「やってみよう」という気持ちで、とにかくいろんなことにチャレンジしていきたい!
「カイちゃん(七海さんの愛称)がまた、なんだか面白そうなことをやっているよ!」と、ファンを喜ばせ驚かせてくれる七海さんの活動は、とどまるところ知らず。オンラインを活用したコンテンツや動画配信など、オリジナリティあふれる活動は今の時代に沿っていてとてもうれしいものです。タカラヅカの現役の時は見ることが難しかった七海さんの新たな一面は、とても新鮮でユニーク。そのアイディアやバイタリティーは、どこから生まれてくるのでしょうか?
「LINE LIVE」アプリを活用されていますよね。コンテンツもとっても面白いです。
七海さん(以下、敬称略):「LINE LIVE」の公式チャンネルは、おうち時間が長くなる前から配信していました。タカラヅカ時代は、ファンの方や応援してくださっている方と、舞台と客席などで毎日会う時間があったのですが、そんな時間が少なくなり私自身も寂しくなってしまい。みなさんと触れ合える時間をちょっとでも作りたいなと思って始めたのがきっかけです。外出自粛の期間にはさらにSNS活動を強化してみなさんと楽しみたいなと、より密度の濃い配信をしていきたいと考えたんです。
LINE LIVEの「TEA PARTY」は、乾杯からはじまり、みんなで楽しくお話をしたりゲームをやったりする番組です。(料理や食レポなどの)「やってみよう」シリーズは、今までやったことのないものをひたすらやってみる番組。私はほとんど料理をやってみたことがなかったので、「やってみよう」となりました。誰も助けてくれない中で自分の記憶だけでやってみる(笑)。そういった中で、自分のパーソナルな部分が出せるのかなと思っています。それでみなさんが笑ってくださったりツッこんでくださることが私もうれしいので、これからもどんどんやっていきたいですね。コンテンツはひとりで全部はできないため、信頼できるスタッフのみなさんと創っています。
「スタイリッシュ手洗い」も、アルバムの曲の擬人化総選挙も、沸いていましたね(笑)。
七海:「スタイリッシュ手洗い」は本当にみなさんが楽しんでくださって。私としても、「この人、面白い!」と思っていただきたかったので本望でした(笑)。いかにカッコよく、いかにきれいに洗えるかがポイントです。自分だけでなく自分が大切に思っている人を守るために、一番簡単で手軽にできること(手洗い)を伝えたいというところから「やってみよう!」と具体的な話になり、それに快くスタッフのみなさんが協力してくださって。
曲の擬人化は、4月に発売したアルバム『KINGDOM』の1曲1曲をキャラクター化してみたら面白いかなと思い考えました。11曲ひとつひとつにキャラがあり、それぞれ物語があったら、このアルバムをもっと楽しんで聴いていただけるんじゃないかなと。名前やセリフや性格を、ひとりひとり決めていったらだんだん楽しくなってきて、というかずっと楽しかったんですけど(笑)。「この子はキャラ立ちしてるけど、この子はちょっと薄くない?」とか、ひとりで考えると偏りそうなのでスタッフの声も取り入れながら作りました。11曲中3曲までをみなさんに選んでいただいて、その曲のキャラクターボイスを私が当てたものをまた発表して、総選挙ファイナルをしているところです。キャラクターボイスも、役によって作り込んで録るというのを試行錯誤しながら行いました。
(※6月25日に「あまね」に決定しました!)
一人称があるのがよかったです。「わかるー、このキャラは『俺』だよね!」とか思いながら見ていました。(by イラスト担当の春原さん)
七海:曲の中に「僕」とか「俺」とか出てくるものはいいんですけど、出てこないものは「この子はどっちかな」と考えながら。
『KINGDOM』の作詞は、漢詩だったり文学だったり空想だったり、いろんなところからのヒントをもとに生み出されたということですが、特にどんなところからの影響がいちばん大きいのでしょうか?
七海:曲にもよるかなと思います。(『花に嵐』のもとになった)漢詩は学生時代にハマっていた時期があって、いつかどこかで使えるといいなと思っていたんですよ。今回、曲とフレーズと音の数がぴったり合い、ハッと思って書きました。今の自分の思いや考えたことを歌詞にする時もあるし、宝塚音楽学校を受験したときや下級生時代のこと、自分が苦しかった時期のこととか…特にいつというわけではないんですけど、私が今まで過ごしてきた道を表現しているものもあります。
言葉の選び方や組み合わせ方がとても素敵ですよね。
七海:とてもうれしいです。昨年『GALAXY』というアルバムを作った時にまず、「歌詞をどうする?」という話が出て。自分で書くか、どなたかが書いてくださったものを歌うかとなったとき、まずひとつ書いてみてキングレコードの方に見ていただいたんです。話し合った結果、やっぱり自分の言葉で作った方がお客さまの心に響くんじゃないかなと。「やってみよう」と全曲の作詞をさせていただくことになりました。
お仕事として、タカラヅカ・スカイ・ステージの『ときめきタカラヅカSTYLE』があり、退団してもなおタカラヅカとの縁も深いとおもいますが、今、卒業されて思う「タカラヅカ愛」とはどんなところですか?
七海:在団中は自分もそこに立っているひとりだったので、仕事として舞台を研究していました。「この場面はこうするともっといいかも」とか「ここでこうしたら、客席からはこんなふうに見えるんだな」とか、いろいろ吸収するために細かく見ていたんですよね。退団したらもう、私は完全にファンモードで(笑)。(目をキラキラさせて拍手しながら)「うわー、きれーーー!」とか「カッコいーー!」と、すっごく楽しんじゃっていますね。タカラヅカのお客さまは、優しくて温かい! 情がある! 本当にそう思います。だからこそタカラヅカはこれだけ長く愛されているんだなと、感謝と感動を改めて強く感じますね。
「カッコいい七海さんにツッこんでいいのか!?」と躊躇してしまう気持ちもありますが、今後は遠慮なく(笑)! スタイリッシュでスマートで、でもおちゃめでユーモラス。「七海ひろき」の多面性に引き寄せられ、ハマってしまう方がたくさんいるのでしょうね。うーん、恐るべきひろき沼…。
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撮影/大靏 円(昭和基地) 文/淡路裕子
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8月12日(水)20:00より配信【配信チケット】 3,900円(税込)
※ライブ配信は90分を予定しております。
※チケット販売は8月13日21:00まで。8月13日23:59まで視聴可能。詳細はこちら
アーティスト
七海ひろき
ななみひろき・1月16日生まれ、茨城県出身。2003年、89期生として宝塚歌劇団に入団。月組大劇場公演『花の宝塚風土記/シニョール ドン・ファン』で初舞台を踏み、宙組へ配属。星組へ異動し、2017年にバウホール公演『燃ゆる風』で単独初主演。2019年、星組大劇場公演『霧深きエルベのほとり/ESTRELLAS』で惜しまれながら退団。その後は、俳優、声優、音楽活動など、枠にとらわれることなく様々なフィールドで活躍を続けている。現在は、漫画『夢の雫 黄金の鳥籠』のテレビCMに出演しているほか、7月16日からは「科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』綺伝 いくさ世の徒花 改変いくさ世の徒花の記憶」(※正式タイトルは「綺伝 いくさ世の徒花」に取り消し線入る)が開幕。8月9日の大千秋楽公演はライブ配信も決定している。
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