子どもに手がかからなくなり、自分の生活を謳歌していた矢先に…
「結婚12年目を迎え、ふたりの子どももほとんど手がかからなくなったので、夫婦ともに自分の趣味や友だち付き合いを謳歌していました。家族で出かけることはほとんどなくなっていたけれど、私はそんな生活をけっこう気に入っていて。夫婦喧嘩もないし、子どもたちもスクスクと育っているから満足していたんです。
ところが、ある日突然に夫から『ひとりの時間がほしい』と言われてしまって、その日のうちに夫は家を出て行ってしまいました。つまり前々から私の知らないところで、別居の準備をしていたようなのです」
こう話す晴香さん(仮名)は、結婚12年目。2歳年上の夫とは以前の職場関係で知り合い、1年間の交際ののちにゴールインしました。これまで夫婦間で大きな問題を抱えたこともなく、平穏な結婚生活を歩んでいたと思っていた晴香さんにとって、夫からの別居の申し入れは「寝耳に水」だったと言います。
離婚をするしかないのか…どんどん距離を広げる夫に困惑
「最初は、夫も更年期に差し掛かっているし、メンタルが不安定なのかなくらいに捉えていました。けれど今、別居生活が半年を超えて、だんだんと夫と私との距離が広がっていることに困惑しています。別居して最初の頃は月に数回は会っていましたが、今では会うこともなければ、私がLINEをしても返信が来るのは翌日か翌々日というくらい、夫婦としては体裁を成していません。
夫は本音では、離婚したいんだと思います。でもコレという離婚原因の決定打がないから、無理に離婚をしようとしたところで、私が拒否するのもわかっているんだと思います。だから、私が離婚してもいいよって言うのを待っているんだろうなって気がするんですよね。
私自身、仕事ももっていますし夫から養育費をちゃんともらえるのであれば、このまま夫婦でいるよりも離婚をすべきなのかって迷います。だけど、どんな夫婦にも離婚の危機はあるだろうし、コレという決定打があるわけでもないのに、離婚を決めてしまっていいのかな、という迷いもあって…。
時間が解決しますかね? このままだと時間が経つにつれて、離婚への道を突き進む気がして。ならば早めに決断したほうが、お互いの人生を有意義に過ごせるんじゃないかと思うこともあり、悩ましいです」
夫婦間で特別な問題が生じていなくても、長年にわたって生活をともにした結果として「やっぱり合わない」となることもあるでしょう。晴香さんの夫がそう思って別居を選択したのかはわかりませんが、家を出るほどの夫なりの事情があると推測できます。ただ、究極的には「離婚はいつでもできる」のも事実。離婚原因の決定打がないのであれば、急いで結論を出す必要はなく、迷いがあるうちは現状維持という選択もいいのではないでしょうか。
取材・文/並木まき