青柳翔、役作りの方法は…「自分でもわからない!?」
–––– 舞台への思いを聞かせてください
4月に舞台『三十郎大活劇』 をやることが決まりました。1994年に初演されてとても人気のある作品なんです。もちろんその当時演じた人、物語の中で描かれる時代にいた人たちにリスペクトを込めつつ、皆さんに笑ってもらえるような作品にしたいと思っています。
写真をすべて見る–––– 戦前が舞台ということですが、時代背景はどのように学んでいますか
今は携帯ですぐに調べられますけど、それは鵜呑みにせずに、資料を読んだり人に聞いたりしながら、何が自分に合っていて、このお芝居にどう役に立つのかは自分で決めることだと思うので、その精査も楽しみながらやっていきたいと思っています。
–––– 今回の舞台の見どころは?
戦前に映画を真剣に明るく楽しく生き生きと撮っていた人たちが、激動の時代に振り回され、呑み込まれていく。そんな時代の物語なので、それを今の人たちが見て、もしくは脚本を書いた鈴木さんや演出を担当するラサール石井さんのファンの方々が観ても楽しかったと思えるようにもしたいです。今回の話は戦前から戦時中の話ですが、今現在、コロナ禍ということで日々、閉塞感みたいなものを感じていると思います。この舞台の笑いによって、少しでも皆さんの生活の糧になれるように作っていけたらと思っています。
–––– 舞台を準備する上で、特に大変なことはありますか?
「マスクをしていると、人の顔が覚えられないんです(笑)。久々に会ったときに、マスクをしていると全然わからず、“あれ?”となることがあります。今回の稽古もマスクをつけながらになると思うんですよ、今の稽古はそれが普通なので。みんなで予防しつつ良い物を作っていけたらなと思っていますね。
コロナ禍になってからやった芝居で、ある演出家さんが『マスクしてると芝居が上手くなるんじゃないかっていう説があるんだよね』と言い出したんです(笑)。『人が言っていることも聞こえづらいし、相手のセリフを聞こうとするし目も見る。口元が見えないんだから。これってもしかして芝居が上手くなるひとつのポイントなんじゃないか』と。おもしろいですよね(笑)。でもこういうポジティブ思考は素敵だなと思っているので、今回もそんなポジティブマインドでいけたらと思っています。
–––– 青柳さんは幅広く色々なキャラクターを演じていますが、役作りはどんな風にされていますか
いやぁ、本当にどうやっているのか自分でもわからないんです。周りの人の意見を聞いて、試してみたり、自分の中でイメージしたものを家でやってみたり、誰かの真似をしてみたり、そんな中から見つけていくという感じです。