花組時代を一緒に過ごした望海風斗さんに向けて
RiRiKAさんがいらした89期は黄金世代ですよね。注目のスターさんがたくさんいらして、トップスターとトップ娘役を3人も輩出しました。
RiRiKA:89期って、最初は「何もできない期」と言われていたんですよ、実力がない期、みたいな。「顔だけで選ばれた人が多い」って。それが悔しくて努力する人が多かったんじゃないかなと思います。だからみんながスターになったことが、すごくうれしいです。観ている側で楽しませてもらいました(笑)。
雪組トップスターの望海風斗さんも退団されました。花組時代をともに過ごされてきた同期に、思うところはございますか?
RiRiKA:望海は、私がタカラヅカにいた4年の思い出の中に、ずーっといる人です。ずっと隣にいる人。四六時中一緒にいて、本当に仲もよくて、だから彼女には特別な感情がありますね。めっちゃケンカしたりとかもね(笑)。言うことを、きちんと言ってくれる人なんですよ。例えば私がグダグダしていると「あ〜、今日はイケてないよ、顔がイケてない」とか、本気で言ってくれるんです。「今日の髪型変だよ」とか「そのリップ、センスない」みたいな、嘘のないところが本当に好き。レッスンをサボってしまった日に、「今日来なかったよね、なんで?」とかちゃんと気にかけて注意してくれる人でした。それって、相手を本当に思ってのことなんですよね。お互いに、これからどうなっていきたいかという夢も深く語り合ったからこそ、「そんなんでいいの?」と気にかかると言うか。
退団してしばらく経った今でも、彼女の舞台を観たら長文の感想を送るんです。同期のいち意見なのに、ちゃんと聞いて取り入れてくれたり、そんな関係性をずっと築けていた人で。退団公演の『fff-フォルティッシッシモ-〜歓喜に歌え!〜』も観まして、(望海さん演じる)ベートーヴェンは本当に集大成という感じがして感動して…今までで最高でした。本当に素晴らしかった。もう彼女のタカラジェンヌとしての男役姿は見られないのかと寂しい気持ちもありますが、ずっと楽しませてもらうことができてうれしかったです。長い間、お疲れさまでした。
今回の取材はリモートで行いました。画面越しのRiRiKAさんは柔らかくふんわりした印象でありながら、小気味よく、ときにはユーモラスに話される朗らかな方。つながりの深い方々と、ずっといい関係が続いているのも納得です!
次回はカラオケ女王ならではの、ストイックな練習方法などうかがいます。お楽しみに。
文/淡路裕子
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アーティスト
RiRiKA
りりか/1984年12月26生まれ、大阪府出身。2003年に89期生として宝塚歌劇団入団。月組大劇場公演『花の宝塚風土記/シニョール・ドン・ファン』で「花咲りりか」として初舞台を踏み、花組に配属され娘役として活躍。宝塚音楽学校時代に、宝塚音楽学校史上初の歌唱評価「秀」を獲得。2006年に花組日本青年館公演『MIND TRAVELLER』で退団。退団後はミュージカル『ミス・サイゴン』エレン役等、舞台を中心に活動し、近年はテレビ東京「THE カラオケ☆バトル」に出演し、毎回高得点を叩き出して注目の的に。オンラインサロン『RIRI Class』を主宰している。
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