「ドレッシング」「めんつゆ」「焼き肉のタレ」、そのほかの合わせ調味料を整理するだけで、驚くほど冷蔵庫がスッキリします。
冷蔵庫をごちゃつかせる大きな原因、それはこれら「ずーっと寝かされている、合わせ調味料」なのです。
わが家の冷蔵庫に入っているのは5つの「魔法の調味料」のうち、冷蔵保存の必要な「みりん酒」と「たまねぎ酢」だけ。あとは食品が適宜入っていますが、ちょっとお見せしたいぐらいスッキリしたものです。
掃除もラクラクです。冷蔵庫の掃除は「何本あるかわからないボトル」を全部出して拭かなくてはならないから面倒ですし、その陰に隠れて、気づかないうちに食品を腐らせたりするのです。
買わずに自分で作れば「冷蔵庫スッキリ」→「掃除もラク」「隠れているほかの食品も腐らなせなくて済む」という、うれしい副産物もついてくるのです。
「食品ロス」も減らせ、「節約」にもなる
まだ食べられる食料を廃棄する「食品ロス」が大きな問題となっています。日本では年間600万トン超、毎日、大型トラック(10トン車)約1640台分の食品が廃棄されているそうです。
しかも日本の食料自給率は4割弱。6割超が輸入です。わざわざ地球上のいたる場所からCO2を出して運んできた食料を「使いきれない」といって安易に捨てていいものでしょうか。大切な食料を無駄なく食べ切る、そのためにも「魔法の調味料」はおすすめです。
また、わざわざ「◯◯のタレ」などを買わなくていいことで、「節約」にもなります。
高めのしょうゆなどを買ったとしても、それで市販の「◯◯のタレ」などを買わなくて済むのなら、結果として、安く上がることがほとんどだと思います。そのうえ「おいしい」し、「余計な添加物などの化学物質」もとらなくて済みます。
「魔法の調味料」を用意して冷蔵庫をスッキリさせることは、「食品ロス」や「節約」にもつながる、もちろん、それを使って「生姜焼き」や「ハンバーグ」「肉じゃが」なども簡単にできる。だから「魔法」なのです。
ぜひ、うまく活用することで、家庭の冷蔵庫をスッキリさせ、節約など、さまざまなメリットを体感してみてください。
世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ(東洋経済新報社)
『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事
安部 司(あべ つかさ)
1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。
2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。
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