「完全無欠」とは?
まずは「完全無欠」の読み方と意味、由来を一緒に見てみましょう。
読み⽅と意味
「完全無欠」の読み方は「かんぜんむけつ」です。辞書でその意味を調べてみると、以下の通り。
欠点や不足がなくて、非のうちどころのないこと。また、そのさま。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「完全無欠」は「完全」と「無欠」の2つの言葉から成り立つ四字熟語であることがわかります。「完全」は、「欠点がない」「必要な条件を満たす」という意味。「無欠」は「足りないところがない」「欠点がない」ということ。よって「欠点や不足がなくて、非のうちどころがない」となるのです。
ほぼ同じ意味の言葉を重ねることで、欠点がない様子が強調されています。重ねて意味を強めるのは、四字熟語の特徴といえるでしょう。
由来は?
「完全無欠」という言葉の由来は、はっきりとはしていません。明治時代の小説家・政治家の植木枝盛の著書「尊人説」(1878年)にその文言が記されていることから、少なくとも日常生活で使われてきた言葉といえるでしょう。
また、昭和に流行した「完全無欠のロックンローラー」という歌、この曲のタイトルから「完全無欠」を思い浮かべる人もいるかもしれません。特定の対象に「完全無欠」を重ねて使うことで、パワフルなワードに。有無をいわせない完璧さ、すごさをイメージさせる言葉の力を感じますね。
「完全無欠」の使い⽅を例⽂でチェック
では、「完全無欠」をどのように使えばよいのでしょうか。使い方を例文でチェックしてみましょう。
わが社のエースは、完全無欠の仕事ぶりで、後輩たちの憧れの的だ
「完全無欠」は、人とその行動にも使うことができる言葉。ここでは、「完全無欠の仕事ぶり」と、よい使われ方をしています。
今回の新商品は完全無欠で大ヒット間違いありません!
物に対しても「完全無欠」という言葉を使えます。ここでは、新商品が「足りないことがなく、完全である」ものとして、大ヒットする条件を満たしていることを話している様子がうかがえます。
世の中に完全無欠な人などいないよ
「完全無欠」など、あり得ないこととして捉えている人もいるかもしれません。確かに完璧な人間はいませんが、時に「完全無欠な人」と表現したくなる人がいるのも実情。上手に使い分けてみてください。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
では「完全無欠」の類語や言い換え表現にはどのようなものがあるのでしょう。さまざまな四字熟語を紹介します。
円満具足
「円満具足」は「えんまんぐそく」と読み、「すべて欠けるところなく備わっていること」という意味。ちなみに「円満」は仏様の功徳が満ち足りていることで、「具足」は物事が備わって完全なこと。幸福なイメージがわく言葉です。
例文:「毎日、仕事でクタクタになっていても、わが家で子どもの円満具足の笑顔を見ると、疲れも吹き飛ぶ」
金甌無欠
「金甌無欠」は「きんおうむけつ」と読みます。中国の南朝について書かれた歴史書の「南史」朱异伝にある言葉で、意味は「傷のない黄金のかめのように、完全で欠点のないこと」。「国家が強固で、外国の侵略を受けたことがない」という意味も。
例文:「初心を忘れず、作品づくりに向きあった結果、金甌無欠の最高傑作を生んだ」
十全十美
「十全十美」は「じゅうぜんじゅうび」と読みます。「十全」は少しの欠点もないことで、「十美」は完璧なこと。こちらも同じ意味の言葉を重ねた四字熟語です。
例文:「母のテーブルコーディネートは、いつも十全十美の仕上がりで感心する」