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2020.12.21

【女優・寺島しのぶさんにインタビュー】家族との日常、2021年に向けて思うこと

 

女優の寺島しのぶさんが、家族そろって登場!毎日の日課や子どもとの関係など、「家族との時間」について語ってくださいました。

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普通に戻ることがいちばん。悩みすぎず、先を決めすぎず、流れに身を任せます

寺島しのぶ(女優)
ローラン・グナシア(クリエイティブディレクター)
寺嶋眞秀くん(8歳)

寺島さん/ブラウス¥185,000・スカート¥217,000(フェンディ ジャパン〈フェンディ〉) イヤリング¥1,200,000・リング¥800,000・ブレスレット¥680,000(ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション〈Harry Winston〉) ローランさん/シャツ¥106,000・パンツ¥96,000(ヨウジヤマモト プレスルーム〈YOHJI YAMAMOTO〉) 眞秀くん/シャツ¥12,800(Universal Drafting〈GRIS〉) その他/スタイリスト私物

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「わが家の朝は、自家製の野菜ジュースづくりから始まります。小松菜やトマト、にんじん、さらにそのときどきの果物を ミキサーにかけて、夫と息子に1杯ずつ、そして私にも1杯。和食好きの私と、和食が苦手な夫との間をとりながら、メニ ューを考えるのは大変ですが、家族と食卓を囲む時間が増えたのは、今年の大きな変化でした。

息子は4歳で歌舞伎界にデビューし、毎年舞台を踏んでいますが、彼自身も家族も、役者に固執しているわけではありません。今年はひとりでCM出演や映画のアフレコの仕事もやらせていただきました。きっと、ジャンルを問わず表現することは好きなのでしょう。いつもは甘えていても、自分が仕事場の中心だとわかると、しっかりした顔を見せます。私も仕事場に同行はしますが、そんなときは裏方に徹します。それでも状況によっては、周囲の人に甘えたりわざと悪い自分を見せたりするのも子どもならでは。つい私も衝突してしまいますが、これも成長過程なのだととらえて、ぐっと我慢します。子育ては修行だという人がいますが、まさにそんな心境です。

今、息子がなりたいと言っているのはサッカー選手。それも日々変わっていくのでしょうが、日本舞踊や常磐津のお稽古、空手、さらに水泳にフランス語、アートスクール、テニス…、どれも好きで続けているものばかり。その中から、自分の道を選んでほしいというのが、わが家の考えです。これまでは、私がすべての習い事の予定を管理して、送り迎えもしていましたが、人の手も借りていくスタイルに変えつつあります。

夫の子育ては、なんでも子ども自身で決めさせて、自分で責任を取らせる、フランス式です。赤ちゃんのときから、ひとり部屋で寝るのはあたりまえ。勉強をしなくても、失敗しても自分のせいだし、手助けしすぎずに、自分ではい上がらせる。それ以外、うるさく言うことはありません。自由すぎて、私がつい世話を焼きすぎてしまうこともあるけれど、あれこれ指図したところで、反抗されるだけ。私が子どものときそうだったから、たぶん似ているんです(笑)。

夫の仕事も息子の学校生活も、ようやく通常に戻ってきましたが、2021年がどうなるか、予想することはとても難しいですよね。国際的イベントを手がけることが多い夫の仕事も、いくら来年を見据えて計画を立てたとしても、またいつどこで何が起こるかわかりません。“普通の”ルーティンを繰り返せるようになったら、それがいちばん幸せなことです。とはいえ、何が“普通”かわからなくなっているのも、今の時代です。だからこそ、悩みすぎず、先のことを決めすぎず。流れに身を任せるくらいで、ちょうどいいのかもしれません。

決めすぎないのは、家族旅行も同じです。わが家の旅行スタイルは、いつも行き当たりばったり。みんなの予定が合ったからちょっと出かけようとか、そうしたらたまたま飛行機が3席だけ空いていたとか、行きたいホテルが運よく取れたとか。前々から予定を組んでやらないほうが、意外といい方向に転んだりするようです。今年は旅行が思うようにできなかったので、2021年こそは行けますように。フランス出身の夫は、夏のバカンスが一年で最大の楽しみです。私も仕事が重ならないかぎりは、一緒にフランスに帰省します。息子のフランス語の上達に目を細めたり、夫の家族や友人に会ったり。そんな日が戻ってくることを、心から願っています」

▲2020年9月、眞秀の8歳の誕生日をお祝い。なかなかろうそくが消えなかったのも楽しい思い出です。

▲2017年『團菊祭五月大歌舞伎 魚屋宗五郎』では丁稚(でっち)役として1か月間の舞台を務めました。

▲毎年、夏のバカンスは夫・ローランの友人たちと過ごします。写真は2019年のもの。

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女優

寺島しのぶ

てらじま・しのぶ(47歳)/1972年生まれ、京都市出身。舞台からキャリアを始め、2000年スクリーンデビュー。映画『赤目四十八瀧心中未遂』で2004年に日本アカデミー賞最優秀女優賞を受賞。2007年にフランス出身のクリエイティブディレクター、ローラン・グナシアさんと結婚。2012年出産。長男・眞秀くんは2017年・4歳のとき『團菊祭五月大歌舞伎』で初お目見え。以降毎年、歌舞伎の舞台を踏んでいる。寺島さんの最新出演映画は11月13日公開『さくら』。3人の子どもと愛犬と暮らす母親役を演じている。

Domani12/1月号「2020年→2021年〝じぶんのじかん〟、〝かぞくのじかん〟。」より
撮影/三浦憲治 ヘア&メーク/片桐直樹(EFFECTOR) スタイリスト/中井綾子(crêpe) 協力/プロップス ナウ、EASE 構成/南 ゆかり、上阪泰幸(本誌) 再構成/WebDomani編集部

 

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