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LIFESTYLE インタビュー

2021.06.01

【兄弟漫才師 ミキ】「理想はみんなに笑ってもらえるシンプルな漫才」|スペシャルインタビューvol.1 仕事編

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みんなが幸せな気持ちになった単独ライブでの出来事

――覚えていらっしゃるかわかりませんが、おふたりの単独ライブを観に行ったときに、途中で、観客席の赤ちゃんが泣いてしまったことがあって。

亜生:僕らのライブ、けっこうちっちゃい子とか来るから、ようあるんですよ。

――お母さんが赤ちゃんを連れて会場から出ようとされたんですけど、漫才中にもかかわらず、おふたりが舞台から「出ないでええよ、赤ちゃんは泣くもんやし」っておっしゃって。その瞬間に客席の空気が、ふわってあったかくなったんです。

亜生:アハハ。

――おふたりの言葉で、そのご家族も救われたし、ほかの観客も嫌な気持ちにならないし、本当にいいライブだったなって。

昴生:だってお母さんもかわいそうじゃないですか。本当に観たいのは、たぶんお母さんで、子どもを連れて観に行けるところなんてそんなにないから。お母さんが楽しみにしてるのに、子どもが泣いたからって、お母さんが出て行くのもかわいそう。

亜生:でも僕らも心苦しいんですよ。周りの目もあるから、「観てていいよ、子どもは泣くもんやから」ってこっちが言って席におってもらうのは、逆にお母さんが気ぃつかうやろうなって。

昴生:どっち取るんかっていうのもあるんですけど、でもさすがにかわいそうに見えて。子どももずっと泣いてることなんてないし、ずっと泣いてたら気ぃつかって出ていきはるから、あれくらいのハプニングやったら、こっちは大丈夫っていう感覚ですね。

亜生:最近はね、そういうとき僕は「子どもはみんなで育てよ」って言うんですよ。あの子が泣いてても、みんなで育てたらいいやんっていう。でもそれ言うとなんか、ワーッって変な拍手が起こって……。ボケのつもりで言ってるんですけど(笑)。

昴生:地方公演は特にですね。1年もしくは数年に1回しか行かないところやし、お客さんからしたらめったに観る機会がないから。ほかの漫才師が出る舞台は「ちょっとごめんなさいね」って言うときもありますけど、単独は、ちょっとだけ特別ですね。

どんなに人気者になっても、変わらず謙虚に漫才と向き合うミキさんでした。次回は、おふたりのルーツである、ご家族について語ってもらいます!

撮影/高木亜麗 取材・文/湯口かおり

『MIKI OFFICIAL BOOK ミキ、兄弟、東京』
ミキ/著(発行:ヨシモトブックス/発売:ワニブックス/¥2,420)

お笑い芸人

ミキ

京都府出身の兄弟漫才コンビ。兄の昴生(こうせい)と弟の亜生(あせい)で2012年にコンビ結成。2016年「第46回NHK上方漫才コンテスト」優勝、2017年「M-1グランプリ2017」3位、2019年「第54回上方漫才大賞」新人賞受賞。2019年4月以降は、東京に拠点を置きながら、全国で漫才を披露している。7月からは単独ライブ「ミキ漫2021全国ツアー」がスタート予定。公式HP

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