思い込みが激しい義母とは話がややこしくなりがち
朱美さん(仮名・40歳)と義母とは近居の関係。夫とは結婚6年目を迎え、子どもがふたりいます。孫かわいさからか、義母はしょっちゅう朱美さん宅に入り浸り。コロナ禍でテレワーク中になってからは、義母が家に来る頻度も増えているそうです。
「義母のことは、もともとちょっと苦手。チャキチャキした性格の人で、早とちりと思い込みが激しいんです。なので、これまでも何度か行き違いによってギクシャクしたこともあるし、義母の思い込みで話がややこしくなったことも、一度や二度ではないですね。義母と話すときには本当に気を使うし、できるだけ自分から話題を振りたくないって思ってしまいます」
義母対策は「自分からは余計な話をしない」と決めていた朱美さん。しばらくはその作戦が功を奏し、義母との大きなトラブルもなく済んでいたそうですが…。
“とばっちり”のせいで、気づけば親戚間で孤立することに
「義母はくだらないおしゃべりが好きな人でもあるので、こっちから話題を振らなくても次から次へと話をしてきます。それで、あるときに親戚の話になったんですけど、私が適当な相槌を打っていたら、それがなぜか『朱美さんは、息子の従兄弟の奥さんが大嫌い』ってことにされ、親戚中で問題になる騒ぎに!」
これまでは義母の早とちりや思い込みによるトラブルも、義母と朱美さんの間だけで済んでいたものの、この頃から、親戚など共通の人間関係を巻き込むようになってしまったそう…。
「気づいたら、私が親戚中の文句を言っているイヤな女って位置付けになっていました。私はもともと親密な親戚付き合いを好まないので、親戚行事のときくらいしか顔を合わせないのですが、なんだかみんなよそよそしくなったなぁと思ったときには、時すでに遅し。
夫が親戚から『君の奥さん、なんとかしなよ』って諭されたことで事態が発覚したのですが、私にしてみればとんだとばっちりです。義母と私がどんな話をしているかなんて誰にもわからないから、夫にも誤解されていましたし、親戚の誤解だっていまだに解けていません。
私ももう面倒くさくなってきてしまって、親戚とは今まで以上に距離を置くようになりましたが、義母が早とちりや思い込みが激しいタイプじゃなければ、こんなふうにはならなかったと思うんです。もしかしたら、早とちりのふりして、私の親戚間での立場を弱くしたかったのかもしれないけれど、どっちにしても、親戚だって義母の性格をわかっているはずだから、なんだかなぁ…って感じですね」
義母の性格によっては、想像しなかった事態を巻き起こすことも。親戚関係は結婚生活を続けている以上は切りたくても切れないことが多いだけに、こういった義母への対策は妻の頭を悩ませることが多いのも実情でしょう。
ある程度は仕方ないと割り切ってしまうか、共通の人間関係で誤解を生まないよう、日頃から義母の言動を見越したうえで親戚一同への丁寧な対応を続けておくか…悩ましいところです。
取材・文/並木まき
画像(C)Shutterstock.com