矛盾撞着
「矛盾撞着」は、「むじゅんどうちゃく」と読みます。意味は、「物事のつじつまが合わないこと」。「矛盾」も「撞着」も「つじつまが合わないこと」を意味する言葉ですので、意味を強めた表現といえます。こちらも、「自家撞着」との違いはありません。
二律背反
「二律背反」の読み方は、「にりつはいはん」。辞書に書かれている意味は、下記の通りです。
哲学で、相互に矛盾する二つの命題(定立と反定立)が同等の妥当性をもって主張されること。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
つまり、「矛盾している2つの物事が起きている状態」といえます。1つの前提から生まれた2つの命題が、両立しない場合に使われる言葉です。たとえば、「働き方改革により、残業は厳禁となったものの、仕事量は減らない」など、ジレンマを抱えている状態のときに使えます。「自家撞着」は、「言動のつじつまが合わないこと」ですので、必ずしも同じ意味とはいえませんが、使いようによっては類語になるでしょう。
「自家撞着」の対義語は?
では、「自家撞着」の反対の意味を持つ言葉を見ていきましょう。
首尾一貫
「首尾一貫」は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。読み方は「しゅびいっかん」、意味は「最初から最後まで考え方が変わらないこと」です。「首」と「尾」という言葉を合わせて、「初めから終わりまで」をさし、「一貫」は「貫き通すこと」をさします。意見や論理が一貫していることをあらわすので、まさに「自家撞着」の対義語といえるでしょう。
徹頭徹尾
「徹頭徹尾」は「てっどうてつび」と読みます。意味は、「最初から最後まで」。「徹頭徹尾」だけでは、「考えが一貫している」という意味は含まれません。そのため、使う際には「徹頭徹尾、意見を貫くつもりだ」「徹頭徹尾、改善を行う」などのように、動詞と一緒に使われることが多いです。
「自家撞着」の英語表現は?
「自家撞着」の英語表現には「self-contradiction」があります。「contradiction」とは「矛盾」という意味です。「self-contradiction」という英語表現で「自家撞着」という意味に。また、「self-contradictory」という形容詞にしても使えます。この場合は、「Her statements are self-contradictory.(彼女の言っていることは自家撞着している)」などと表現しましょう。
最後に
「前後のつじつまが合わないこと」という意味の「自家撞着」。難しい言葉ではありますが、「矛盾する」という意味では、使えるタイミングが多くありそうですね。ビジネスシーンから日常生活まで、さまざま場面で使ってみてください。