パン粉がないなら作ってみよう
パン粉がないときは、他の食材での代用を考える前に、食パンを探すのがおすすめです。家に食パンさえあれば、生パン粉も乾燥パン粉も簡単に作れます。手作りパン粉も市販のパン粉も使用感は変わらないので、料理の味や食感の変化を気にする必要はありません。パン粉を作る方法を解説します。

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生パン粉の作り方
ボリューム感のある揚げ衣を実現したい場合は、生パン粉を使うのがおすすめです。とんかつやエビフライの衣に生パン粉を使えば、見た目に華やかな揚げ物が完成します。サクサクとした食感を出したい場合にも、生パン粉を選ぶべきといえるでしょう。
手軽に生パン粉を作りたい場合には、食パンをミキサーにかけるのがおすすめです。ミキサーにかける時間に応じてパン粉の粗さが変わるので、様子を見ながら理想の粗さになるよう調整しましょう。
ミキサーがない場合には、食パンを冷凍しておろし金ですりおろします。「食パンを一度冷凍する」というひと手間がかかるものの、身近にあるものだけで生パン粉が作れます。
乾燥パン粉の作り方
揚げ物をカリッと香ばしい食感に仕上げたいのであれば、乾燥パン粉を使うのがおすすめです。また、乾燥パン粉はハンバーグやピーマンの肉詰めのつなぎとして使うと、水分を効率良く吸収してくれるため、ジューシーな食感を演出してくれます。
手軽に乾燥パン粉を作りたいときは、作った生パン粉を電子レンジにかけてみましょう。耐熱皿にキッチンペーパーを敷いて生パン粉を平らに広げ、電子レンジ(500W)で1~2分加熱します。加熱時間は乾燥具合を見ながら調整しましょう。
一度にたくさんの乾燥パン粉を作りたいときには、作った生パン粉をフライパンで乾いりするのがおすすめです。フライパンに生パン粉を広げて弱火で炒め、乾燥してきたらバットに移し、粗熱を取ります。
多用途で使えるパン粉の代用品
揚げ衣にもつなぎにも使える、汎用性が高いパン粉の代用品を三つ紹介します。複数の用途に使えるパン粉の代用品を知っていれば、パン粉がないときに焦る必要もなくなります。

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おから
小麦アレルギーがある人におすすめのパン粉の代用品が「おから」です。おからとは、豆腐や豆乳を作るときに出る副産物です。大豆から豆乳を絞った後に出る残りかすのことを指します。
おからをパン粉の代用としてつなぎに使う場合は、おからをそのまま肉だねに投入します。おからの水分が多い場合には、キッチンペーパーで包んで適度に水分を切るとよいでしょう。
おからを揚げ物の衣として使う場合には、フライパンで乾いりします。生パン粉から乾燥パン粉を作るときと同じ要領で乾いりしていきましょう。乾いりが面倒な場合には、初めから乾燥している「おからパウダー」を選択するのがおすすめです。
お麩
「お麩」とは、小麦から抽出したたんぱく質「グルテン」に小麦粉やもち粉を合わせて成形した食品を指します。成形して焼き上げたものを「焼き麩」、蒸したりゆでたりしたものを「生麩」と呼びます。パン粉の代用になるのは焼き麩の方です。
お麩をパン粉の代用とする場合には、お麩を粉末状に加工する必要があります。ミキサーで粉砕するほか、保存袋に入れて麺棒やすりこ木でたたいたり、おろし金でおろしたりするとよいでしょう。
お麩は、揚げ物の衣として使うとサクッとした食感になるのが特徴です。パン粉よりも水分を吸収する力が強いので、つなぎとして使うと、料理をよりジューシーに仕上げてくれます。
高野豆腐
「高野豆腐」とは、豆腐を凍らせてから熟成、解凍、脱水、乾燥させる食品です。煮物に入れて食すのが定番の食べ方です。
高野豆腐をパン粉の代用として使うメリットは、糖質をカットできる点にあります。パン粉は小麦で作られている一方、高野豆腐の原料は大豆なので、効率的に糖質を削減可能です。
高野豆腐をパン粉の代用として使うときは、高野豆腐を粉末状に加工する必要があります。ミキサーで粉砕したりおろし金でおろしたりすると、簡単に加工できます。
粉末状に加工した高野豆腐は、パン粉の代用として揚げ衣にもつなぎにも使える便利な食材です。肉だねのつなぎとして使うと、ふんわりジューシーに仕上がるのが特徴です。
つなぎとして使えるパン粉の代用品
ハンバーグや鶏つくねを作るとき、パン粉はひき肉同士をくっつける「つなぎ」として活躍します。つなぎを使わないと、肉だねのまとまりが悪くなり、焼いている途中で崩れやすくなるため、注意が必要です。つなぎの役割を果たすパン粉の代用品を紹介します。

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