なにかにつけ「もう離婚だ!」が口癖の夫…
「結婚するまでは全く予想もしていませんでしたが、離婚した元夫は、私が少しでも意見や文句を言うと『なら離婚だね』『もう離婚だ!』と、二言めには離婚を口にする人でした」
41歳の美佳子さんは、つい最近「離婚」が口癖の夫と離婚をしました。元夫との結婚生活は、5年。子どもは息子がひとりで、美佳子さんが親権をとり現在はシングルマザーとして育てています。
「とにかく元夫は、話し合いができない人でしたね。結婚当初から、ちょっとした意見の違いでも、すぐ“離婚”と言うものだから、段々と私もメンタルをやられてしまって。妊娠中でも“離婚、離婚”と言われていましたし、息子が小さいときにも平気で息子の前でも“離婚”と口にするような人でした。
そのうちに“離婚”と言われたくないものだから、私は言いたいことも言えずに我慢するようになって、夫はどんどん暴君になっていきました」
幸せを感じられない毎日…でも幼い息子を思うと離婚できず
「そんな夫との毎日は、全く幸せを感じられない日々でした。暴力とか浮気とかはないんですけど、とにかく自分の意に沿わないことは受け入れないって感じで、例えば私が友達と会いたいから、休日に数時間子どもをみていてほしいと頼んだだけで『なんで俺が? 俺は外で働いているのに、君が子育てできないなら夫婦としている意味はないから離婚だ』という感じでしたので、モラハラでもあったかもしれませんね」
暴君のような夫との離婚を考えたことは、1度や2度ではなかったと振り返る美佳子さん。しかし妊娠と同時に退職をしていたこともあり、幼い息子を抱えての離婚は考えただけで重荷で、なかなか踏み切ることができずにいました。
友人の大病をきっかけに離婚を決意
「だけど、あるときに“このままじゃいけないな”と思えるようになったんです。実は、友人がモラハラ夫に我慢していた結果、病気を患ってしまって後悔をしているという話を聞き…。夫婦関係におけるストレスは自分で思っている以上に、自分の心や身体に負担をかけることなのかもしれない、って感じたのがきっかけです。
その友人も我が家の事情は知っていたので『日常生活がつらいと思うなら、離婚も選択肢だよ』と優しく諭され、これ以上我慢せずに、離婚してもいいんだって思えたのも大きかったですね」
そして、離婚を視野に入れた美佳子さんは仕事を再開。保育園も見つかり、将来への目処が立ったところで、夫に離婚を切り出しました。
「“離婚”が口癖の夫でしたから、実際に離婚の話を始めるのは、とても簡単でしたよ。いつものように『もう離婚だ!』と言ってきたときに、私から初めて『そうね。離婚しましょう』って答えました。夫はいざ本当に離婚となったらゴネるかなと思っていましたが、案外とあっさり了承してくれて、こちらが拍子抜けするほどでした」
そして今、美佳子さんは仕事に子育てに恋愛にと自分らしい人生を取り戻し、謳歌しています。「あのとき、“息子のために我慢しなくては”って思っていた自分に、今の自分を見せてあげたいです」と笑顔で話していたのが印象的でした。幸せを掴む選択は、結婚生活だけではありません。自分らしい生き方を手に入れることができれば、それがどんな選択であれ、幸せへの道になるのは間違いありません。
取材・文/並木まき
あわせて読みたい
・妻より妊活よりも“猫”…結婚後に発覚した夫との致命的な違いでスピード離婚へ
・二重人格な夫にウンザリ…心がボロボロになるまで耐えた妻の後悔とは