生野陽子さん「先日夫から“定年後は何をしたいか、考えておいてね”と突然言われて、ちょっとうれしくなりました 」

女には3つの顔、3つの時間がある…。今回の「女の時間割。」は、第二子出産後に復職してから約7か月、時間の大切さをよりいっそう意識しながら働くフジテレビアナウンサー・生野陽子さんが登場。生野さんらしさのある「妻時間」とは…？

生野さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜　
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間〜　←この記事
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜
スピンオフトーク　12月27日公開予定

フジテレビアナウンサー・38歳
生野陽子さん

生野さんの「妻」時間をClose up　10:00＠Street
夫と一緒に子どもふたりを遊ばせながら、必要なものも買い出しします

「夫とふたりだけで外出する機会は、子どもが生まれてからほぼなくなりました（笑）。夫は休みの日は子どもとしっかり向き合いたい人なので、出かけるときは基本的に子どもたちも一緒に連れて行きます。ショッピングをしたり、近くの公園に出かけたり。夫婦ふたりの時間があるとしたら通勤時間くらいでしょうか。同じ会社なので出社や退社時間が重なればラッキー！という感じですね（笑）」

「妻」時間 生野さんの“夫婦で仕事が休み”の日

この連載では“ある日の時間割”についてアンケートに回答してもらい、撮影シーンを構成しています。生野さんの「妻」時間を紹介します。

7:30 起床、私は洗濯や掃除、夫は朝食準備
8:15 朝食　　
9:00 片付け、家事など
10:00 夫と子どもを連れて外出　
(大きな公園や、子どもが体を動かせる場所があるショッピングセンターなど)
12:00 外出先で昼食
16:30 帰宅後、夕食準備　
18:00 夕食
19:00 入浴
20:00 絵本の読み聞かせ
21:00 子どもたち就寝　
22:00 自分時間　
23:00 就寝　

夫の家事や育児が、AI家電のように自発的に進化しているんです

夫婦で同じ会社に務めて、同じ職種に従事する中で構築していく心地よいリレーションの代表例のような生野さんとご主人の中村光宏さん。生野さんは報道番組やバラエティを担当し、中村さんはスポーツ番組や中継をメインに活躍。フィールドは違えど、同じ“伝えるプロ”であるおふたりは今年で結婚生活８年目。生野さんがキャスターを務める『Live News イット！』は土日の夕方が本番で、『ぶらぶらサタデー 有吉くんの正直さんぽ』は昼間の収録。中村さんがキャスターを務める『S-PARK』や野球やサッカーなどのスポーツ中継は、放送時間は夜が中心。勤務時間帯の異なる夫婦共働き生活は現在１歳と３歳のお子さんを主体に展開されていて、生野さんの「時間割」をみると仕事のある日もない日も起床は朝7時30分。

「夫は夜型、私は昼型の勤務ですが、休みの日も同じ時間に起床します。ふたりとも仕事がない日は、朝起きたら夫は朝食準備、私は掃除や洗濯にとりかかるんです。朝食を食べ終わって食器洗いが終わったら、子どもが体を動かせるような広い公園に家族で出かけたり、季節の変わりめは子どもたちの服や靴が必要になるのでショッピングに出かけたりしています。夫が子どもとよく遊んでくれるので、ショッピングセンターに行く場合も近くに公園があるようなお店を選ぶことが多いですね。

彼は家事も育児も協力的で、ふと気づくと最近ちょっとずつ腕を上げているんですよ。上の子が生まれたばかりの頃はまるでスマートスピーカーのようでした（笑）。私がイチからひとつひとつ細かく指示出しをして、夫はそれを忠実に遂行してくれる感じだったのです。それが最近では経験を積み重ねたぶん、“AIが賢さを増して自主的に機能するようになってきた”みたいなうれしい進化を感じています。家事で私がまわせないところを先読みしてフォローしてくれたり、明確な役割分担がなくとも、名もなき家事にも臨機応変に動いてくれる。特にキッチンまわりが得意で、料理や洗い物はけっこうやってくれていますね。ふたりとも忙しいときには、掃除や洗濯はできる人が動いて助け合って対応します。

子どもに対しても、夫は一緒にすごせる時間を大切にしています。上の子はパパと一緒にいたいときとママと一緒にいたいときの差が日によって違ったりするので、たとえば“ママといたい！”と言われたら私が抱きかかえている間に夫がサッと家事をしてくれるなど、子どもの気持ちに合わせてうまく連携をとることも少なくありません。

子どもたちはまだ小さいので、夫も私も好きなことを見つける手助けをして環境を整えてあげられたらと思っています。今のところ子どもたちは水やお風呂が好きなようなので、上の子は今プールに通っています。子どもたちが将来どんなふうに成長していくのか、今の時点ではわかりません。でも、どうなったとしても家族みんなが幸せを感じられるような基盤づくりはしておきたい。家族は安心できる存在だしあたたかい居場所なんだよと子どもたちに思ってもらえれば、きっとどんな挑戦もできるし、帰れる場所があると思うだけで羽ばたけることもあると思います。夫と協力してそんな家庭を築いていけたらと思っています」

相通じる部分と、わからない部分のバランスがちょうどいい

家事や育児についてはバディのように、あうんの呼吸の連携プレーで回す生野さんと中村さん。仕事についても、ほどよい距離感で向き合うことができているのだそう。

「夫の専門であるスポーツ全般について、私はほとんど知識をもっていません。彼ももしかしたら報道番組の現場の状況は、経験がないのであまりよくわからないかもしれません。でも、 “やっぱりこのぐらいの下準備が必要だよね”とか“この場面ではこんなふうに伝えたほうがよかったよね”など、“伝えること”についてはお互いの意見を聞いたり、話し合ったりしています。同じ会社で同じ職種だけに何かちょっと聞いてほしいときにも、最初から説明しなくともわかる部分や相通じるものが多いので、そこについては楽ですね。

それでいて、相手の専門領域についてはよく知らないのでお互いに立ち入れない、立ち入らない部分があるから、そこが絶妙なバランスなのかもしれません。夫と私は同期入社なのですが、たとえば夫が日本代表戦を地上波で実況したり、オリンピック代表試合の実況に選ばれたりしてくれると、妻としてうれしいのはもちろんですが、同期としてもすごく誇りな存在に感じられるんですよ。こういう関係もいいなあと個人的に思っています（笑）。

子どもや仕事以外の話題では、少し前に夫から突然「定年後に何をしたいか、今から考えておいてね」と急に言われて驚いたことがありました。住みたい場所ややりたいことなど、私自身は今はノーアイディアなのですが、「将来やりたいことがあると、きっと楽しいよね」と言われて“確かに”と納得しました。子どもたちが巣立ったあとのこともちゃんと思い描いていてくれていることにも、幸せな気持ちになりました。夫は宇宙好きなので“NASAがあるヒューストンに住んでみたい！”なんて言ってましたが、それを実現するには貯蓄が大変（笑）。でも、想像して考えるだけでも楽しいじゃないですか。私もこれをきっかけにあれこれ考えてみようと思っています。

夫とは同い年ですが、ケンカになりそうで、ならないんですよ。おそらく彼のほうが心が広いので、私がワーッと文句を言っても「はいはい」となだめられて大きなケンカには発展しないのです。悩みごとがあったら解決に導いてくれますし、基本的に“好きなことをやっていいよ”と大きく構えてくれているのがとてもありがたいですね」

話しながら「実は夫も私も仕事ぶりが似ているところがあるんです」とこぼれ話をしてくれた生野さん。ご主人の中村さんがスポーツの試合を実況するときには、事前に膨大な資料に目を通して細かくチェックするという入念な準備を欠かさないのだとか。「夫のそんな姿も勉強になりますし、お互いにいい刺激をしあっています」と、切磋琢磨する様子もかいまみせてくれました。次回、Vol.3の生野さんの「母」時間にもご期待ください。

撮影／眞板由起　スタイリスト／杉山朱美　ヘア＆メーク／今関梨華（P-cott）構成／谷畑まゆみ

衣装協力／シャツ・ツィードスカート（MADISONBLUE）、イヤリング（ANTEPRIMA）、ショートブーツ・ショルダーバッグ（JIMMY CHOO）