徹夜明け、眠気と闘うのは容易ではない
「眠気」など、物理的に見えないものに打ち勝つことを目指す時の「たたかう」は「闘う」です。
祖父は難病と闘っている
「病気」のような目に見えない困難に打ち勝つ場合の「たたかう」も「闘う」を使います。
権力と闘うために、法律を勉強することにした
利害の対立をめぐって、正当な方法で自分の要求することを獲得するための争いには、「闘う」を使います。
「戦う」の類義語は?
「戦う」の類義語には、どのような言葉があるのでしょう。
交戦
文字通り、「戦いを交えること」「互いに戦うこと」を意味する「交戦(こうせん)」は、「戦う」ことを意味します。
戦闘
「戦う」と「闘う」の2つの漢字からなる「戦闘」。似た意味の漢字を重ねてできた熟語ですが、「武力を用いて攻撃や防御などの行動をとること」という意味。兵力を用いて敵に対し攻撃や防御などの行動を取ることを意味します。
「闘う」の類義語は?
次に「闘う」の類義語を見てみましょう。
闘争
社会運動や労働運動などで、権利や要求を獲得するために争うことを意味する「闘争」。権力に対して争ったり、困難を乗り越えようとするニュアンスは、「闘う」に近いといえます。
奮闘
力をふるって戦うことを意味する「奮闘」。強敵を相手に力いっぱい戦った時などに、「奮闘する」などと使うことができます。
「戦う」と「闘う」の違いは?
「戦う」と「闘う」を分かりやすく考えると、「戦う」は戦争や試合など「目に見えるもの」で物理的に争うこと。「闘う」は苦痛や障害、困難など「目に見えないもの」と争うこと。ぜひ区別して使ってみてください。
「権利のためにたたかう」を「戦う」と「闘う」を使って表現した場合、違いがあるでしょうか。例えば、「権利のために戦う」と表現した場合は、民衆が武器を持って戦う「暴動」のような状況がイメージされませんか?
一方、「権利のために闘う」と表現すると、具体的に武器を持って戦っているというよりも、困難を乗り越えるための活動(権利主張)をしている姿がイメージできるのではないでしょうか。
「戦う」と「闘う」の英語表記は?
「戦う」を英語にすると「make war」「fight」「contend」「compete」などを使うことができます。一方、「闘う」を英語にすると「struggle」「fight」など。例文で見てみましょう。
I competed for the victory with rivals.(ライバルと勝利をかけて戦った)
「compete」は「競い合う」という意味を持つので、具体的な相手がいる「戦い」を表現したい時に使うとよいでしょう。
She is fighting sleepiness.(彼は睡魔と闘っている)
「fight sleepiness」で、「眠気と闘う」と英語で表現できます。
最後に
「戦う」と「闘う」を、これまで何気なく使ってきた人も多いのではないでしょうか。一つ一つの言葉の意味や成り立ちを理解すると、言葉を大切に使っていくことができそうです。「戦う」も「闘う」も、日常生活でよく使われている言葉。きちんと使い分けていきたいところです。
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