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2025.01.25

内省とは自分の考えや行動を顧みること!具体的な方法やメリットをご紹介

内省とは、自分の考えや行動を深く顧みることです。反省や内観とは何が違うのかご紹介します。また、内省はビジネスにとって大切なこととされていますが、なぜ大切なのか、実施するメリットや具体的な方法についても解説します。

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内省とは自分の考えや行動を顧みること

悩む女性

(c) AdobeStock

内省(ないせい)とは、自分の考えや行動などを深く顧みることです。今までしてきた事柄を振り返ったり、考え方が正しくなかったときに反省したりすることを指します。

稀に「自己内省」といった表現を見るかもしれません。しかし「内省」は元々自分を振り返ることを意味する言葉のため、「自己内省」では「自分が自分の考えや行動を振り返る」ことになり、「自分」が二重になってしまいます。場面によってはくどい印象になるため注意が必要です。

ない‐せい【内省】
[名](スル)
1 自分の考えや行動などを深くかえりみること。反省。「過去を内省する」
2 「内観ないかん」に同じ。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

内省と反省の違い

謝罪の様子

(c) AdobeStock

反省とは、自分のしてきた言動を顧みて、その可否を改めて考えることです。また、自分の良くなかった点を認めて、改めようと考えることも意味します。

・常に反省を怠らない姿勢が大切だ。
・彼は口では「ごめんなさい」と謝るが、どうにも反省の色が見られない。

反省も内省も、どちらも今までの言動を顧みたり、良くない点を改めようとしたりすることです。しかし、内省はあくまでも自分自身の振り返りですが、反省は相手に促すこともある点が異なります。

たとえば、軽率な行動をした人に「反省しろ」と声がけすることはありますが、「内省しろ」と声がけすることはあまりないかもしれません。内省はあくまでも自分の意思で反省するときに使う傾向があるようです。

内省と自省の違い

自省とは、自分の言動を反省することです。内省と同じく、自分の行動や発言に対して自分自身で振り返ることを意味します。

・わたしにも悪いところがあったのだろう、と深く自省した。
・わたしが規定よりも早く帰ったせいで、大口の取引を逃したことが分かり、自省の念に駆られた。

どちらも自分自身で自分を反省する点は同じです。「自」で自分自身が反省する点を強調するか、「内」で心の内側で反省する点を強調するかによって使い分けられるかもしれません。

内省と内観の違い

内観とは、仏教由来の言葉で、内省して自己の仏性・仏身などを観じることを意味します。また、心理学では、自分の意識やその状態を自ら観察することを指すこともあります。

・なぜこんなにもイライラするのだろう。ひと呼吸ついてから、心の内側を内観してみた。
・折に触れて内観することで、自分を客観的に見られるようになる。

内省は日常会話でも使われる言葉ですが、内観は仏教や心理学といった特定の分野で使われる言葉のため、日常的には使いにくいと感じるかもしれません。

じ‐せい【自省】
[名](スル)自分の言動を反省すること。「深く自省する」「自省の念」

ない‐かん〔‐クワン〕【内観】
[名](スル)
1 仏語。内省して自己の仏性・仏身などを観じること。観心。
2 《introspection》心理学で、自分の意識やその状態をみずから観察すること。内省。自己観察。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

ビジネス面での成長には内省が欠かせない

上司に相談する様子

(c) AdobeStock

新人時代なら周囲から注意をしてもらえたことでも、年齢を重ねるにつれ、注意をしてもらえないようになります。また、上の立場になり、勤続年数や経験が増えることでも、周囲からのアドバイスを得にくくなるでしょう。

しかし、年齢や経験を重ねても、失敗がなくなるわけではなく、考えや行動が至らないときもあります。ビジネス面、そして人間面において成長し続けるためにも、周囲からのアドバイスに耳を傾けることに加え、常に内省を繰り返して自分自身をブラッシュアップすることが大切です。

ビジネス面での成長には内省が欠かせない
  1. 内省のメリット
  2. 内省の方法
  3. 内省を効果的に実施するポイント

内省のメリット

自分自身をより高める方法として、内省は優れた方法です。少しの時間があれば場所を問わず実施できるため、通勤時間や就寝前のひと時など、ちょっとしたスキマ時間を使って言動を振り返ってみましょう。

また、内省には多くのメリットがあります。メリットを意識しながら内省を実施することで、より深く自分自身の心の奥に働きかけられるかもしれません。

目標・目的を見失いにくくなる

自分自身の行動や発言が適切なものだったのかを判断するためには、その行為や言葉が目標・目的に適ったものだったのか吟味する必要があります。内省するときには、常に行為・言葉を本来の目標と目的に照らし合わせ、ふさわしいものか判断するようにしましょう。

たとえば、スタンダードランクの商品を使っている顧客に「お客さまならこちらのほうがおすすめですよ」と、ワンランク上の商品を勧めたとしましょう。顧客によっては勧めたランクの商品を買ってくれるかもしれませんが、断られたり、場合によっては商品の購入を止めてしまったりするかもしれません。

期待したような結果が得られなかったときは、その場で内省することが大切です。繰り返し内省することで、仕事本来の目標や目的を見失いにくくなり、逸脱した行為・言葉を回避しやすくなります。

より良い方法がなかったか検証できる

内省は、自分自身の行動や発言を振り返る行為です。「あの行動は適切だったのだろうか」「なぜあのようなことを言ったのだろう」と繰り返し考えることで、より良い行動、より良い言葉が見つかりやすくなります。

たとえば、クライアントから頭ごなしに怒鳴られ、「もうあなたの会社の商品は使いたくない」と言われたとします。あなたの感情も高ぶり、売り言葉に買い言葉で「そうですか。使っていただかなくても結構です」と、クライアントとのつながりを打ち消すような発言をしてしまったとしましょう。

嫌な経験を忘れようと、クライアントとの一件に触れずに過ごすのも一つの方法です。しかし、内省し、果たして自分の発言が適切だったのか検証してみるほうが、自分にとって有意義だといえるかもしれません。

「ご指摘ありがとうございます。詳しく教えてもらえますか」と、クライアントに話を促す声がけをしていれば、クライアントとの関係を打ち切らずに済んだ可能性もあります。話し合ううちに自社の改善点が見つかり、より良い商品へと改良するヒントを得られた可能性もあるでしょう。

業務効率化や生産性向上につながる

書類作成や業務連絡なども、「時間がかかりすぎる」「効率が悪い」と感じるときは、内省を通して、より良い方法がないのか模索できるかもしれません。

たとえば、類似する書類を作成するなら、テンプレートを自作するのも一つの方法です。また、クライアントに送付する資料なら、氏名・住所の項目とクライアントの名簿をリンクしておくことで、入力が簡単になるだけでなく誤字も減ります。

日常的な業務も、何度も振り返れば、より効率的な方法やミスが起こりにくい方法が見つかることがあります。内省を習慣化し、業務効率化や生産性向上につなげていきましょう。

内省の方法

より深く、より有意義な内省を実施するためにも、次の順に実施していきましょう。

1.自己分析をおこなう
2.対話により気付きを得る
3.必要な行動を洗い出す

順に説明します。

1.自己分析をおこなう

内省は自分自身に問いかける行為ですが、ビジネス面での内省は、単に問いかける行為ではありません。良かった点を次回以降も実行し、良くなかった点を改善することで、より良い状態を作り上げるための内省が必要です。

まずは、ビジネスにおける自分自身の行為・言葉を分析します。頭の中で思い浮かべるだけでは、漏れや重複が生じるため、紙に書き出して可視化しましょう。

たとえば、次のポイントについて、それぞれ自己分析を実施します。

・仕事で自信を持っていることは何か
・自分に何が不足しているか
・人との関係がこじれたときは何をすべきか
・仕事において何をモットーにしているか

2.対話により気付きを得る

内省は自分自身との対話です。しかし、自分とだけ対話し続けると客観性がなくなり、堂々巡りになってしまったり、特定の考え方に固執したりすることがあります。ときには、自分以外の人と対話型ワークショップをしてみるのもおすすめです。

対話型ワークショップは、次の順に進めていきます。

1.話し手と聞き手のペアになる。なお、5まで実施した後、話し手と聞き手が入れ替わって2〜5を実施する。
2.話し手は直近1週間に起こった出来事や印象的なことを3分程度で話す
3.聞き手は話し手の内省と気付きを促す質問をする
4.話し手は聞き手の質問に答える
5.話し手の答えの深度が十分ではないときは、聞き手は再度内省と気付きを促す質問をする

何度もワークショップを実施するときは、前回の振り返りも実施します。また、ペア以外の人々とも意見を出し合い、話し合いから得られた気付きや今後の課題をメモにまとめ、次回につなげましょう。

3.必要な行動を洗い出す

内省は、単に過去を反省することではありません。特にビジネスのように成果が求められる場面では、過去から何を得られたのか、次にどのような行動が必要なのかに重きを置く必要があります。

自分自身との対話やワークショップから得られた気付きを書き出し、自分に必要な行動や改善したい要素をまとめましょう。また、次回の内省時には、必要な行動や改善したい要素を実際に実行できたのかについても内省します。もし改善できていないときは、改善できなかった理由について考えてみましょう。

・忙しかった
・適切な計画を立てられなかった

改善できない理由が言い訳だと思えるときは、自分自身の行動をより厳しく見つめ直す必要があります。内省が有意義なものになるためにも、内省により決めた行動や目標は必ず達成するようにしたいものです。

内省を効果的に実施するポイント

内省をより効果的に実施するためにも、次のポイントを押さえておくことが大切です。

・固定観念がないか、俯瞰的に自己を見る
・内省ではなく、行動変容を目的とする

各ポイントを解説します。

固定観念がないか俯瞰的に自己を見る

「これはこうしなくてはいけない」という固定観念に縛られていると、自分の行動や発言を改善しようという気持ちが生まれません。

たとえば、部下に対して強い言葉で注意したところ、同僚から「今の言い方はあり得ないだろう」と指摘されたとします。本来なら内省すべきですが、「わたしも新人の頃はこのような言い方で注意されてきた」「部下が正しく行動するためにも、強い言い方をするのは当たり前だ」と思い込んでいるなら、反省にはつながりません。

常識と思い込んでいること、「良い」と信じていることも、時に応じて変化します。固定観念がないか俯瞰的に自己を見て、内省につなげるようにしましょう。

内省ではなく行動変容を目的とする

内省は、あくまでも自分をより良い状態にするための手段です。

内省を実施するときは、内省そのものではなく行動変容を目的とすることが大切です。内省を実施したときは、具体的な行動や目標を打ち出してから内省を終えるようにしましょう。

発展的な内省を実施しよう

誤っているように見える柴犬の子犬

(c) AdobeStock

内省とは、自分自身の言動を振り返ることです。しかし、単に振り返るだけでは有意義とはいえません。

発展的な内省を実施するためにも、過去の自分の行動・発言から「これから何をすべきか」「どのように行動すべきか」を導き出すようにしましょう。内省を繰り返すことで、より良い自分に出会えるかもしれません。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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