たっぷりに。
ジュディ・ディンチやミシェル・ファイファーの、シワの一つ一つまでも品格にしてしまうような誇りに満ちた美しさと存在感。
実写版『美女と野獣』のル・フウ、アニメ「アナと雪の女王」のオラフ(声優として)などコミカルな演技が印象的だったジョシュ・ギャッドは、複雑な過去のある男でギャップ萌え。
他にもひとくせ&影のあるキャラクターたちが、演技を重ね合わせていく面白さ! ひと目でその人の人生を感じさせるような演技って、見ている方には自然に見えても、演じている側にはとてもハードなことだろうなと思うのですが。けれど、楽しんで演技していることが伝わるような、それぞれの魅力が十分に発揮されていることが、素晴らしかったです。
個人的にいちばんのお目当ては、伯爵役を演じたセルゲイ・ポルーニン。
ドキュメンタリー映画「世界一優雅な野獣」で大注目を浴びた、元英国ロイヤルバレエのプリンシパルの俳優デビューということで、楽しみにしていました。セリフも出番もほんの少しですが、スクリーン映えする鋭利な眼差しと美貌にうっとり。アクションの切れもさすが!
正直、エルキュール・ポワロといえばドラマシリーズの印象が強く、ケネス・ブラナーはどうやってもイギリス人だし、原作の神経質で洒脱な変わり者というよりも、威厳と風格がありすぎて違和感があったのですが、謎を解き明かしていく終盤の息もつかせぬ迫力は、もう見事でした。独自の魅力で、新たな探偵像に。
絵画のようにドラマティックな景色と、列車に一緒に乗って揺られているかのような臨場感とリアリティ、衣装や車内の細部に至るまで凝った美しさ、しんしんと降る雪の中を旅する高揚感……映画ならではの夢の世界に誘ってくれるゴージャスな作品。絶対映画館で観るのがオススメです!
『オリエント急行殺人事件』
http://www.foxmovies-jp.com/orient-movie/
venus mai
元ファッションエディター。同じ“マイ”という名前のneffy maiと共に、スピリチュアルビューティコンサルタント“mailove”として活動。東京大学文学部美学芸術学科を卒業。アートやカルチャーに造詣が深く、ライフスタイルにも独特の美意識を発揮する。1979年生まれ・いて座・AB型。Domaniウェブサイトにて『ふたりの女の官能カラーパレット12か月』『ふたりの魔女の恋愛タロットリーディング』なども担当。
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