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2021.05.18

菅野美穂さんインタビュー後編「気持ちの揺れも怒りも受け入れて。仕事と育児の完璧な両立は目指さずに」

菅野美穂さんにとって10年ぶりの主演映画となった映画『明日の食卓』。自身と同じ「働く母親」役をとおして感じたこと、そして菅野さん流の仕事と育児の両立法とは。

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前編

仕事と育児、かける比重はそのときどきで変わっていい

――映画『明日の食卓』では、住む場所も家庭環境も異なる母親3人が、それぞれの問題と向き合いながら、悩み、闘い、そして家族への気持ちを表現する。そのひとり、菅野さん演じる留美子が、仕事と育児とのはざまで、イラ立ったり困惑する様子は、実にリアル。共感ポイントについて語った<前編>に続き、後編では菅野さん自身のリアルを掘り下げます。

10年先を見すえて仕事と育児を考えました

「ひとり目の子どもが生まれたあと、その先の10年を見すえて、仕事と育児との両立をどうやっていくか、ずいぶん考えました。その後、ふたり目が生まれて仕事を再開するときにわかったのが、『両立は目指さない』ということ。どちらも完璧にするのは無理だし、そう考えておくほうが、自分にとって楽であることは明白です。

かける比重はそのときどきで変わっていいし、いつもどこかでやり残していることが頭にあるのも、仕方ないこと。『今日、あれができなかったな』『やり残しちゃったな』と思いながら、毎晩寝ています(笑)。

それでも、仕事ができなかった日でも『子どもの成長を見ることができた』と思えば、自分で納得できるもの。子どもと離れて仕事に集中した日は、脳が切り替わるのがわかりますし、仕事を終えて子どもと再会したとき、リフレッシュした気持ちで向き合えるよさもあります」

育児ほど合理化できないものはない

「私の場合、真面目にやればやるほど袋小路にはまりやすく、両立しようと頑張るほど理想の自分と逆になって怒ったりイラ立ったりしてしまいがち。子どもが育つ中で、この瞬間は今しかないのに、それを味わうこともせず、なんとか合理的にできないものかと、悩んだこともありました。でも実際は、育児ほど合理的にできないものはないのに。ムダを省いて、効率よく、いつも穏やかに…、これは早々にあきらめました(笑)。

本当のことをいえば、映画の中で高畑充希さんが演じた母親(石橋加奈)は、私が思う理想像です。母子が互いを思いやり、ぶつかり、思いやるからこそ苦しんだり。

私自身もそうありたいと思う一方で、ときには感情に振り回されすぎないことも大事だと思います。喜びすぎず、落ち込みすぎず。感情があるのは、それだけ人生に彩りがあるという素敵なことでもあるけれど、平坦でいれば、たとえ悪いことがあっても深刻にならずにすみますからね」

(C)2021「明日の食卓」製作委員会

――ちなみに、高畑充希さん演じる石橋加奈は、30歳のシングルマザーでバイトを掛け持ちしながらひとり息子を育てるがむしゃらな母親。貧困、リストラなどの社会問題に直面しつつも、親子で助け合いながら暮らしている。

そして映画3人目の母親は、尾野真千子さん演じる石橋あすみ。恵まれた環境で息子は健やかに成長しているように見えるが…。生活環境は異なっても、3人の母親が子どもを大事に思うがゆえに悩み、怒り、傷つくのは同じ。そして、それはこの3人だけに限らないということも、この映画は教えてくれます。

(C)2021「明日の食卓」製作委員会

忙しい日常で少し立ち止まって考えてみる

――菅野さんは映画『明日の食卓』を、「子どもをもつ人はもちろん、これから母になる人にも、そして男性にも観てほしい」といいます。その理由は…。

「お茶して、友達と話して、共感し合って、気持ちがちょっと楽になって、それぞれの場所に戻っていく。それは、私たちの日常の中でのセラピーみたいなものですよね。直接悩みを言い合わなくても、この映画は、忙しい日常で少し立ち止まって考えて、自分だけじゃないって思えるという点で、セラピー的存在になるのかもしれません」

画像ALT(C)2021「明日の食卓」製作委員会
映画 『明日の食卓』

わずか10歳でこの世を去った「石橋ユウ」。同じ名前の息子をもつ3人の母親たちは、それぞれの事情を抱えながら子育てに奮闘する。だれが「ユウ」を殺したのか…?
出演:菅野美穂 高畑充希 尾野真千子
柴崎楓雅 外川燎 阿久津慶人 / 和田聰宏 大東駿介 山口紗弥加 山田真歩 水崎綾女 藤原季節
真行寺君枝 / 渡辺真起子 菅田俊 烏丸せつこ
監督:瀬々敬久 脚本:小川智子 原作:椰月美智子『明日の食卓』(角川文庫刊)
製作幹事:WOWOW 配給:KADOKAWA/WOWOW
5月28日(金)全国ロードショー

公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/ashitanoshokutaku/
Twitter:@asushoku_movie

俳優

菅野美穂

1977年生まれ。1993年、『ツインズ教師』(テレビ朝日)の生徒役で女優デビュー。1995年にはNHK連続テレビ小説『走らんか!』の準主役に抜擢、1996年『イグアナの娘』、2000年『愛をください』、2004年『愛し君へ』、2010年『曲げられない女』、2012年『結婚しない』、2016年『べっぴんさん』『砂の塔~知りすぎた隣人~』、2017年『監獄のお姫さま』、2021年『ウチの娘は、彼氏ができない!!』などに出演。映画では1995年『大失恋。』で映画初出演し、2002年『Dolls(ドールズ)』、2007年『さくらん』、2013年『奇跡のリンゴ』などに出演。2014年ディズニー映画『ベイマックス』では声優をつとめた。

撮影/中田陽子(maettico) スタイリスト/青木千加子 ヘアー&メーク/布野夕貴 構成/南 ゆかり

トップス¥50,600¥29,000(ボウルズ<HYKE>) イヤリング¥643,500(TASAKI)
○問い合わせ先 ボウルズ 03-3719-1239 TASAKI 0120-111-446

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