結婚直後に病気が判明…子作りより治療を優先
安恵さん(仮名・43歳)は、30代半ばで今の夫と結婚。結婚直後、子作りをしようとした矢先に病気が発覚し、妊活よりも治療を優先することにしました。
「もともとそんなに身体が丈夫なほうではなかったんですが、疲れやすく微熱もよく出ていたので、なんか変だなぁと病院に行ったところ、本格的な治療が必要な病気が判明しました。夫と話し合い、まずは妊活よりも身体を整えるのが先だよねってことで、妊娠を望むのをやめ、仕事もセーブして治療に専念。しかし、私たちのそんな決断を義母は面白くなかったようで、そこから私への“口撃”が始まったんです」
義母の驚く本性!孫の顔が見られない腹いせに…
仕事を減らしたことで安恵さんの収入は激減。継続的に病院に通うので、治療費もそこそこの額になったそうですが、そういったことに対して義母はアレコレと文句や嫌味を言うようになったとか。
「“早く孫の顔が見たい”と言うのが、結婚前からの義母の口グセだったので、私が病気のせいで妊娠を諦めたのがよほど気に入らなかったみたい。こっちだって病気になりたくてなったわけじゃないのに、『病気になったのは、長年の不摂生のせいだ』だの『ストレス発散の仕方を知らないから、こうなるんだ』だのって、どうしようもないことをネチネチと言われ続けました。
さらには、体調が悪いときにわざわざ押しかけてきて『私は体調が悪くても家事をしたのに、今の人は気楽だわね』とか『治療に長くかかる病気なんだから、今寝ていたってよくなるわけじゃないでしょう』だのって、本当にひどいことばかり言われました。私の病気はきちんと治療をしても、治るまでは年単位でかかるって言われているのに、義母はまったく理解をしようとしませんでしたね」
義母からの嫌味にほとほと呆れ返り、夫にも相談をした安恵さん。しかし夫は「そっかぁ〜」などと相槌を打つだけで、義母に注意してくれる様子もなく、安恵さんが義母に諭すよう促しても「そのうちにね」などと後回しにされ続けたのだそうです。
「夫がそんな感じなので、義母も調子に乗って言いたい放題。そのうちに、私が仕事を減らしているのをいいことに、週に何度も我が家に入り浸るようになりました。もちろん、私への嫌味はどんどんエスカレートしていましたし、ただでさえ体調が悪いのに、義母のせいで余計に不調を感じるようになってしまいました」
さすがにこのままでは治療にも響きそうだと考えた安恵さんは、意を決して夫に話をします。すると、夫も少しは事情を理解したのか、義母と話してはくれたのですが……。
「夫が義母に言いくるめられて終わりました。義母は『安恵さんの体調が悪いから、家事を手伝いに行ってあげている』と恩着せがましく言ったそうです。もともと義母に弱い夫は、まんまとそれを信じて、あっさりと話し合いは終了。もちろん、義母はウチに来ても家事なんてしたことはありません。だけどコロッと騙された夫は、『母さんだって忙しいのに、わざわざ来てくれるなんて優しいよな』なんて言い出したから、もう私の中では怒りしかありませんでしたよ!」
病気は完治するも完全に子作りを諦め、離婚という最終決断に
結局、義母の嫌味が止まることはなく、そのまま3年が経過。安恵さんの病気も3年目に完治をしましたが、そこから子作りをするエネルギーが残っていなかったことから、子作りは諦めるという最終決断に至ります。
「すると義母からの口撃はさらにエスカレート。親戚中に、“嫁の病気のせいで孫の顔を見ることができない不幸な私”だと言いふらす始末に。もちろん親戚のなかでも良識的な人ほど私に同情してくれましたけど、そんな義母の言動も本気で不愉快でしたね…」
そして、義母が原因ではなかったものの「子どもを作らない」と夫婦で決めたことをきっかけに、結婚への意義を見いだせなくなったことから、つい最近、安恵さんは離婚をしました。
「離婚するまでは義母の言葉の一つひとつに反応していましたけれど、離婚したと同時に、何を言われていたとしても、どうでも良くなりました。今となっては、私は“嫁”であるということだけで、自ら義母のひどい言葉の数々を『我慢しなくちゃいけない』という呪縛にかけていたんだなぁと思います。もう少し気楽に受け止められたらよかったのでしょうが、性格的にできなかったんですよね」
口撃が激しい義母には、波風を立てないようにと、我慢をしてしまう女性も多いですよね。安恵さんのように「我慢しなくてはいけない」と自らに呪縛をかけてしまうと、どんどん自分を追い詰めてしまうことにも。限度を超えた義母の口撃には、毅然とした態度で応じることも大切と言えるでしょう。
取材・文/並木まき