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2021.05.27

mixiから始まった、推す喜びと認められるうれしさ【SNSコンサルタント生駒幸恵さんインタビューVol.1】

 

情報収集もコミュニケーションも、自己表現も、すべてSNSが起点になるのは、もはや当たり前。それをいち早く肌で感じ、実践し、ビジネスとして展開しているのが、生駒幸恵さん。10代でのSNSとの出会いから現在まで、3回にわたってお届けするロングインタビュー!

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人気モデルのコミュニティ管理を買って出たのが仕事の始まり

――生駒幸恵さんが初めてSNSに触れたのは、18歳のときの「mixi」(ミクシィ)。専門学校でグラフィックデザインを学び始めたころでした。コミュニティ参加の楽しさ、アウトプット欲、承認欲求…といったものを自分の中に発見し、新たなコミュニケーションの扉が開いて…。

mixiでは、恋愛のこと、趣味や好きなもの、好きなタレントのことなど、なんでも日記にして発信していました。それに対して、新着コメントが次々に届くことがうれしくて。毎日欠かさず書くようになっていました。

そのころ参加していたコミュニティは、たとえば「タオル好き」「乙女座O型」といったものから、好きなモデルさんやブランド、タレントなどさまざま。そこは私の「好き!」の意思表示の場であり、共感者がいる場だったのです。

専門学校2年の秋、当時のギャル系ファッションブランドでインターンとして働くことに。ときはギャル文化の真っ只中。社内は活気があり、雑用はもちろんグラフィックデザインまで「なんでも」やる刺激的な毎日でした。仕事の合間に、人気モデルのmixiのコミュニティ管理人を率先してやるようになり、思えばそれが今の仕事の始まりです。モデルとしてブランドの服を着てもらったり、その写真を撮ってアップしたり。するとファンが集まり、コメントが増えて。やっていることは裏方でも、誰かに認められていることがうれしかったのです。

大好きな物・人を応援する喜び、認められるうれしさ

その後就職してからも、mixiとのつきあいは続きました。そのころ、仕事以外で私が夢中になっていたのは、雑誌『ViVi』のモデル・藤井リナさんです。仕事の合間にブログをチェックして、載っている雑誌や広告はすべて手に入れ、ファンレターを書いて。さらには、誰よりも彼女のことを思っていること、好きなことを知ってもらいたくて、知恵をしぼるようになります。ファンイベントでは、彼女の好きそうなカラーのルームウエアをプレゼントし、イベント最前列で彼女の愛犬をコラージュしたうちわを手渡し。すると、それを彼女がブログに載せてくれたり、さらに私がそのうれしさをmixiで書いたり。いつしか、リアルとSNSの楽しい循環が生まれていたのです。

私自身は何者でもないけれど、好きな人を応援して、喜んでもらえる。さらには、自分が認められた気持ちにもなれる。何者でもない自分の、大きな自信につながっていった気がします。

仕事をとおして感じられた自分の価値

――生駒さんが学生時代にグラフィックデザインを専攻したのは、「新しいものを生み出すこと」に魅力を感じていたから。その思いは、社会人になって、またSNSの力を知ることで強くなるばかり。ファッションブランドで働きながら、服を「つくる」「売る」だけでない、自分のやるべきことを開拓していったのです。

憧れていたアパレル会社バロックジャパンリミテッドに転職したのは2008年、21歳のときでした。販促物やカタログをつくったりしつつも、各ブランドのmixiコミュニティにセール情報を載せ始めたらーー。ブランドのファンから「教えてくれてありがとう」「もっと知りたいです」というコメントが続々と。

誰から指示されたわけでもなく、私なりにやってきたことで感じられる自分の価値。大好きな会社に貢献できるうれしさ。こうして仕事の面白さを感じながら、新ブランドでブランド発信のブログ開設を提案しました。

初めての挑戦でしたが、よく見ていた好きなモデルやブランドのブログを参考にしつつ頑張れば、きっと上手くいくだろうーー。

ところが、全国の店舗に散らばるショップ店長に、高いレベルでのブログ投稿を求め、コントロールするのは、予想以上に大変なことでした。顔を合わせるのは月に一度の店長会で、電話で意思疎通するのはなかなか難しい。私からの要望が多いほど、反発も生まれることもありました。

ルールは細かく、丁寧に、わかりやすく

そこで考えたのが、マニュアルの作成でした。ブランドイメージに合った服の見せ方、写真の撮り方など、細かくルールをつくったのです。

たとえば、ブランドのイメージに合わないスタッフのネイルやメイクはNG。商品である服とミスマッチのアクセサリーをつけたまま写真を撮るのもNG。実例をあげて、「華奢なゴールドは○」で「ゴツ目のシルバーアクセは×」と、明文化したのです。写真の撮り方も、「服は前と後ろを必ず見せる」「上から撮るのはNG」…などなど。細かすぎるほどに決め事をつくりました。

投稿前の下書きを私がチェックするフローをつくり、全国の店舗の更新スケジュールを立て、アクセスされる時間帯を狙って更新し、メールマガジンも戦略的に配信。その結果、開始から半年でアクセス数の増加はもちろん、売り上げも大きく伸ばすことができたのです。

その熱量が買われ、私にとってふたつめのブランド「rienda」(リエンダ)でも、SNSのマネージメントを任されました。でも、ただ同じことを続けるのはつまらない。SNSの運営も軌道に乗り、ネット販売の売り上げに貢献できるとわかってきた私は、やがて「ネットショップの責任者をやらせてほしい」と立候補したのです。すでにカリスマ的人気のショップスタッフも抱えていたし、他ブランドやインフルエンサーとのコラボ商品もヒットが見込める。そのころ一般的になってきたInstagram(インスタ)を活用して、もっと売り上げを伸ばせると確信したのです。

――それが約10年前。今では当たり前になった「SNSとネットショッピング」の強い結びつきを、いち早く提案していた生駒さん。Vol.2では、ブランドを育てネットショップを成功させた実践編をお届けします。

SNSコンサルタント、株式会社IFPARKMEDIA(イフパークメディア) 代表取締役

生駒幸恵(いこま・さちえ)

1986年生まれ 千葉県出身
株式会社バロックジャパンリミテッドに入社しグラフィックデザイナーを経て、ブランドSNS及び通販部門運営を経験し、WEBマーケティンググループを設立。社内全体のSNSチームの統率、運営を任せられる。
ヴィジュアルスタッフの育成やSNSの改革に取り組み、店舗・通販売り上げ向上に貢献し2014年優秀社員賞を獲得。
2016年TBS「マツコの知らない世界」にゲスト出演。その後2017年文響社より著書「ステージを上げるSNS絶対6ルール」を出版。同年、株式会社バロックジャパンリミテッド退職後、独立し自身が代表を務める株式会社IFPARKMEDIAを設立。現在はTV出演や、県公式Instagramアカウント(地方創生)、アパレル、美容系など多くの企業へのコンサルタントとして活動中。またSNSの講演、講義なども行う。
https://ifpark.media
インスタグラム @sachi_918 

人物撮影/黒石あみ 取材・文/南 ゆかり

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