「人間万事塞翁が馬」という言葉の通り、何が禍に転じるかわからない
これは、良いことが続いた時などに、油断しないように、自分への戒めで用いられる使い方です。他人に対して使えないこともないのですが、良いことが続いて喜んでいる相手の気持ちに水を差すことにもなりかねません。もしも、この言葉を自分以外に使うのであれば、親しい間柄の場合だけにとどめておいたほうがいいでしょう。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
「人間万事塞翁が馬」の類語にはどのようなものがあるのかも、チェックしておきましょう。
禍福は糾える縄の如し
「禍福は糾える縄の如し」は、「かふくはあざなえるなわのごとし」と読みます。不幸と幸運はより合わせた縄のように、表裏一体でやってくるものだ、という意味です。不幸が幸福になったり、そのまた反対も起こり得ることを意味しています。
楽あれば苦あり
人生では楽ばかりがずっと続くことはない。楽があれば必ず苦も訪れるという意味で、またその逆も指します。
沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり
「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」は、人生には浮き沈みがあるということを表した言葉です。不運なこと(沈む瀬)があれば、幸運(浮かぶ瀬)もあるという意味です。
災い転じて福となす
「災い転じて福となす」は、禍が一転して、幸運となることです。先ほど紹介した例文2のように、癌が見つかるという禍に見舞われたが、入院先の病院の看護師が、将来のパートナーとなったというような場合に当てはまります。
英語表現とは?
「人間万事塞翁が馬」の英語表現も紹介しておきます。
「Joy and sorrow are today and tomorrow」
「Joy and sorrow are today and tomorrow」は、「今日はよろこび明日は悲しみ」という意味で、幸運と不運が隣り合わせであるということを意味しています。
「A joyful evening may follow a sorrowful morning」
「A joyful evening may follow a sorrowful morning」は、「悲しみの朝には喜びの夕べがつづく」という意味です。この英文も、禍福はどちらか一方が永遠に続くことはなく、交互に訪れることを表しています。
「Fortune is unpredictable and changeable」
「Fortune is unpredictable and changeable」は、「運とは予測できず、変わりやすいものだ」という意味です。
最後に
「人間万事塞翁が馬」や「禍福は糾える縄の如し」という言葉は、人生経験を積んだ人物が使ってこそ、説得力のある言葉とも言えます。あまり頻繁に使うと、軽く聞こえてしまうので、時と場合を考えて使うようにするといいでしょう。
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