50代になった夫が束縛魔に!
真由香さん(仮名)の夫は9歳年上の52歳。すでに子育てもひと段落し、娘たちは親元を離れて大学に通っています。子育てから解放され、やっと自分の時間がもてると真由香さんが安堵していたのも束の間、50代を迎えた夫が妻への束縛を強めていて、ウンザリが止まらないといいます。
「夫はそんなにマメな性格じゃなかったはずなのに、最近では仕事で家を出てから帰ってくるまでの間に、何度もLINEをしてくるようになって、面倒くさいんです。内容は他愛もない話で『今から電車に乗る。君は今、何してる?』『これからランチ。何食べようかな。君は?』みたいな感じ。
でも、いちいち“君は?”って様子を探ってくるあたりが、鬱陶しいんですよ。どこにいて誰と何をしているかを知りたいのがミエミエ。テキトーな返事を返していますが、なんだか浮気でも疑われているのかなって思うと、不愉快なんです」
執着されると嫌悪感…もっと信頼関係を築くには?
「最近、夫の周囲で立て続けに、奥様から離婚を切り出されて離婚した夫婦がいたんです。いわゆる早めの熟年離婚みたいな感じだと思うんですけど、それが夫としては“自分もそうなったら困る”という発想になったんじゃないかと思います。
気持ちは理解するけれど、夫のしていることは私には逆効果。申し訳ないけれど、LINEがくるたびにウンザリするので、最近では夫からのLINEは音を消しているくらいなんです…」
もともと束縛を嫌う真由香さんにとって、今の夫との生活は「とても苦痛」とのこと。とは言え夫婦である以上、夫が関係性に不安を覚えているなら、もっと信頼関係を築いていかなくてはいけないのではないか、という想いもあるそうです。
「正直、結婚して20年以上も経っている今になって、こんなことで悩むとは思ってもいませんでした。束縛しない夫を選んだはずなのに、これでは本末転倒だなとも思います。性格って変わるんですね。
これから老後も穏やかな生活を送っていくには、もっと根本的なところで夫婦の信頼関係を深めなくては、うまくいかない気がしますが、夫にどう伝えれば私の真意が伝わるのかわからず。今後もし今よりも束縛がひどくなれば、耐えられる自信はありません。それこそ、夫が恐れている“離婚”という選択だってあると思います。歳をとって性格が以前とは違う夫に対して、どう愛情を傾ければいいのか、本気で悩んでいます」
年齢を重ねるにつれ、妻に依存する男性もいるのは現実。結婚当初と比べて夫婦間での信頼は深まっているはずなのに、真由香さんの夫のように“老いていく自分が捨てられたら困る”という不安から、妻への執着が強まる人もいます。
今回のケースでは夫に対してストレートに「やめてほしい」「束縛されると愛が冷める」という真由香さんの気持ちを伝え、理解をしてもらえればベストですが…。何かに囚われたかのように執着を強めている相手は、なかなか聞く耳をもってくれないのも現実でしょう。
夫の不安感が一時的なものであれば徐々に改善へと向かうはず。まずは少し時間をかける覚悟で、夫が良い方向に変化するのを待ってみるしかないのかもしれません。
取材・文/並木まき