結婚後に露呈した夫の本性にウンザリ
佑香さん(仮名)は、結婚5年目の41歳。夫との間にはふたりの子どもがいます。最近の悩みは、夫の無責任な本性を知ってしまい、そんな夫との生活に自信がなくなってしまったことだそうです。
「結婚前はそんなことなかったと思うのですが、ここ3年くらいで夫がすぐに“人のせい”にしたり“何かのせい”にしたりして、都合の悪いことから逃げる姿を目の当たりにしてウンザリしています。
例えば、仕事に行って帰宅中に雨が降ってきたら『君が雨が降るって教えてくれないから、傘を持っていかなかった』と言ってびしょ濡れの服を廊下に脱いだままにしたり、子どもの行事の予定を忘れて夫が自分だけ遊びに行く予定を入れたときは、『俺は忙しいのに、なぜリマインドしないんだ』『俺に忘れてほしくないなら、誰かがカレンダーに書いておくべきだろう』などと、子どもの行事に行けないのを私や、まだ幼い子ども本人のせいにされたりという感じです」
年々激しくなる夫のそんな行動に対して、もはや呆れて何も言えないという佑香さん。夫に直談判しても佑香さんへの文句として返ってくるので、夫と話すのもウンザリといった様子です。
離婚も頭をよぎる日々。諦めの境地に立ったら少しだけ事態は好転
佑香さんは、そんな夫と日常的な会話をすることすらストレスに感じていましたが、あるときに「もう離婚してもいいかな」と覚悟を決め、ある行動に出たのだそう。その“行動”とは夫の存在を無視して、基本的には放置をする方針への変更でした。
「何かあるとこっちのせいだったり何かのせいだったりにされるので、もう関わるのをやめようと思って、基本的に放置することにしたんです(苦笑)。食事の用意や洗濯などはしてあげていましたが、それに対して文句を言ってきても放置。
こっちは、妻として最低限のことだけやっておけばいいやというくらいに、夫に対してあからさまに“あなたのことなんて、どうでもいい”って態度を示してみたんです。これで離婚になるならそれでもいいやってくらいに、私も開き直りました」
すると、それまで何事にも文句を言い、佑香さんや何かのせいにしてきた夫の態度が軟化。夫婦の会話が減ったことも関係しているかもしれませんが、少しずつ夫から佑香さんへの文句の数も減ってきたのだそうです。
強硬手段をやめると元通りに…いつまで続くのかわからない夫との駆け引き
ところが、そのまま夫の態度が改善されていくのを期待していた佑香さんは、その後も夫に裏切られてしまいます。
「夫の態度が軟化したのできっと反省したのだろうと思い、こちらも態度を緩めたんです。そうしたら、夫の態度も元通りになってしまって…。強硬手段に出ているうちはおとなしいのに、こちらが少しでも優しくしてしまうと、また横柄で人のせい、何かのせい、にする夫に戻ってしまうのです」
これには佑香さんも頭を抱え、現在はまた夫に対して強い態度で接しているとのこと。しかしそんなふうに夫婦間で駆け引きをしなくてはならない日常に、だんだん疲れてきたと話します。
「いつまでこんなことを続ければいいんでしょうね? もともと夫と私は、相性が悪かったのかもしれません。両親がギスギスした環境だと、子どもたちへの影響も心配ですし、このままの生活を続けるわけにはいかないという焦りがあります。
けれど夫は話しても通じない人だし、こちらが強い態度に出ない限りは私を責め立てるだけだし。何かをきっかけに変わってくれればと願ってきましたが、私のメンタルもそろそろ限界だなと感じているところです」
夫婦間で問題が生じたときの対処法には、正解がひとつとは限りません。しかし、自分が無理をしなければ穏やかな夫婦関係が続けられない関係となると、そこには大きなストレスがかかります。浮気や借金、暴力などの目立った事柄ではなくても、日常生活が穏やかに暮らせないとなると、周囲が思う以上に本人には大きな負担となっているのも間違いないでしょう。
取材・文/並木まき