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2021.06.02

SNS疲れを感じたら、根本の原因を見つめ直してみよう【SNSコンサルタント生駒幸恵さんVol.3】

 

ロングインタビュー最終回Vol.3は、SNSコンサルタントという仕事について。代行業とも代理店とも異なる、「ヒットの流れ」をつくるその中身と手腕をご紹介。Domani世代へのSNSとのつきあい方も必読です。

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SNSのノウハウを使って商品や人を動かす。SNS代行業ではありません

インタビューVol.1▶︎mixiから始まった、推す喜びと認められるうれしさ
インタビューVol.2▶︎コラボ商品やスター発掘。ギャル文化をSNSで牽引

――アパレルでの活躍を起点に、SNSコンサルタントという仕事を確立させ、起業するまでになった生駒さん。その経験を講演やテレビ番組などで伝え、アパレルやエステ、ネイルサロン、さらには地方自治体や100円ショップなどのSNSアカウントをディレクションし、ビジネスを活気づけてきました。

社内体制の提案や在庫管理にも関わる

私がビジネスでやるべきは、これまでのSNSのノウハウを使って商品や人を動かすこと。SNSの代行やフォロワーを増やすことだけが仕事ではありません。クライアント社内にSNS担当を置くように提案したり、商品開発や在庫管理まで関わって、ようやく「流れ」が完成するのです。

――SNSを核にして運営体制とビジネスの流れをつくり、企業の問題を解決する。この生駒さんが描く理想図が実践できたひとつの例を紹介してもらいました。

100円ショップ「Watts」の公式アカウントは、500人程度のフォロワーからスタートし、2年間で12万人にまで増やすことができました。もともと売り上げ規模は大きかったのですが、課題はブランディングにあると感じた私は、インスタ開設をし、写真の撮り方にこだわり、毎日の投稿を提案しました。

お客さんからの反響が大きくなったところで、100円グッズの通販も提案。それも漠然と商品を並べるのではなく、そのときの流行りものや人気のアイテムをリサーチして、掲載商品をセレクトし、見せ方にもこだわりました。100円グッズを通販で? と懸念する声もありましたが、気づけば1店舗ぶんほどの売り上げに成長。100円ショップとしては画期的なことでした。

「これだけの景色が見られるとは思っていなかった」。クライアントからこんな最上級の感想をもらったときには、さすがにウルっときました。

「生活の切り売り」ではなく「生活の延長にある」無理のないSNSを

私自身のSNSはというと、今は完全にマイペースです(笑)。かつてアパレルにいたときは、会社やブランドを応援したくて、新作を着てアピールして、どんどん更新して、朝も夜もSNSをチェックして、と頑張っていましたけれど。更新頻度は少なくなっても、やっぱりSNSが大好きであることは変わりません。次に住まいを引っ越ししたら、もっとインテリアにこだわって、それを発信できたらいいな、と思っています。

SNSのために何か買ったり、つくろったり、ライフスタイルを切り売りするようなことは、辛くなるだけで続きません。それより、自分の生活する世界をしっかりつくることを優先して、生活とひもづいた無理のないSNSを。それが自分のためだし、時流にも合っていると思います。

△生駒さんの持ち物は、ミニバッグにおさまる最小限のアイテムのみ。長時間出歩かないのでパソコンは持ち歩かず、キャッシュレス生活なのでミニ財布で十分。手帳タイプのスマホケース(右下)は必要なカードが入るようにポケットの数やデザインをオーダーしてつくってもらったもの。ネイリストが使うニッパーは指先が気になったとき用に常備。

デジタルデトックスよりも自分の根底を見直してみる

SNSはとてもエネルギーのいること。個人アカウントなら無理しないのがいちばんだし、やりたくないときはやらなくていい。そう考えるようになってからは、私自身気持ちの余裕ができました。

SNSが気になって仕方ない、疲れが抜けない、という人には…。アプリを削除して見ないようにする、というのは、よくいわれる方法ですが、それは一時的に遮断しているだけ。根本の原因が解決されなければ、同じことを繰り返してしまいます。

SNSの根本の問題――たとえば誰かをうらやましいという感情なら――、どうしてそう感じるのか、自分のどこに原因があるのか、見つめ直してみる。セラピストの力を借りるのでもいいし、誰かに話を聞いてもらうのも、有効でしょう。私もつらかったとき、そうやって乗り切りました。

最後にもうひとつアドバイスするなら、すべてをSNSにさらさなくていい、ということ。何割かは、自分と親しい人にしか見せないものとしてとっておくのです。たとえば、家族のこと、住んでいる場所などプライベートすぎることなど、「載せない」ことを決めておく。プライベートのアカウントで、仕事のことを書かないと決めている人も多いでしょう。SNSから発生する危険なことから自分を守るためにも、そして信頼を失わないためにも、大事なことだと思います。

私の場合は、「ネガティブ」と「美しくないもの」は載せない。それがマイルールです。

SNSコンサルタント、株式会社IFPARKMEDIA(イフパークメディア) 代表取締役

生駒幸恵(いこま・さちえ)

1986年生まれ 千葉県出身
株式会社バロックジャパンリミテッドに入社しグラフィックデザイナーを経て、ブランドSNS及び通販部門運営を経験し、WEBマーケティンググループを設立。社内全体のSNSチームの統率、運営を任せられる。
ヴィジュアルスタッフの育成やSNSの改革に取り組み、店舗・通販売り上げ向上に貢献し2014年優秀社員賞を獲得。
2016年TBS「マツコの知らない世界」にゲスト出演。その後2017年文響社より著書「ステージを上げるSNS絶対6ルール」を出版。同年、株式会社バロックジャパンリミテッド退職後、独立し自身が代表を務める株式会社IFPARKMEDIAを設立。現在はTV出演や、県公式Instagramアカウント(地方創生)、アパレル、美容系など多くの企業へのコンサルタントとして活動中。またSNSの講演、講義なども行う。
https://ifpark.media
インスタグラム @sachi_918 

人物撮影/黒石あみ 取材・文/南 ゆかり

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