移り変わる景色に惚れ惚れする魅惑の温泉旅館
大分県・別府温泉に昨年オープンした【界 別府】。「ドラマティック温泉街」がコンセプトで、窓から見える景色や館内の情景が時の移ろいによりドラマティックに変化するさまを楽しめるのが大きな魅力です。
▲外観 (エントランス)
そんな界 別府の注目ポイントをたっぷりお届けします!
にぎやかな温泉街を満喫
界 別府が位置しているのは、明治時代に旧別府港が開港して以降、日本全国から多くの湯治客が訪れた北浜地区。別府湾の玄関口、旧別府港を中心に温泉街が発展し、夜遅くまで人々でにぎわう様子は「不夜城 (ふやじょう) 」と例えられてきました。隈研吾氏が設計・デザインを担当した界 別府は、和紙のちょうちんが照らす石畳の路地や、温泉街にある土産店や夜店 (よみせ) をイメージした空間などが広がり、にぎやかな別府の温泉街を彷彿させるつくりに。
▲湯の広場 (イメージ)
そして人々が集う広場をイメージした「湯の広場」では、昼から夜、翌朝にかけて、それぞれの時間帯に合わせた楽しみ方ができます。温泉の配管をモチーフにした「ラボ」での手作り体験や、景色を堪能しながらリラックスできる足湯など、館内にいながら温泉街に逗留する気分に!
▲〈昼〉源泉とアロマオイルを使った「温泉ミスト作り」体験 (ラボ)
▲〈夜〉観光名所「血の池地獄」や「海地獄」などをイメージした「温泉モクテル」(ラボ)
▲〈夜〉昭和レトロな体験ができる「スマートボール」(ラボ)
▲〈朝〉日の出を眺めながら朝の爽やかな気分を味わえる足湯 (湯の広場)
▲〈朝〉ご当地の文化「豊後 (ぶんご) 絞り」に触れる「別府温泉しぼり体験」(湯の広場) ※有料
さらに界ブランドのおもてなしの1つである、ご当地の文化を体験する「ご当地楽」として楽しめるのが「湯治ジャグバンド」。かつて別府港が開港し湯治客でにぎわう別府の夜は、流しのギター弾きが闊歩し、オールディーズバンドが演奏する空間などにぎやかな音楽に彩られていました。この歴史にちなみ、法被をまとったスタッフが豊富な温泉と桶から生み出された音色を奏でます。
▲ご当地楽「湯治ジャグバンド」
全客室から別府湾を望む「柿渋の間」
地域の伝統工芸や文化に触れる客室「ご当地部屋」が特徴の堺ブランド。界 別府の「柿渋の間」は、海が絵画のように目の前に広がるピクチャーウィンドウが魅力。すべての客室から別府湾の美しい景色を望むことができます。
▲ご当地部屋「柿渋の間」特別室
海の色を引き立てるため、室内の壁には別府の名所「血の池地獄」の赤から着想を得た古代色の「柿渋色」が採用されています。これは、日本一の源泉数と湧出量を誇る別府温泉の熱気や、温泉が湧きだす溶岩台地を表現したもの。
▲ご当地部屋「柿渋の間」特別室
また、室内のヘッドボードやフットスローなどのインテリアには「豊後絞り」が用いられています。このご当地部屋の作品制作に携わっているのが、名古屋の絞り産地有松・鳴海にて「工房・遊 (ゆう) 草庵 (そうあん) 」を主宰している絞り染め作家の安藤宏子氏。絞り染めの技術指導と普及に努めています。
「豊後絞り」とは?
現在の大分県である豊後国で始められた絞り染め。現在日本の絞り染めは、京都の絹絞りと名古屋にある有松・鳴海の木綿絞りに二分されますが、有松・鳴海に絞りをもたらしたのが木綿絞り発祥の地である豊後といわれます。江戸時代に盛んに生産されたことが記録に残っていますが、明治以降生産が少なくなり、近年その復興に力が入れられています。
大浴場で肌にもうれしい温泉に癒されて
別府といえば、やはり温泉が最大の楽しみという人も多いはず。界 別府の大浴場では、四季折々の花や実、紅葉が魅力的な庭園を眺めながら浸かる露天風呂と、内風呂を備えています。内風呂には、源泉かけ流しの「あつ湯」と、温泉成分を身体に浸透させるための「ぬる湯」の2つの湯船を用意。
▲浴場 露天風呂
湯は炭酸水素塩泉で重曹成分を含む泉質のため、角質を軟化させ、肌を滑らかに整えます。また塩分を多く含むため、身体の温かさが持続。2,000以上の源泉をもつ別府温泉の中でも界 別府の湯は肌にやさしく、さまざまな泉質の湯めぐりをした後の仕上げの湯として入浴するのにもおすすめです。
▲大浴場
大分の豊かな素材を味わう会席料理
お待ちかねの夕食は、大分県の名産品「かぼす」を使った麺をアレンジした先付や、旬の魚介を使ったお造りなど、ご当地の素材をいかした会席料理を半個室の食事処で堪能できます。
▲特別会席
食材だけでなく、その盛り付けや食器にも注目。先付をはじめ、酢の物・八寸・お造りを一緒に盛り合わせた華やかな宝楽盛りでは、大分県の伝統工芸品である小鹿田 (おんた) 焼きの器や竹細工とともに楽しめます。
▲特別会席 豊後なべ
そして特別会席では、メインの台の物に「豊後なべ」を提供。近海で獲れた魚介と鶏肉・牛肉を組み合わせ、鶏肉の出汁でじっくりと煮込んだ一品です。濃厚なスープに「かぼす」を入れることで、濃厚な味わいの中にも爽やかな風味が広がります。
界ブランドは、季節ごとに期間限定の体験が用意されているのも見どころの1つ。現在界 別府では「ドラマティック温泉街の夏祭り」と題して、9月30日 (金) まで館内に「地獄ラーメン」の屋台や竹細工の竹鈴作り体験、ゲームなどが並ぶコーナーが登場しています。訪れるたびに新たな楽しみが見つかる温泉旅館に、ぜひ注目してみてくださいね。