「育児休業給付金」って?
ほとんどの場合、「育児休暇」の間は給与支給がされません。それをフォローするためにあるのが、「育児休業給付金」です。
「育児休業給付金」をもらえる条件は
育児休業給付金をもらうには、以下の条件を満たす必要があります。
・雇用保険に加入している
・「育児休暇」開始以前の2年間に、被保険者期間が12か月以上ある
・出産後、職場に復帰する予定である
被保険者期間とは、雇用保険に加入している状態で、月間11日以上、もしくは80時間以上働いた月のことを指します。
育児休暇までに1年以上勤務していた場合は、「育児休業給付金」の対象になることがほとんどでしょう。前の出産や病気などを理由に休業していた場合は、条件緩和などの措置があります。しかし、妊娠や出産を機に退職すると、「育児休業給付金」の支給はありません。
育児休暇中に以下の条件から外れると、育児休業給付金の受け取りが難しくなります。しっかりと把握しておきましょう。
・1か月に10日以上、または80時間以上の就業がないこと
・休業前に受け取っていた賃金の8割以上が支払われていないこと
「育児休業給付金」いつからもらえる?
育児休業給付金は、不正受給を防ぐためにも、申請者が休業している事実を確認してから支給されます。
事実確認にかかる時間は、ハローワークに申請書類を提出してから約2週間程度とされています。申請が認められてから振込までは1週間程度とされていますが、育児休業給付金は受け取りまである程度の時間がかかると考えておきましょう。
なお、産後休業に続いて育児休暇をとる場合の育児休暇開始日は、出産日から起算して58日目です。また、「育児休業給付金」を受け取ることができるのは、原則子供が1歳になる前日まで。それ以前に職場復帰した場合は、復帰した日の前日分までが支給されます。延長については、一定の要件を満たせば、最大1歳半または2歳になる前日まで可能です。
「育児休業給付金」はどのように申請する?
「育児休業給付金」の申請方法を紹介します。
「育児休業給付金」申請は勤務先で
育児休業給付金の申請をするのは、基本的に勤務先です。育児休暇の取得を決めたら、まずは該当部署に申し出ましょう。その後、申請方法の案内があるはずなので、手順に沿って準備をしましょう。
「育児休業給付金」は、自分で手続きすることもできます。その場合は、勤務先の該当部署に相談してから、事業所管轄のハローワークに申し出ましょう。
「育児休業給付」申請に必要な書類とは?
初回申請と2回目以降の申請では、必要書類が異なります。
【初回申請時に必要な書類】
1.雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
2.育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
3.賃金台帳、労働者名簿、出勤簿又はタイムカード等(1と2に記載した賃金の額及び賃金の支払い状況を証明することができる書類)
4.母子手帳など育児を行っている事実を確認できる書類
1~3の書類は、勤務先がそろえるため、申請者が用意する書類は4のみです。ただし、「給付金」の受取口座やマイナンバーなどの情報を申請書に記入しなければなりません。スムーズに手続きが進むよう、早めに準備をしましょう。
【2回目以降の申請に必要な書類】
1.育児休業給付支給申請書(受給資格確認や前回の支給申請手続後にハローワークから交付)
2.賃金台帳、出勤簿又はタイムカード(1の申請書に記載した支給対象期間中に支払われた賃金の額及び賃金の支払い状況、休業日数及び就労日数を確認できる書類)
育児休暇の期間が2か月以上ある人は、2回目以降も申請が必要になりますが、基本的には勤務先がします。自分で申請をしている人は、提出期限に注意してください。提出期限を過ぎると、育児休業給付金を受け取れないということもあります。
「育児休業給付金」振込日は?
申請後、育児休業給付金はいつ振り込まれるのでしょうか。
「育児休業給付金」振込はいつ?
申請手続きが終わると、「育児休業給付金支給決定通知書」が届きます。これは給付金の支給決定後に送られる書類です。大切に保管しましょう。
育児休業給付金の明確な振込日はわかりません。「育児休業給付金支給決定通知書」に振込日の記載はなく、ハローワークに問い合わせても教えてもらえませんので、銀行口座をチェックしましょう。
基本的には、「育児休業給付金支給決定通知書」が到着してから数日〜一週間後に振込されていることが多いようです。目安にしてください。
「育児休業給付金」の振込が確認できない場合は
「育児休業給付金支給決定通知書」が到着して10日以上経過しているのに、まだ振込が確認できないという場合は、通知書記載のハローワークに問い合わせましょう。ただし、ハローワークの場合、電話による問い合わせは受け付けていません。個人情報保護の観点から、本人確認書類の提示が必要になるからです。直接ハローワークに出向いて問い合わせをすることになりますので、事前に持参物を確認しておきましょう。
「育児休業給付金支給決定通知書」が到着していないという場合は、勤務先の担当者に問い合わせましょう。通知書は、勤務先に郵送されることがほとんどです。勤務先に届いていない場合は、申請日が遅かったか、まだ申請していない可能性があります。
「育児休暇」の「給付金」いくらもらえる?
「育児休業給付金」はいくらもらえるのでしょうか。
「育児休業給付金」の計算方法
育児休業給付金は、以下のように計算されます。
育児休業給付金を取得して6か月以内:休業開始時賃金日額×支給日数×67%
育児休業給付金を取得して6か月経過後:休業開始時賃金日額×支給日数×50%
育児休業給付金の正式な金額は、ハローワークに提出する書類によって決定します。育児休暇の間に賃金の支払いがあると減額されますので、気をつけましょう。
「育児休業給付金」の使い道
育児休業給付金の使い道に指定はありません。生活費や育児用品の購入に充てる人もいれば、子供の学資にする人もいます。ぜひ家族でよく話し合い、使い道を決めましょう。
参考:日本FP協会公式ホームページ「産休・育休中にもらえるお金」
最後に
育児休暇でもらえる育児休業給付金は、基本的に勤務先が申請をします。「育児休業給付金」以外にも、子育て中の人をサポートする制度はたくさん。うまく活用しながら、子育てをしていきましょう。
監修
コトヅテ 益田瑛己子(ますだ・えみこ)
ライター・キャリアコンサルタント/金融機関の営業職(FP職)として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。趣味は、好きなアーティストのライブに行くこと。子供が自立し、仕事にまい進する日々を謳歌している。
執筆/京都メディアライン