大学病院での検査。万が一を考える母に対して息子の反応は？【中学生ママ（40歳、子連れ再婚）のぶっちゃけ365日vol.23】

長時間待ち続けても結果は…。一方、頭を悩ませていた相続問題にはピリオドが！

こんにちは。シングルマザー歴8年目にして子連れ再婚をしたあおいあんです。

前回は夏休みに息子・蓮の意向で身体の気になっていたところを見てもらうため病院巡りをし、耳鼻科で「聴覚情報処理障害」の疑いがあり大学病院を紹介されたところまでお伝えしました。

大学病院へ行くまでの間、隙あらば聴覚情報処理障害を検索し症状や原因など読み漁った。当てはまることもあれば、当てはまらないこともあり可能性は五分五分といった感じだった。それでも日々イヤフォンを使いすぎだからでしょと思いたい私がいた。

大学病院へ行く朝、午後から部活のある蓮は制服に着替え出発した。

私

大学病院は待ち時間が長いから宿題持っていってね

蓮

持ったよ。やらなきゃ間に合わない

病院へ予約時間の30分前に着いたが案の定すでに患者は大勢いて1時間半以上待った。耳鼻科へ行くとそこにも患者は溢れていた。正直、大学病院のこの待ち時間が大嫌いな私は覚悟してきたつもりだったが予想以上の待ち時間に苛立ちを通り過ぎ魂を抜かれそうになっていた。担当医に通されるといくつかの問診の後、耳を覗いたがすぐ検査へ回された。こんな長い時間待たされても診察は5分あるかないか。一方、聴覚検査は長い時間かけて丁寧に調べてくれた。

私

聴覚検査どうだった？聴こえた？

蓮

聴こえたよ。でもさっきママがなんか言いながら俺の腕つついた時は言葉が分からなかった

音は聞こえているのに言葉が分からない。そんな経験がない私は蓮の言ってること全てを理解することが難しかった。再度診察室へ呼ばれると担当医は「音は聞こえていますね。ただ言葉が聞き取れないとなると、脳の検査も含め耳の精密検査も必要です。再度予約を取って検査をし、また別日に検査結果をお知らせします」とのこと。つまり精密検査で1日、検査結果を聞きに来るので1日。トータルで2日か。また心配な日々が続くのかと思うと気が重かった。部活へ行く前にお昼を食べさせるためカフェへ。

私

ね、大学病院大変でしょ？　あと2日も来なきゃならないんだよ

蓮

でも心配なことをちゃんと調べてもらえるんだよ。これでなんでもなかったら安心じゃん

またも満足げな様子で話す蓮。

私

それじゃあ、しばらくイヤフォン使うのやめた方がいいよ

蓮は「はいはい」と言いペロっとサンドイッチとドリンクをお腹に入れた。駅まで行くと何事もなかったような顔で手を振る蓮。自分も中学生の頃、股関節が痛くていくつか大学病院で見てもらったことがる。原因は見つからず成長過程での痛みとふんわりとした診断で終わったのを思い出した。あの時、ママも今の私と同じ気持ちだったのかな？どうだったの？今となってはママに聞けない。駅なのに目に涙が滲んだ。

とはいえ私には弱っている時間はない。帰宅して伯母へ連絡をした。

私

伯母さんだけが名義人になれる方法を考えたので会いませんか？

いつもはすぐ返事が来る伯母だったが、その日は夜になってから連絡が来た。会う日を決めお互い実印を持ってくる約束をした。

当日、叔母はいつも通り先に来ていた。

私

叔母さんだけが名義人になれる方法をいろんな専門家に聞いてまとめました。この遺産分割協議書でなければサインしないから

叔母に遺産分割協議書を渡す。叔母は黙って目を通し深呼吸した。

叔母

本当に頑固ね。それにそんなに私が信じられないのね

もう何を言われても動じないし、悲しまないと決めていた。

叔母

遺産は半分。名義人を私だけにする代わりに、売買する不動産屋はあなたの知り合いでやるってことね

私

そう。それでなら名義人をひとりにしてもいい。それ以外であれば判子は押さないし、相続税延滞してでも叔母さんが納得するのを待つから

叔母さんは大きなため息をついた。

叔母

私も大きな不動産屋に話をしてあります。あなたの言う不動産屋は街の不動産屋でしょ!? 大きな売買をできる人なのか、会ってから決めるわ。この協議書は預かっておきます

伯母の目の前で不動産屋に連絡し、顔合わせする日を決めた。私がいない方が伯母さんも意固地にならずにすむだろうからと、小島さんが伯母の家まで行ってくれることに。協議書へサインをもらうことはできなかったが、伯母が一歩前に歩み出してくれたことに安堵した。

(c)AdobeStock

後日、小島さんからLINEで「僕の方で家の売買と大阪の方のマンション購入と任せていただけることになりました。協議書の方にもサインするそうです」と送られて来た。あまりにもあっさりOKとなり、何があったのか聞きたく電話をしてみると

私

あんなにごねていたのに、手のひらを返したように協議書にサインするって信じられない…。小島さん何か言ってくれたんですか？

小島

あんさん、伯母様に長期戦になっても構わないって言いましたよね？それがネックのようでした。今、不動産バブルなので揉めてこのチャンスを逃さない方がいいと伝えたんです。値崩れする時は一気にくるので早い方がいいですよと。伯母様も余生を過ごすのに1円でも多く現金を手元に置いておきたいようで、相続税の延滞料は避けたいようでした

私

うまく言いくるめて頂き本当にありがとうございます。協議書できたらまたご連絡させてください

小島

全然大丈夫ですよ。伯母様に鰻までご馳走いただいて逆にすみません

近所のちょっとお高い鰻屋だ。

私

いえいえ。売却が無事終了したら私もお礼させてくださいね

小島さんとの電話を終え、私は伯母が小島さんを気に入ったことを確信した。若くて可愛い男子が家に来てお話してくれるなんてシチュエーション、今の伯母には絶対になくいい気分になったのだろう。一瞬「キモっ」と身震いしたが、小島くんがうまくやってくれるなら申し訳ないが全て任せてしまった方がいいかもしれない。伯母には持ち帰った協議書にサインと判子を押して私に郵送してもらうようにLINEした。これで一件落着と思ったら伯母からまさかの返事が…。

Season1▶︎『シングルマザーの恋愛』はコチラから

Season2▶︎『39歳、子連れ再婚の365日』はコチラから

画像：(c)Adobe Stock

あおいあん

８年間シングルマザーで、40歳を迎える前に「もう一度、女としての人生を！」と一念発起し、5歳年下の男性と再婚（事実婚）。中学生になった息子と、伴侶を亡くした父親と実家暮らし中。
▶︎インスタグラム：@shinmama_aoian