失敗をポジティブに捉える術を教えてくれた台湾の人たちのお話
機内という限られたスペースを200〜300人にでシェアしていれば、それはそれはいろんなことが起こります。特に日台間の飛行時間はとにかく短く、限られた飛行時間内で気流に身をまかせながら、離陸〜食事の準備・配布・回収〜免税品の販売〜着陸とテンポよくこなしていかなければいけないので、気持ちが焦り気味になることも。
するとやっぱり「やってしまった〜 !」というシーンに出合うのです。
台湾文化では「水」は「金運アップ」のサイン
機体の揺れに耐えられるよう訓練を受けていますし、細心の注意は払っているものの、何せ空中でのミール&ドリンクサービス。いきなりドンと機体が浮いたり沈んだりすることもしばしばで、特に偏西風の影響を大きく受ける日本付近は要注意エリア。
ときには食事のトレイや飲み物を乗客にうまく渡せず、最悪こぼしてしまうことも。そういう私もお恥ずかしながら何度かそういうミスをしてしまったことがあります。そのときはもう平謝りで急いでお拭きしタオルをお渡ししました。
幸運なことに、日本人乗客もも台湾人乗客も「大丈夫」「沒關係 沒事沒事 (大丈夫 大したことないから)」と笑顔で対応してくれる人が多く、心救われたことです。
そして台湾人に至っては「哇 我要去買樂透了 (おっと、宝くじを買いに行かなきゃ)」という反応をする人も! 「えっ! 宝くじ!?」
実は台湾には「遇水則發 (Yù shuǐ zé fā)」という言葉があり、これは直訳だと「水に出逢ったら発展する」いう意味。日本でも水まわりは金運に関係しているといいますが、それと同じように風水で水は金運アップのサインということ。しかも多くの人は「被水潑到 (Bèi shuǐ pō dào)」= 水にかけられた、水に選ばれてこぼれられた、という受け身の捉え方をします。
お客様に水をこぼすなどもってのほか。さらに気を引き締めようと誓いつつ、ハプニングをこうして受け止めてくれた台湾の人の優しさには今でも感謝しています。
そしてこの件があってから、プライベートで水にまつわる面倒ごとやミスがあったときは「これ、もしかして金運?」と思うようにしています。
【続】
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美容ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official「