結婚6年目…夫から愛想を尽かされた
結婚6年目を迎えた38歳の優香さん(仮名)は、過去に浮気をしたことがあり、夫にも知られた末に夫婦再構築を選択。その後、子作りにも取り組みましたが残念ながら子どもに恵まれず、今も夫婦ふたりでの暮らしが続いています。
「自業自得と言われればそれまでなのですが、子どもができなかったこともあり、私に愛想を尽かしていた夫が“やっぱり過去の不倫を許すことはできないし、もう別れたい”と言ってくるようになりました。
私は過去の不倫を本気で反省していますし、できることならこのまま今の夫と生涯を添い遂げたいと考えていますが、夫はそうではないことがはっきりとわかっている今、どうしたらいいのか途方に暮れています」
優香さんは、結婚2年目に相手も妻帯者である職場の同僚とダブル不倫。半年ほど不倫をしたところで夫に関係が知られ、当時も離婚寸前までいったそうですが「子どもを作って再出発しよう」と、話し合いの結果として修復の道を選んだそうです。しかし子作りがなかなかうまくいかないまま、夫との心の距離は離れる一方だったそう。
離婚をしたほうがお互いのため。しかし将来の経済不安が…
「すでに夫は、私に『浮気してくれば? それで、ゆくゆくはその浮気相手と再婚すればいいじゃないか』とまで言い放っています。そんな夫との生活にしがみついていても、私自身も幸せになれないと頭ではわかっているんです。
だけど離婚をしてしまうと経済的な不安があるので、どうしても夫からの離婚の申し出にイエスと言えません」
優香さんは現在、正社員として働いていますが、特別なスキルを持っているわけではないので「今は良くても10年後、20年後に自分がちゃんと働いているか不安」と口にします。結婚生活を続けることが、将来の不安を軽減してくれる方法だと考えているため、自分に愛想を尽かしている夫のもとを離れることができないと悩んでいるのです。
「こんなことなら、もっと若いうちに資格でもとっておけばよかったと悔やまれます。このまま夫に愛想を尽かされながら、極限まで今の夫にしがみついていくのが正しいのか…、今の私にはまったくわかりません。どんな環境であっても将来への不安がゼロになることはないのでしょうが、今すぐにひとりになる勇気が出ないのです。
夫が言うように別のパートナーを見つけて、順調に再婚できればベストかもしれませんが、コロナ禍で出会いも限られますし、これから相手を見つけて交際して、さらにプロポーズを受けて結婚…となると、相当の時間が必要ですから、やっぱり今の生活をそのまま続けるほうがいいんじゃないかと思ってしまうのです…。モヤモヤした毎日を送っていくことがいいとは思いませんし、現状に満足しているわけでもないのですが、どうしても勇気が出ないんですよね。こんな自分が嫌になります」
すでに夫婦仲が冷めきっていて、一方が明確に離婚の意思を持っている場合でも、双方の合意に至らず表面上は夫婦を続けているケースもあります。優香さんのように先々の不安感から離婚に踏み出せない女性も、決して珍しくはないのかもしれません。
しかし優香さんも口にしていたように、どのような環境に身を置こうとも将来の不安がゼロになることはありません。未来の自分が抱く後悔を少しでも少なくできるであろう選択をすることも、自分で人生を切り開くためには大切な決断になるのではないでしょうか。
取材・文/並木まき