“男役”というフィルターを取り払ったミュージシャン「望海風斗」の真髄に迫る
今年4月に宝塚歌劇団を退団し、第二のステージへ向かわれた望海風斗(のぞみ・ふうと)さん。5月には『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』のスペシャルVer.に出演され活動を開始。そして待ちに待ったソロコンサート『SPERO』(スペロ)で全国4か所を行脚中。取材陣は、KAAT神奈川芸術劇場での公演にうかがいました。
コンサートは【シネマ】【ジャズ】【ミュージカル】【J-POP】の4つのテーマで構成されていて、それぞれにまつわる曲を望海さんが熱唱。…とその前にオープニング曲の披露。なんだか“これからの望海風斗からますます目が離せない”と覚悟みたいな気持ちが生まれました(←1曲目から早い…笑)。
そして、曲とともに映画の名シーンが目に浮かぶような【シネマサロン】のステージ。名画の中の名曲がストーリー仕立てに展開されました。オープニング曲からの『この国に生きて』(『アル・カポネ』より)にハッとしました。その流れがたまらなかったです。高めの声で歌う曲を披露しつつ、『愛した日々に偽りはない』(『オーシャンズ11』より)は現役時代を彷彿とさせるようなどっしりとした歌い方。本当に、声を、音を、自在に操る人です…(感動)。ルックスは、デザインの効いたグリーンが基調のパンツスーツ+片サイドがフィンガーウエーブになったショートヘア。レトロで粋なスタイルが舞台の世界観とマッチしていて、魅力が底上げされていました。男役と違って体の補正していないからほっそりした体のラインが感じられ、そんなところで感慨深くなってしまったり…。
次に魅せてくれたのが【ジャズサロン】。後ろのバンドの演奏がまた、素晴らしいんですよ。まず。『Lover come back to me』衣装はネイビーに白のピンストライプの、ファスナーが効果的に使われているパンツスーツ。バックが分かれていて、その間からボルドーのプリーツがのぞいたデザイン。ヘアはストレートに戻し、エレガントとマニッシュが融合したような雰囲気でした。