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LIFESTYLE 雑学

2025.03.16

「省みる」とは自分を振り返り反省すること!「顧みる」との違いや類語などご紹介

「自問」

自分の心に問いかけることは、「自問(じもん)」と言い表します。「省みる」は反省のためにおこなうことが多いですが、「自問」は悪かったことだけを振り返るわけではありません。

主に自分が何を求めているのか、本当はどうしたいのか、心の中を見つめ直す作業を表します。

「自問」には、「自問自答(じもんじとう)」という四字熟語もあります。これは、自らの心に問いかけ、自分の力で答えを導き出すことです。本来の自分を見出すため、思い悩む様子を意味しています。

  • これまでにない困難に直面し、自分がなぜこの仕事を選んだのか、自問を繰り返した。
  • 転職で後悔しないため、これから望むキャリアについて自問自答を繰り返している。

 

じ‐もん【自問】
[名](スル)自分で自分の心に問いかけること。「間違っていないかと自問する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「内観」

「内観(ないかん)」は、仏教に関する語句のひとつです。また、心理学では自分の状態を観察することを表します。

前述した「内省」という意味も含む言葉です。「内観」の場合は「自己観察」というニュアンスが強くなります。

  • 自分の行動パターンや思考傾向を理解するため、定期的に内観する機会を設けている。

 

ない‐かん〔‐クワン〕【内観】
[名](スル)
1 仏語。内省して自己の仏性・仏身などを観じること。観心かんじん。
2 《introspection》心理学で、自分の意識やその状態をみずから観察すること。内省。自己観察。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「省察」

「省察(せいさつ)」は、自分を省みることです。そのうえで、「良し悪しを考える」という意味があります。

似た表現に「考察(こうさつ)」がありますが、こちらは「物事を明らかにするために考える」という意味の言葉です。考える点は「省察」と同じですが、自分の行動を省みることが目的ではありません。

これまでの自分のおこないや発言を今一度振り返り、それが良かったのか、悪かったのか判断する様子は「省察」と言い表しましょう。

  • 新入社員の教育担当になり、今一度自分の言動を省察した。

 

せい‐さつ【省察】
[名](スル)自分自身をかえりみて、そのよしあしを考えること。「自らの言動を省察する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「省みる」に関する四字熟語

四字熟語は、4つの漢字で成り立つ言葉です。ここからは、「省みる」に関する四字熟語についてみていきましょう。

本を読む女性

(c)AdobeStock

正しい意味を理解し、状況や考えを端的に伝えたいときに活用してみてください。

「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」

「脚下照顧」は、自分を見つめ直すことの重要性を説いた言葉です。本来は禅宗の言葉で、他者に向かって理屈を言う前に、自分のおこないや言動を反省すべきという教訓が込められています。

「脚下」とは、足元のことであり、自分自身を表します。「照顧」は、反省することです。

「足元に気をつけなさい」という意味もある「脚下照顧」は、「履物を揃えましょう」という意味で使われることもあります。学校や公共施設では、標語的に掲示されることもあるでしょう。

日常生活では、本来の自分を知り、よく考え反省するという意味で活用してください。

  • 経験を重ね仕事の知識が増えたとしても、脚下照顧の心を忘れずにいたい。

 

きゃっか‐しょうこ〔キヤクカセウコ〕【脚下照顧】
禅家で、足もとに気をつけよの意。自己反省、または日常生活の直視を促す語。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「発人深省(はつじんしんせい)」

「発人深省」は、自分のおこないではなく他者への働きかけを表します。他者をやる気にし、深く考えさせる行為を意味する四字熟語です。

「発人」の「発」には、「啓発」という意味があります。そもそも「啓発」とは、他者が気付かない点を指摘し、より高みへと導くことです。

そのため、相手を導き反省を促す「発人深省」は、自分に知識や経験があってこそ実現する行為といえます。

  • 部下を発人深省させるため、研修プログラムを作成した。
  • 上司のアドバイスをきっかけに発人深省し、仕事のやりがいを見出した。

 

しん‐せい【深省】
[名](スル)深く省みること。深く省みて悟ること。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「人事不省(じんじふせい)」

「人事不省」の「人事」には、「人ができること」という意味があります。「不省」は、物事を省みないことです。

2つを組み合わせた「人事不省」は、意識がないことや、昏睡状態にあることを表します。事故や病気などで、物事を省みることができない状態を指す四字熟語です。

会話の中では、「人事不省に陥る」や「人事不省の重体」のように使用します。

  • 有名俳優が人事不省に陥ったというニュースがSNS上を駆け巡った。
  • 夕方のニュースで報じられた事故の被害者は、人事不省の重体だという。

 

じんじ‐ふせい【人事不省】
昏睡こんすい状態に陥り、意識を失うこと。「人事不省に陥る」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「省みる」とその他の語句の違いを正しく理解しよう

PCを持った女性が考え閃く様子

(c)AdobeStock

「省みる」とは、自分の行動を振り返り、反省することです。同じ読みの「顧みる」とは、反省する点が異なります。

また「省みる」には、さまざまな類語や言い換え表現があります。「内省」や「自省」は、省みると非常に近いニュアンスを持つ言葉です。自分を省みたうえで良し悪しを決めるときは、「省察」という言葉が適しています。

状況を端的に伝えたいときは、四字熟語の活用がおすすめです。「省みる」とその他の語句の違いを正しく理解し、日常生活に活かしていきましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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