女には3つの顔、3つの時間がある…。今回の「女の時間割。」は、第二子出産後に復職してから約7か月、時間の大切さをよりいっそう意識しながら働くフジテレビアナウンサー・生野陽子さんが登場。生野さんの「母時間」についてお聞きしました。
生野さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間〜
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜 ←この記事
スピンオフトーク 12月27日公開予定
フジテレビアナウンサー・38歳
生野陽子さん
生野さんの「母」時間をClose up 12:00@Cafe
娘は早くも3歳。最近なるべくふたりの時間をつくるようにしています
「3歳の長女と話していて、子どもって発想がユニークだなぁと感動したことがあるんです。乾燥で私ののどがちょっとイガイガしていたとき、“エヘン虫がいるからアメなめるね”と娘に話したら、“私はお腹にてんとう虫がいるから、ちょっと待ってて!”と窓のほうに行くんです。口からぽっと虫を出すしぐさをしたあとに“逃がしてきたよ〜”と報告をしに来て(笑)。我が子ながら、感性が豊かでかわいらしい!と思っちゃいました」
「母」時間 生野さんの“仕事が休み”の日
この連載では“ある日の時間割”についてアンケートに回答してもらい、撮影シーンを構成しています。生野さんの「母」時間を紹介します。
7:30 起床、夫が朝食づくり
8:30 朝食後、夫出社
10:00 公園遊びやお散歩
12:00 子どもと昼食、祖父母も一緒に
14:00 帰宅後、子どもたちお昼寝
16:00 子どもたちと一緒に、お散歩がてらスーパーへお買い物
17:30 帰宅後、夕食準備
18:00すぎ 夕食
19:00 入浴
20:00ごろ 夫帰宅、夫が子どもと一緒に入浴、私は片付けなど家事
21:00 就寝
長女のときにつけた子育て日記が、弟を育てるときのお守りに
言葉に対して誠実であろうとする生野さんの話しは、率直で受け取りやすい。1歳と3歳のお子さんを育てながら仕事も続けていく日々は、自分の時間もままならないほど濃密だ。そんな中でご夫婦ふたりともに仕事が入ってしまったときには、心強い身近なサポーターが子どもたちをみてくれるという。それは生野さんのご両親。“私の仕事と子育ての両立は家族みんなの力がないとなかなかやっていけないのです”と、率直に語る。
「うちの両親と義理の父母の両方にお世話になりながらやっています。4人とも私と夫の方針を教えてくれればその通りに子どもをみるよと言ってくれて、ピンチのときには本当に助かっています。手助けしてくれるだけでなく、尊重もしてくれるのがありがたいです。
それでも毎日どうしてもばたばたと過ぎていくので、下の子の“子育て日記”は私が仕事に本格復帰をした復職半年後あたりから、続けることができずに終わってしまいました。今では月に1回、その月のお気に入り写真をノートに貼りつけています。長女が生まれたときは初めての子育てだっただけに“子育て日記”にかなり細かい記録をつけていました。睡眠時間や授乳のタイミング、うんちやおしっこの回数まで、ほぼすべてを記録しました。
おかげで長女の“子育て日記”が下の子の体調をみるときの安心材料になっています。この時期はどうだったかな?と見比べることができるのですごく便利ですね。体調の記録が主でしたが、生まれて1か月とか100日などの節目のたびに“生まれてきてくれてありがとう!”と書いてありました。やっぱり、生命って奇跡の連続だなって思うんです。子どもがどんどん大きくなることもうれしいですし、そもそも生まれてきてくれたこと自体に感謝の気持ちがあります。娘はきゃしゃで女の子らしく、下の子はまだ1歳なのに男の子だからぱちんと叩かれると力強くて(笑)。下の子が生まれてすぐのころは私が授乳をしていると、長女が赤ちゃん返りをしてぐずったことがあったんですね。そのときばかりは少し大変だった記憶があります。今ではすっかり弟が大好きなお姉ちゃんに成長してくれて、弟のお世話をしながら「かわいいね〜」と笑っています(笑)」
子育てはいつかは終わるものだから、今この瞬間をしっかりとかみしめる
「母が助けに来てくれたときには“私もこんなふうにあやされて愛されて育ったんだな”と思えるようなシーンを横から見ることができて、とてもうれしく幸せな気持ちになれるんですよ。母のような母親になれるよう奮闘の日々です。
たとえば時間に追われているときなど、私はどうしても“キーッ”て心にゆとりをもてなくなってしまうときがあるんです(苦笑)。ところが母は、自分が家事や何かをしているときに子どもが甘えたそうだったり、かまってほしそうだったり、不機嫌そうな気配を感じると、すぐに子どもの気持ちを察して自分のしていることの手を止めて、ぱっと子どもを抱きしめたりするんですね。その姿を見ていると、“ああ、やっぱりこんなふうに子どもの心にきちんと寄り添いながら子育てをしていかなきゃいけないな”と反省と学びにつながるのです。今一緒に子育てに携ってくれているからこそわかることなので、すごく貴重でありがたい時間だと思います。
母は、家にあるもので工夫しておもちゃをつくって一緒に遊んだりすることも得意なんです。“これがないからできない”と諦めずに頭を柔軟にして対応していく姿にも多くを学びとりました。今はコロナで、親子で集まれる場所に行く機会が減りましたよね。だからほかのお母さん方がどんなふうに子どもに接しているのか知ることができず、誰かにアドバイスを受けたりする機会も少ないのです。その点、母や義理の母など家族から学べることをとてもありがたく思っています。私もいつか母のように、愛をいっぱい注げる人になりたいです。
今は、自由に使える自分の時間は少ないですが、それは小さいお子さんをおもちの方はみなさん同じような状況ですよね。子どもとの時間ってすごく大変だけど、すごく幸せでとても貴重で、だけど限りがあるものなんだと感じています。今この瞬間を、きちんとかみしめながら生活したいと改めて思います」
聞いているこちらまでほっこりとあたたかい気持ちになるような生野さんの「母時間」のエピソード。人は忙しいと誰しも視野がせばまってしまいがちですが、そんなときに素直に身近な誰かに頼ることができるのは素敵ですよね。次回、スピンオフでは生野さんによる自己分析をお届けしますので、ぜひ見てくださいね。
Profile
生野陽子
しょうの・ようこ/1984年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業後、2007年にフジテレビにアナウンサーとして入社。新人アナウンサーの冠番組の3代目司会を務め、“ショーパン”の愛称で人気を集める。その後、『めざましテレビ』のメインキャスター、『FNNスーパーニュース』、『FNN PRIME news evening』など、報道&情報番組を多く担当。30歳で同期である中村光宏アナウンサーと結婚。34歳で長女を出産。昨年37歳で長男を出産して今年4月に復職。現在は『Live Newsイット!』の土日のメインキャスターを務める一方で、『ぶらぶらサタデー 有吉くんの正直さんぽ』にも出演している。趣味は習字で書道の師範免許をもつ。
公式ブログ:SUNSHINE BLOG YOKO SHONO
インスタグラム : @yoko_shono
撮影/眞板由起 スタイリスト/杉山朱美 ヘア&メーク/今関梨華(P-cott)構成/谷畑まゆみ
衣装協力/ボートネックプルオーバー・デニムパンツ(MADISONBLUE)、イヤリング(ANTEPRIMA)、トートバック(Tory Burch)