歴史ある温泉街にたたずむモダンな空間
江戸時代に歴代の藩主が湯治に訪れていたとされる長門湯本温泉。その温泉街を流れる音信川 (おとずれがわ) 沿いにたたずむ【界 長門 (かい ながと) 】は、藩主が参勤交代のときに休む場所「本陣」として使われた「御茶屋屋敷」をテーマにした温泉旅館です。ロビーに足を踏み入れると、そこには客を迎えるための床の間飾りを表現した空間が広がります。
▲界 長門 外観
▲ロビー
武家文化を生かした客室
そんな山口県の武家文化を体現した旅館で宿泊できるのは、ご当地部屋「長門五彩の間」。藩主が休む部屋をイメージして一段高くなった寝台や、客室を彩る5つの要素「五彩」(山口県の伝統工芸「徳地和紙」「萩焼」「萩ガラス」「大内塗」、「窓から見える四季折々の景色」) がポイントです。
▲ご当地部屋「長門五彩の間」和室
ベッドボードには、室町時代より800年以上続き山口市の無形文化財に指定されている「徳地和紙」を使用。寝台が華やかになるような色合いに染められた和紙があつらえられています。
▲ご当地部屋「長門五彩の間」ベッドルーム
さらに、段違いの棚が設置された床の間には、長門湯本温泉からほど近い深川窯の三人の作家 (坂倉正紘氏・田原崇雄氏・坂倉善右衛門氏) による「萩焼」の作品を設置。萩焼は土の風合いを生かした素朴な作風のものが一般的ですが、界 長門の客室やロビーには同時に新しさも感じられるような作品が配されています。ほかにも、客室入口のサインにあしらわれたやわらかい光を放つ「萩ガラス」や、美しい漆塗りと金箔を使った「箔絵 (はくえ) 」が特徴的な「大内塗り」も、部屋をあたたかく彩ります。
▲萩焼 上:坂倉正紘氏 作、左下:田原崇雄氏 作、右下:坂倉善右衛門氏 作
ご当地楽「おとなの墨あそび」を体験
さらにこの地の文化を知ることができるのが、「おとなの墨あそび」体験。山口県の伝統工芸「赤間硯」で墨をすってその芳香を感じ、墨のよさを堪能しながら扇形の型紙に自分の思いを綴ります。
▲ご当地楽「おとなの墨あそび」
粒子が細かいため発色や伸びがよい墨汁を得ることができる赤間硯は、現存する職人はわずか3名と非常に希少な存在。江戸時代には参勤交代の際の献上品として使われており、原料となる採石用の山の採掘が行われるのは藩主の命があったときのみと、長州藩の名産として簡単には手に入らないものでした。松下村塾の師である吉田松陰にも愛用された* のだそう。
* 山口県公式ホームページより
藩主を癒した温泉でくつろぎの時間を
山口県最古の温泉である長門湯本温泉は、アルカリ成分が強く (pH9.9) 化粧水のような成分の泉質が特徴。かつて藩主が湯治に訪れた場所と言われています。大浴場には、湯温が高い「あつ湯」と源泉かけ流しの「ぬる湯」がある内風呂、そして露天風呂が備えられ、贅沢な湯浴みのひとときを楽しめます。
▲大浴場 露天風呂
旬の食材を味わいつくす会席料理
お楽しみの夕食は、プライベートが保てる半個室の食事処で味わう、この地域ならではの旬の食材を生かした会席料理。山口県はイカの摂取量が全国第2位を誇り、甘みが強く肉厚でやわらかいイカを先付やお造りで楽しめます。また、酢の物・八寸・お造りを一緒に盛り合わせた華やかな「宝楽盛り」には、萩焼の器と、山口県内で唯一の桶職人・坂村晃氏により制作された桶を使用。意匠を凝らした器にもぜひ注目を。
▲季節の会席
さらに特別会席では、山口県の名産品であるふぐや鶏肉をメインとした会席料理が提供されます。季節によってメニューが変わるので、こちらもぜひお見逃しなく。
▲春夏 特別会席「牛と旬菜の瓦焼き」
▲秋冬 特別会席「ふぐと牛の源平鍋」
宿泊者以外も利用OK!「あけぼのカフェ」
界ブランド初の宿泊者以外の方も利用できる施設「あけぼのカフェ」も、界 長門の名物のひとつ。こちらのカフェは、長門市の温泉街の再生に向けた取り組み「長門湯本温泉観光まちづくり計画」で掲げる魅力的な温泉街の一部になることを目指し、「温泉街そぞろ歩き」を楽しめるコンテンツとしてつくられました。
▲あけぼのカフェ
カフェで販売中の山口県らしさを感じられる「ゆずきち」や「夏みかん」のジャムを使った「どらやき」は、甘さの中にほのかな酸味を感じる味わい。宿泊客の方もそうでない方も購入できるので、ぜひ味わってみては。
▲どらやき
美肌の湯や伝統工芸品、そして美味しい旬の食事まで。歴史ある地域ならではの文化に現代的な魅力も加わった界 長門に、ぜひ注目してみてくださいね。
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