【目次】
義理の息子を置いて逃げた私
前回のお話▶︎2ヶ月でスピード玉の輿婚のはずが、変態プレイを強要され…
結婚生活が辛すぎて自殺を図った夏希さんですが、未遂に終わり、実の父親に実家に連れて行かれます。そのまま離婚を申請しますが、総合病院の院長である夫は世間体が悪いからと離婚を拒否。
夏希さん:彼は市議会員に立候補したくて、体裁が悪いから離婚を渋っていたようです。離婚届を送ったら、「自分には何も落ち度がない」と裁判を起こしてきました。
辛かったのは、夫から虐待を受けていた義理の息子と会えなくなること。
まだ5歳の息子はステップマザーの夏希さんに会いたくて、ひとりで新幹線に乗って関西までやって来たそうです。そうしたら、夫は夏希さんを誘拐罪で訴えてきたのです。
DVの父親も祖父母にも心を開かなかった息子が、助けを求めたのが夏希さん。酔って暴力を振るう父親から守ってくれるたったひとりの存在がなくなり、どんなにか心細かったことでしょう。
夏希さん:離婚するとき、役所には虐待の通報はしました。その後も気になってたびたびネットで名前を検索したりしていたのですが、どうやら高校で海外に留学したようです。
夫から逃げ出したあとも、夫の知人たちから受けた性的暴行の数々がフラッシュバックし、夏希さんは実家で自殺未遂を繰り返します。夫からも嫌がらせや脅迫の電話がかかってきて、精神的に追い詰められていました。
そんなときに友人から紹介されたカウンセラーが父親と相談し、「夏希さんはしばらく僕が預かります」と提案。当時、目を離せば自殺しかねない娘の面倒を見ることに疲れていた父親は、言われるがままに夏希さんをそのCさんに託すことに。
しかし、Cさんが住む四国地方に行ったその晩に、夏希さんは彼に無理やり犯されてしまうのです。被害者を受け入れるはずの存在が、その被害者にさらなる虐待を加える。卑劣で許し難い行為ですが、実際にこういう事件は児童相談所などでも起きていますよね。夏希さんの場合も、友人が紹介してくれたカウンセラーということで、まさかこんなことが起きるとは思っていなかったと言います。
夏希さん:そのあとは毎晩彼にレイプされました。父が彼に私を預かってもらう費用も払ってしまっていて、心配をかけるので父には言えないな、と。父と住んでいるときに「夏希が一緒にいると安心だけど、疲れる」と日記に書かれていたのを読んでしまったんです。だから関西には戻れなかった。
昼間は猫とぼんやり過ごし、夜はレイプされるという日々。そこから逃げるようにして淡路島に逃げたのですが、そうしたら今度は、Cさんが仕事を辞めて淡路島まで追いかけて来てしまい、ストーカーに。
何とも壮絶な夏希さんの体験ですが、ここから愛する今の夫と出会い、今は穏やかな日々を送っています。そこまでに至るお話は、次回に続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。