九分九厘の読み方は「くぶくりん」。意味は「ほぼ完全なこと」
九分九厘は「くぶくりん」と読み、ほとんど完全に近いことを意味する言葉です。予測や推測がほぼ確実なときにもよく使います。
九分九厘は歌舞伎狂言「黒手組曲輪達引｣などに文言が記されているものの、言葉の由来はよくわかっていません。大辞泉には、次のような意味が記載されています。
【九分九厘：くぶくりん】《十分に一厘だけ足りない意から》1 ほとんど完全に近いこと。九分どおり。「九分九厘まで出来ている」2 （副詞的に）そうなることがほぼ確実であるさま。ほとんど。九分どおり。「当選は九分九厘まちがいない」
（引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より）
「九分九厘」は99％を表す
九分九厘の「九分」は、十分より一分足りない、すなわち90％を意味します。また「九厘」は十厘より一厘足りないという意味で、9％のことです。つまり九分九厘は90％と9％を合わせた99％をあらわします。
100％が完全な状態だとすると、99％は1％足りないだけであるため、九分九厘は「ほぼ完全」という意味の言葉だといえるでしょう。
ただし実際には、九分九厘は99％よりも少ない状態であっても、「大体」というやや曖昧なニュアンスで使われることも少なくありません。
野球で「九分九厘」というと9.9％だけど…？ 違いは「百分率」と「十分率」
九分九厘は99％のことであり「ほぼ完全なこと」をあらわしますが、これは「十分率」を用いています。
一方、野球の打率などでは「百分率」を用いているため、九分九厘は「9.9％」を意味します。百分率では99％は九分九厘ではなく「九割九分」と表現することになります。百分率を用いるのか十分率を用いるのかで、あらわす大きさが変わってくるのです。
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九分九厘の使い方
九分九厘は前述のとおり、十分に対して一厘のみ足りないことから、「ほぼ完全なこと」を意味します。予想や推測などがほぼ確実であり、当てる自信があるときに使われることが多いといえるでしょう。
九分九厘を使った例文
ここからは、九分九厘を使った例文をご紹介します。実際に使う際、ぜひ参考にしてください。
・彼は「九分九厘、勝てる」と自信ありげな様子だった
・彼女は寝る間も惜しんで勉強していたので、傍から見ても九分九厘合格すると思われた
・九分九厘完成していたが、そこからの仕上げに時間がかかった
・九分九厘勝利が約束されていた状態だったが、最後に大どんでん返しが起き、まさかの結果となった
九分九厘の類語3つ
九分九厘には、同じような意味を持つ類語がいくつかあります。ここからは、次の3つの九分九厘の類語をご紹介しましょう。
1. 十中八九
2. 大多数
3. 目八分
それぞれの意味や使い方を解説していきます。
十中八九
読み方は「じゅっちゅうはっく」。大方間違いないという意味で使う言葉です。「十中」は「10回のうち」、「八九」は「8回か9回」、「中つ」は「的に当たる」ことをあらわし、10回のうち8回か9回は的に当たるという意味で使われます。
日常会話にも用いられますが、ビジネスシーンでも使い勝手のよい言葉といえるでしょう。成功する確率を聞かれたときに「十中八九いけると思います」といったように使います。
ただし十中八九は百分率になおすと80％〜90％であるため、逆に「10％〜20％は不確実である」ということもできます。
九分九厘の方が高い可能性を示す
十中八九と九分九厘はいずれも、「高い確率で結果が期待できる」という意味であるため、使い分けが難しいと感じるケースもあるでしょう。両者は可能性の高さに違いがあることがポイントです。
それぞれ百分率であらわすと十中八九は80％〜90％、九分九厘は99％であるため、九分九厘のほうが可能性が高いといえます。そのため十中八九は、九分九厘というには不安が残る場合に使うとよいでしょう。
