旦那の呼び方はシチュエーションによって異なる
旦那の呼び方は夫婦間で呼ぶ場合と、第三者がいる場合とでは異なるのが一般的です。夫婦間では結婚しても付き合っている頃と同じように、ニックネームで呼び合う家庭が多くなっています。
その一方で、第三者がいる場合はニックネームで呼ぶ人の割合は減り、夫や旦那と呼ぶ人が多い傾向に。旦那の呼び方はどのように変化するのか、シチュエーションごとに比較してみましょう。
夫婦間での呼び方
夫婦間の場合は結婚前の呼び方をそのまま使用している夫婦が多く、ニックネームやあだ名で呼ぶ人が多い傾向です。その次に、名前の後ろに「くん」や「さん」を付けて呼ぶ人が多くなっています。子どもがいる家庭では、パパと呼ばずに、ニックネームやあだ名といった子どもが生まれる前と同じ呼び方で呼ぶ人の割合が高い傾向です。少数派の呼び方には呼び捨てや先輩、ハニーなどが挙げられます。昔のドラマでよく使われていた「あなた」は、極少数派になっている状況です。
第三者がいるときの呼び方
夫婦間での呼び方とは異なり、第三者がいる場合は「夫」が割合を占める呼び方です。人によって旦那の呼び方に無頓着な場合はあるものの、夫婦間での呼び方とは使い分けているといえるでしょう。その次に、「旦那」や「旦那さん」と呼ぶ人が多くなっています。夫と似た表現でもある「主人」と呼ぶ人は、あまりいないようです。そのほかの少数派の意見には名字や名前、パパ、お父さん、相方、連れなどがあります。近年増えてきた呼び方である夫さんは、自分の配偶者にはほとんど使われない状況です。
呼び方の意味や使い分けのマナー
配偶者の呼び方は夫、主人、旦那、亭主の4種類が一般的です。呼び方によって意味が異なるため、シチュエーションによって使い分ける必要があります。例えば、夫や主人はビジネスシーンで使用するのがマナーです。一方、旦那は友人や知人といった親しい間柄で話すときに用いることが多いでしょう。ここでは、呼び方の意味や使い分けのマナーを解説します。
夫とは配偶者である男性のこと
夫とは配偶者である男性、または成人した男性という意味を持つ言葉です。公的な文書では夫と表記されていることから、配偶者を示す言葉としてはもっともメジャーであるといえるでしょう。また、近年は女性の社会進出をきっかけに、配偶者の呼び方にも変化が現れています。夫である男性の収入だけではなく、女性も家計を担うことで主人という呼び名はふさわしくないと判断される機会が増えたのです。その反面、夫と呼ぶ女性が増加傾向であるといわれています。
使い分けのマナーとして、ビジネスシーンでは夫を使用するのが一般的です。夫はもっともスタンダードな呼び方でもあり、どんな場面でも違和感なく使える呼び方といえます。ほかにもSNSで複数人とやり取りする場合にも、夫を使用するのが無難です。
主人とは妻が自分の配偶者を指す言葉
主人とは一家の主、自分の仕える人といった意味を持つ言葉で、妻が自分の配偶者を呼ぶときに使用します。共働きが増えた近年では、主従関係を表す主人と呼ぶのを嫌う人も増えており、あえて主人と呼ばない人もいるのが現状です。しかし、会社の上司や目上の人と話すとき、妻として配偶者を立てる場合は、主人を使うのが無難といえるでしょう。夫よりていねいな言葉で、上品な印象を与えやすくなります。
他人の配偶者を呼ぶ際は、ご主人と表現するのが一般的です。主従関係を示す言葉であっても代用できる言葉がないため、そのまま使用し続けるケースが珍しくありません。主人と似ている言葉であるものの、夫は他人の配偶者には使用できないため、注意が必要です。
旦那とは配偶者のくだけた表現
旦那とは妻の配偶者を指す言葉で、もともとはお布施をする人、檀家という意味を持つ言葉です。本来は敬意を込めた言葉として使用されていましたが、現在は配偶者をくだけた表現で呼ぶ際に使用されます。
そのためビジネスシーンや目上の人と話す場合は、旦那と呼ぶのは避けたほうがよいでしょう。親しい友人や知人、ママ友などとくだけた会話をする際に使用するのがおすすめです。親しい間柄で夫や主人を使用すると、堅苦しい印象を与えやすくなります。
また、旦那に「さん」を付けて呼ぶ女性は珍しくありません。旦那と呼ぶと偉そうな印象になってしまうため「さん」を付けるようですが、本来旦那に「さん」を付けて呼ぶのは他人の旦那を呼ぶときのみです。自分の旦那に「さん」を付けて呼ぶということは、身内である旦那に敬称を使用していることになります。日本語としておかしな表現となるため、他人の旦那を呼ぶときのみ「さん」を付けましょう。
亭主とはその家の主人のこと
亭主とは、その家の主人を指す言葉です。もともとは宿屋や茶店などの主を指す言葉として使われてきましたが、現在では夫と同じ意味で使用される場合もあります。本来亭主は敬意を込めた言葉でしたが、今ではくだけた表現として使用されるため、自分の配偶者に使うのが一般的です。他人の配偶者に使用する場合は、ご亭主と呼ぶのが無難でしょう。
シチュエーションに合わせた呼び方
夫や主人、旦那、亭主以外にも、配偶者の呼び方はあります。シチュエーションによって、「さん」付けやパパと呼ぶこともあるでしょう。その場の雰囲気に合わせて使い分けることがポイントです。近年では、配偶者のことをパートナーと呼ぶ動きも広がっています。パートナーは既婚や未婚、相手の性別を問わず使用できるため、今後ますます利用される言葉といえるでしょう。ここからは、シチュエーションに合わせた呼び方をご紹介します。
親戚の前では「さん」付け
旦那の身内でもある親戚の前では、名前に「さん」付けをするのが一般的です。普段はニックネームやあだ名で呼び合っていても、親戚の前では少しかしこまった呼び方をするのがよいでしょう。とくに義父や義母にとって旦那は息子であり、あなた自身は嫁の立場であるため、呼び方に注意をすることで好印象を持たれやすくなります。反対にあなた自身の身内の前では、名前に「くん」付けや呼び捨てでも、問題は起きにくいといえるでしょう。
ママ友にはパパ
ママ友と話すときは、パパと呼び分けている人もいます。ママ友が配偶者のことをパパと呼んでいれば、周囲に合わせて自分もパパと呼ぶこともあるのです。話し相手によって細かく使い分けることで、話しやすい雰囲気になるでしょう。また子どもがいる家庭では、家族内でパパと呼んでいるケースが考えられます。その流れで自然にパパと呼んでいる場合も。
「パートナー」という呼び方も
近年ではジェンダーに関する問題も、課題に取り上げられる機会が増えています。主人や亭主、旦那という呼び方が主従関係を思わせることもあり、配偶者をパートナーと呼ぶ考え方が広まっているのです。パートナーは日本語で表現すると「連れ合い」や「家人」に近い言葉で、誰に対しても使える言葉として注目を集めています。
配偶者の呼び方は議論され続けていますが、日本語としてふさわしい言葉はまだ見つかっていない状況です。既婚や未婚、相手の性別を問わず使用できるパートナーであれば、相手のプライベートに干渉することなく使えるでしょう。日本ではジェンダーギャップ指数と呼ばれる男女の格差を表す指標が、先進国の中で最低ランクであるとされています。男女平等の社会を目指すために、主従関係につながる言葉は排除されていくかもしれません。
旦那の呼び方を正しく使い分けよう
旦那の呼び方はシチュエーションによって異なり、夫婦間ではニックネーム、第三者がいる場合は「夫」が多い傾向です。妻の配偶者の呼び方は夫、主人、旦那、亭主の4種類があり、それぞれ意味が違うため使い分けましょう。
とくに近年は主従関係につながる主人という呼び方を嫌う人が増えてきているため、使う際には注意が必要です。言葉の意味やマナーを理解し正しく使い分けることで、周囲との関係にもよい影響を与えるでしょう。
シチュエーションによっては、「さん」付けやパパと呼ぶのが好ましいケースもあります。そして新しくできた呼び方であるパートナーは、既婚や未婚、相手の性別を問わず使える言葉です。ジェンダーに関する話題が広まる中で、ますます使用される言葉となるでしょう。
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