とうに
時間的に区切りをつけるニュアンスで「最早(もはや)」を使うときは、「とうに」という言葉で置き換えられることもあります。いくつかの例文から使い方を理解していきましょう。
・どんなに急いで走っても無駄だ。少し前に汽笛が聞こえたので、【とうに】電車は出発したのだろう。
・今更そんなことを言っているの?その話は【とうに】終わっているよ。
・ようやく過去問を全部解いたと思ったら、山田くんは【とうに】3回も終わっていた。あそこまで勉強していれば、資格取得も夢ではないだろう。
「最早」の対義語と使い方をご紹介
「最早(もはや)」の反対の意味の言葉としては、「未だに」と「今なお」が挙げられます。「未だに」とは何かの事象が続いていること、特定の出来事がまだ実現していないことを示す言葉です。時間に区切りをつける、あるいは特定の出来事が実現しようとする様子を示す「最早」とは対極にあるといえるでしょう。
また、「今なお」も、何かの事象が続いたり、特定の出来事がまだ実現していない様子を示します。それぞれ例文を紹介するので、ニュアンスや使い方をマスターしましょう。
未だに
「未だに」を使った例文をいくつか紹介します。
・【未だに】電話がかかって来ない。合格者だけに電話連絡があるといっていたから、どうも落ちたようだ。
・【未だに】彼女は彼のことが忘れられないようだね。似たような背格好の人を目で追いかけているよ。
・彼女に君のことを尋ねたら、とんでもない男だと言っていた。【未だに】君がした仕打ちを彼女は許していないようだ。
いずれも、まだ特定の状態が続いている様子や実現していない状況を示しています。使いこなして言葉のレパートリーを増やしましょう。
今なお
「今なお」を使った例文をいくつか紹介します。
・一時の勢いは失っているものの、【今なお】彼女のバレエには心を揺さぶるものがある。
・【今なお】、私にとって彼は唯一の恩師と呼べる方です。本当にお世話になりました。
・彼女の家に行ったら、【今なお】昔のままの様子だった。学生の頃を思い出して懐かしい気持ちになった。
いずれも、「未だに」と同様、特定の状態が続いている様子や、何かが実現していない状況を表現しています。日常生活でも「今なお」を使ってみましょう。
まとめ
「最早」は、「もはや」と読むことが一般的です。時間の区切りをつけるとき、あるいは何かが実現しようとしている様子を表現するときに用います。
あまり頻繁には用いませんが、「さいそう」と読むこともあるでしょう。この場合は、最も早いの意味で用います。状況に合わせて正しい読み方を選び、相手に伝わるように表現しましょう。
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