「自由でいること」について改めて、ビヨンセの映画を観て考えさせられました
新年、映画を観に行きました。タイトルは『Renaissance: A Film by Beyonce』、ビヨンセが2023年に行ったワールドツアーのドキュメンタリー映画です。4年の構想をもって作りあげたこのツアーに、ビヨンセは「誰もジャッジさせない、すべての人にとって安全な場所、セーフスペースにしたかった」との思いを込めたと言います。
黒人女性である彼女が27年もの間歌い続けるために必要だった、並々ならぬ努力と感情のコントロールについて話すのを見るのは初めだったし、彼女をジェンダーフリーへ駆り立てる言動の根っことなるものを知ることができたのも、印象的でした。42歳になったビヨンセのステージは言葉にならないほど圧巻で、最後まで体を揺らし、歓声を上げ、会場が一体に包まれた時間でした(発声してOKな映画だったのです)。
好きという気持ちを伝えるのは、すごく勇気のいること
この映画を観る数日前、小学2年の次男と愛犬アニーの散歩をしていた時のこと。彼が前を歩いていた男性2人を見て、学童の先生が彼と歩いているのかもしれないとワクワクして、顔を覗きに行ったことがありました。鬼ごっこをしているかのように前の2人を追い抜かし、顔を見て帰ってくると「男の人だった、違った」と、人違いだったことにがっかりしていました。そこで私はようやく学童の先生は女性で、彼は前を歩く2人が男女のカップルだと思っていたことを理解しました。
彼に「男の人のカップルはどう思う?」と聞くと、「え? いいんじゃない?」と答えたので、「男の子に好きって言われたらどうする? 女の子に好きって言われたらどうする?」と再度、質問をしました。今度は「わからない」と言ったので、「好きという気持ちを伝えるのは、すごく勇気のいることだよね。伝えてくれてありがとうと言うのはどう? それから自分の気持ちをしっかり伝えることも、お互いのリスペクトだよね」と伝えました。
私は今まで、彼の好きな子の話をあまり聞いたことがないので、彼のジェンダー観念をまだ知りません。でも、家庭で些細なきっかけを元にいろんな話をする意識は大切だと思うので、見守っていきたいなと思っています。
「男の子に好きって言われたらどうする? 女の子に好きって言われたらどうする?」
話を映画に戻します。映画を観ていて、ちょうど次男とその話をしたことを思い出したので、一緒に映画を観た娘と娘の友達に、鑑賞後に同じ質問をしてみました。ちょうど娘と彼女は同じ時期に留学するので、このタイミングで一緒に映画を観られたことは、何かの縁だと思ったんですよね。彼女達はしばらく何も答えなかったので(考えていたのかもしれないけど)、「多様性ってダイバーシティというのだけどね、留学先でたくさん考えてきてね」と、ふんわりこの話をおしまいにしました。
責任や現状から逃げるという意味ではなく、自由でいるということ。私の2024年はビヨンセの映画と共にスタートしたように思います。今年もいろんなことを考えるのかな…。皆様どうぞ、お付き合いいただけたら嬉しいです!