今回の取材者データ:麻美さん(仮名)、44歳。元・自他共に認めるヤ●マン。29歳で同僚の夫と結婚するも、不倫しまくって34歳のときに離婚。その後、「名前も人数も覚えきれないくらいの」男性と関係を持ち、39歳のときに仕事で出会った13歳年下の恋人といわゆる〝デキちゃった婚〟し、今に至る。独立したてのカメラマンで子煩悩な旦那様が家事と育児をこなし、麻美さんが一家の大黒柱という夫婦スタイル。現在の悩みは「年下夫のプライドをことごとく砕いてしまい、もはやいったい、どうやって男を立てればいいかわからない」こと。
同期男性ほぼ全員制覇、最後の相手と最初の結婚
え~、今回取材させていただいた麻美さんは、かなりぶっとんだ女性でございます。まず、自分のことを自ら「ヤ●マン」呼ばわり。フリーランスの編集職でそこらの男性よりも稼ぎ、再婚相手の若い旦那様と4歳の娘を養っている、一家の大黒柱。
ご本人は「夫が稼いでくれないと困る!」とおっしゃいますが、同じバツイチでフリーランスのエディターである私から見ると、
アラフォー過ぎて13歳も年下の夫と出会って再婚し、 可愛い娘を高齢出産し、 家事と育児は旦那様がすべてやってくれて、 自分の好きな仕事に集中できる
という、理想的な環境を手に入れているように思えます。
ではそんな、「昔の私はホント腐ってた」という元ヤ●マンの麻美さんが、いかにして一児の母となって落ち着いたか、というお話を伺ってみましょう。
さかい(以下、さ)「最初の結婚相手はどんな方だったんですか?」
麻美(以下、あ)「大学卒業後、出版社に入社したんですけど、同期4人のうち、3人と付き合ったんです。その3人目の彼が夫でした」
――いきなりのヤ●マンぶりを発揮する麻美さん。これって、まさに今話題の〝サークルクラッシャー(グループ内で複数の男性にちょっかいを出しまくり人間関係をめちゃくちゃにする女性のこと)〟じゃないですか…!
社内「3人目の男」だった麻美さんの夫Fさんですが、自分が3番目であることは知った上で彼女を受け入れる懐の深い男性だったそう。――だそうですが、麻美さんの傍若無人なわがままぶりに「ついていけない」と、交際5年目の頃に一度「捨てられかけて(麻美さん談)」、そこで麻美さんは改めて彼が結婚には申し分ない〝好物件〟だということに気づきます。
●某有名私立大学卒
●浮気しない、お酒も飲まない
●地味で真面目
そんなFさんに、麻美さんは「こいつと結婚しておけば食いっぱぐれることはなさそう!」と思って「結婚しよう」と逆プロポーズしたところ、めでたく復縁できて結婚することに。しかも彼は品川にマンションまで買ってくれたそうです。
あ「今思えば、完全に打算で結婚しましたね。親からの刷り込みで、〝結婚するならこういう人〟というテンプレみたいなものがあって、それに縛られて条件だけを見て居た感じです。私も若かったんですよねぇ」
Fさんとは職場結婚となるわけですが、披露宴にはその前日に浮気した会社の同僚も参列するわ、結婚後も年上の既婚者に貢がせたり年下の新人とも職場不倫しまくるわ、麻美さんの暴れん坊ぶりは一向に収まることがありませんでした。
欲望のままに生きる悪女の方が、魅力的でモテる!
あ「向こうが自分のところに戻って来たら、それで飽きちゃった(笑)」
あっけらかんと言い放つ麻美さん。
旦那さんからしたらたまったものではありませんが、彼女のこういう天真爛漫とも言える自由気ままな性格がたぶん、真面目でなかなか自分の殻を破れずにお利口に生きている人々からしたら、すごく魅力的に映るんだろうな~と感じます。
実は私は彼女のことをだいぶ前から知っているのですが、彼女を知ってからひとつ学んだことがあるのです。それは、「つまらない〝いいひと〟よりも、面白い悪女の方が人から愛される」ということ。
それまでの私はどこかで、「お利口さんにしていないと人から愛されない」、と思っていたのですね。それで、本当はわがままで気が強くてめちゃくちゃマイペースな自分を、その当時結婚していた夫以外にはあまり見せないようにして生きていました。それが彼女を見ていたら、思ったことはなんでも口にするわ(仕事中に『帰りたーい!』発言とか(笑))、人妻なのにいつも恋しているし欲望に忠実(ピンクが好きで全身ピンクを着ている日とかもありました)で、だけどみんなが口に出さないような本音を言ってくれるから、見ていて気持ちいいし、面白いから男女ともに好かれるすごい人気者。
「人間って性格がいいひととかよりも、面白いひとに惹かれるんだな~」というのは、目からウロコの気づきでありました。そんなわけで、彼女が浮気しまくりでも男性に愛されてしまうのはわかる気がいたします。
「結婚中、本気の浮気は2回ありました」
さて、そんな麻美さんですが、最初の結婚中、本気の「浮気」が2回あったそう。
1度目は、前述の職場の年下新人君。背が高くて5歳年下。
さ「離婚してその方と一緒になろうとは思わなかったんですか?」
あ「彼はもし私が離婚したとしても、結婚してくれなそうな気がしたんですよ。だから離婚はしませんでした。あとね、結婚してるのに向うから寄ってくるヤツにロクなのは居ないなって思います」
結局その年下君は「付き合うなら結婚してない女性がいい」と麻美さんの元を去り、その後本気になったのが、仕事で出会ったこれまた背の高い1つ歳上の男性。ちなみに、次から次に浮気相手に不自由しない麻美さん、「どんだけモテるんだよ!」と思ってしまいますが、ご本人曰く「隙だらけだっただけ」とのこと。
このお相手とはジャスティン・ビーバーとセレーナ・ゴメスばりにオン&オフ(付き合ったり別れたり)を繰り返したのちに、麻美さんは夫Fさんへの気持ちが全くなくなってしまい、別居を切り出します。Fさんは男グセの悪い麻美さんが浮気していることに薄々気づきながらも、優しく「いいよ」と承知してくれたのでした。
長くなったのでここから麻美さんが離婚して「人生最悪のワンナイトラブ全盛期」に突入していくお話は、次回に続きます。
※プライバシー保護のため、インタビューの内容は一部変更しています。
イラスト/naotte
取材・文
さかいもゆる/出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。