【連載:美人が飲む酒うまい酒】究極の腸活オーベルジュでおいしく美肌になる方法
肌に透明感が生まれるとか、ずっと使っているとシミができないとか、とにかくモチモチしたきめの細かい肌になるとか…長年愛用している女優さんも多いとある化粧品が、「発酵」から生まれたことは、美容業界では常識中の常識。
最近、高級化粧品がずらっと並ぶコスメの殿堂の、あのデパートに出店した話題の化粧品の原材料もやっぱり「発酵」から生まれたもの。ものすごい勢いで人気が出ていてリピーターが多いというのも納得の効果(私の肌比べ)。
プロバイオティクスだとかシンバイオティクスだとか、腸内細菌のバランスを整えるためのヨーグルトも大流行。酵素浴、発酵玄米・・・もう枚挙にいとまがない、そう世の中、発酵バンザイ!
でも、よく考えてみてください。そもそも和食は発酵食品だらけ。
糠漬け、納豆、干物・・・エモい系の発酵食品もあるけれど、もしジミ飯が苦手だとしても、普段使っている醤油やお味噌だって、発酵してるからおいしいんです。もはや定着した醤油麹も塩麹も、日本酒だってもちろん発酵の賜物。
ほら、手軽に発酵生活、できる気がしてきたでしょう?
要するに和食を食べて日本酒を飲んだりなんかしたら、もうアナタは発酵美人、いっちょあがり!
滋賀県の和風オーベルジュ「徳山鮓」で”発酵の伝道師”の名料理に舌鼓
中でも旅がてら、とっぷり発酵生活に浸っておいしいもヘルシーも手に入れたい方にオススメしたいのが、滋賀県の和風オーベルジュ「徳山鮓」。
東京からなら新幹線を使って米原駅で快速に乗り換え、約30分で余呉駅まで。宿に向かう車の中からしみじみとした田園風景と余呉湖を眺めていると、あっという間に到着です。
大阪や京都からも便利なのに、ゆったりとした時間が流れていて、それだけで癒される(ここまでですでに美人度20%UP)!
さて、ここで何をするかっていうと「食べて飲む」! これしかありません。いただくのは簡単に言えば「郷土料理」。地のものを使ったお食事とお酒が登場します。
それだけ、なんだけれど、それだけ、というのがまたなんとも贅沢ですよね。
旬の食材を、発酵の伝道師とも称される店主の徳山浩明氏が熟練の技で、その時々の美食に仕上げてくれます。私が伺ったときは鴨を使ったコース。焼いた鴨、鴨しゃぶ、〆にはお雑炊…。じんわりと素材の旨味が口の中に広がる、至福のとき!
そして、忘れてはいけないのが長浜名物「ふなずし」。
「ふなずし」は魚介類を飯と塩で乳酸発酵させた”熟鮓”の一種。
一説には弥生時代から伝わるとされ、日本のお寿司の原型ともいわれています。春先に琵琶湖で獲れた鮒を塩漬けにし、夏、ご飯と一緒に漬け込み、ゆっくり乳酸発酵させてお正月ごろにやっと食べごろになるという、これぞスローフード。
この地域では昔から各家庭で作られ、お祝い事や体調不良のときの栄養源としても食べられているそう。発酵のパワーは古来から人々の暮らしの中に息づいていたんですね。
ただしこの「ふなずし」独特の香りと聞いていたので、実は恐る恐る箸をつけました。ところが予想を覆す旨味!口の中でとろける奥行きのある味わいは…そうですね、チーズに近いかもしれません。
この「ふなずし」と地元の名酒「七本鎗」のマリアージュ、口の中がコクと旨味でいっぱいになって、もう永遠に食べ続けられそう。しあわせ…。
多幸感でいっぱいのまま、ぐっすり眠り、翌朝もまたごちそうです。
名酒「七本鎗」の酒蔵「冨田酒造」へ
あんなにお腹いっぱい食べたのに、スッキリ起きられて、朝ごはんもたっぷり食べられるのはやっぱり発酵食品のおかげかも。
そしてもし、少しでも時間があったら名酒「七本鎗」の酒蔵「冨田酒造」にもぜひ足を運んでみてください。「徳山鮓」のある余呉駅から北陸本線でたったの一駅。駅からも徒歩5分。
460年以上の歴史を持ち、かの魯山人も好んだという名高い酒蔵では、各種の「七本鎗」はもちろん、お猪口に入ったチーズケーキやアイスクリーム、Tシャツなどしゃれたお土産も買えて大満足。
私はawabukiという低アルコールの甘酸っぱい発泡日本酒が気に入って、お取り寄せしています。ひとりで飲むのにちょうどいい大きさなので、晩酌にもぴったり。
実はこの旅をアレンジしてくれたのは、発酵料理のスペシャリスト、真藤舞衣子さんなのですが、おうちでつくる発酵食なら彼女のレシピはヘルシーで簡単かつおいしいので、こちらも激推しです。
新刊「つくりおき発酵野菜のアレンジごはん: からだ整う腸活レシピ」(主婦と生活社)でおつまみをつくってawabuki合わせたら、翌朝からツルスベ間違いなしですよ。
INFORMATION
徳山鮓
〒529-0523滋賀県長浜市余呉町川並1408
TEL:0749-86-4045
冨田酒造
〒529-0425 滋賀県長浜市木之本町木之本1107
TEL:0749-82-2013 営業時間:9:00-18:00 定休日:不定
書き手
下河辺さやこ
(シモコウベサヤコ):小学館ユニバーサルメディア局コンテンツ事業推進センター 編集長。「小学館 ビューティ・プロジェクト」統括プロデューサー。小学館入社後、『Oggi』、『Domani』、『AneCan』、『Precious』の副編集長を経て、一橋大学大学院でMABを取得後、事業開発を行う現セクションへ。日本テレビ系『それって実際!? どうなの課』ほかテレビ、イベント出演多数。著書に「男尊社会を生きていく昇進不安な女子たちへ」(主婦の友社)。インスタグラムアカウント:
https://www.instagram.com/sayako_shimokobe/