問題が起こるたびに「離婚したい」と言う夫
明音さん(仮名・44歳女性)は、夫と結婚6年目で子どもがひとり。夫は5歳年上で明音さんとの結婚が3回目の結婚となり、前妻たちとの間にも子どもがいます。
「私は初婚ですが、夫は3回目の結婚なので2回の離婚歴があります。夫にはそのほかに事実婚のような関係の女性もいたようですから、結婚や離婚に対しては、私よりも軽く捉えているところがあるような気がするんです」
明音さんの悩みのタネは、夫婦間に何かしら問題が勃発するたびに夫が「離婚したい」と口にすること。結婚6年目を迎えた今は、夫は職場の近くにワンルームマンションを借りていて、自宅とマンションとの二重生活を送っているのだそうです。
「結婚してから気づきましたが、夫は特定の相手と長く関係を築いていくのができない人なのかもしれません。でも子どももいるし、私は離婚をしたくないから夫から『離婚したい』と言われても同意することは絶対にありません。
そうこうしているうちに、ある日夫が私に無断でマンションの賃貸契約を結んできていて、平日はほぼそっちのマンションで生活を送るようになりました」
家族と向き合うよう伝えると夫の返事は毎回「やっぱ離婚したい」
「でも、いつまでもこんな不安定な家庭生活を送っていても、子どもの教育にも良くないと思うんです。もう二重生活も1年以上になるので、夫に対しては『きちんと家族と向き合ってもらいたい』『マンションは解約して自宅で生活するべき』と伝えていますが、そうすると『やっぱ離婚したい』と言ってくるので、どうしたらいいのか困っています」
住民票は自宅に置いたままで夫は家を出たため、手続的なことで不便はないそうですが、実態のない夫婦関係に明音さんは不満と不安を抱いており、どうするべきか悩んでいるとのこと。将来の見込みがないのであれば、どこかで離婚に合意するしか解決策はないのかと途方に暮れています。
「夫は究極のワガママ人間なんだと思います。なんでも自分とピタリと合う異性なんていないと思うし、夫婦だって、長く一緒にいれば嫌なところもたくさん見えてくるじゃないですか? それを、夫の場合は乗り越えようとしないで『合わないからやーめた!』となるわけです。
出会った当時、夫に婚歴が多いことがちょっと引っかかったのですが、これが原因だったのか…って今となっては合点がいっています。これまでの妻たちも、夫の身勝手に振り回されてきたのかもですよね。私自身は、今は離婚をするつもりはないですけど、将来的にはこのままってわけにもいかないし、安定しない結婚生活に対してどこで諦めるべきか悩んでいます」
目の前の物事から逃げ、“離婚”でしか夫婦関係を解決できない夫だと、妻は独り相撲をとらされることも増えます。改善が見込めるに越したことはありませんが、家庭に向き合おうとしない夫を振り向かせようと思っても、理想通りに進まないのが現実でしょう。
向いている未来が大きく異なってしまった夫婦は、修復するにしてもたくさんの時間と労力を必要としますから、明音さんのように「諦めどき」を模索しなくてはならなくなっても不思議ではありません。
取材・文/並木まき