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WORK 挨拶・マナー

2025.06.17

「こちらこそ」は敬語? ビジネス現場で迷わない具体的な使い方と注意点を紹介【専門家監修】

「こちらこそ」の代わりに使えるフレーズ

より丁寧さを増したい場合や、場面によってはより改まった表現を選ぶことも効果的です。

・「恐縮ではございますが、こちらこそよろしくお願い申し上げます」
・「身に余るお言葉を頂戴し、感謝申し上げます」
・「このようなお心遣いをいただき、誠にありがとうございます」
・「過分なるお言葉に心より御礼申し上げます」
・「ご厚情に深く感謝申し上げます」

これらの表現は、相手の立場を尊重しながらも、自分の気持ちをより丁寧に伝える効果があります。特に改まった場面や重要なやり取りでは、上記のような表現を選ぶことで、相手への敬意がより明確に伝わります。

働く女性

目上の人や上司には、相手の行動や立場への敬意を明確に伝えることが大切です。

「こちらこそ」の言い換え表現や類語と応用パターン

表現の幅を広げるために、「こちらこそ」の言い換えや応用パターンを知っておくと、コミュニケーションの質が高まります。状況に応じた使い分けができるよう、いくつかのバリエーションを紹介します。

「こちらこそ」の代表的な言い換え例

「こちらこそ」の柔らかさを生かしつつ、フォーマルな場や強調したい場面では、次のような表現に言い換えるとより印象的です。

・「恐縮でございます」(より謙虚な印象)
・「とんでもないことでございます」(相手の気遣いを受け止める)
・「光栄に存じます」(機会や申し出に対する感謝)
・「心より感謝申し上げます」(強い感謝の気持ち)
・「お気遣いいただき、誠にありがとうございます」(相手の配慮への感謝)

これらの表現は、状況や相手との関係性、伝えたい気持ちの強さによって選び分けることで、より適切なコミュニケーションが可能になります。

フォーマルな場面で使える敬語バリエーション

特に格式高い場面や重要な関係性においては、より丁寧で洗練された表現が求められます。

・「ご厚情に深謝申し上げます」
・「もったいないお言葉を頂戴し、恐縮の念に堪えません」
・「ご高配に心より御礼申し上げます」
・「このような機会をいただき、身に余る光栄でございます」
・「今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます」

これらの表現は、特に重要な取引先や上層部との対応、公式な書面など、より格式を重んじる場面で効果的です。状況に応じて使い分けることで、プロフェッショナルとしての印象も高まります。

間違えやすいポイント・NG例と正しく伝えるコツ

「こちらこそ」を使う際の落とし穴や注意点を理解し、より効果的なコミュニケーションを目指しましょう。

注意点

(c) Adobe Stock

NGとなるケースと理由

「こちらこそ」の使用で注意すべきNG例には以下のようなものがあります。

1:短すぎる返答

×「こちらこそ」(単独で使用)
理由:あまりにも簡素すぎると、誠意が感じられません。

2:場面に合わない使用

×「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」に対して「こちらこそ、ありがとうございます」
理由:相手の謝罪に感謝を返すのは文脈にそぐわず、誤解を招きます。

3:繰り返しの使用

×同じやり取りの中で「こちらこそ」を何度も連続で使用する
理由:形式的な印象を与え、真摯さが伝わりにくくなります。

4:具体性のない表現

×「こちらこそ、よろしくお願いします」(具体的な内容や文脈が欠けている)
理由:何に対しての返答か不明確で、相手の言葉への反応として薄い印象になります。

正しく伝えるコツとワンポイント

効果的な「こちらこそ」の使い方には、次のようなコツがあります。

1:相手の言葉や行動を具体的に受け止める

○「お力添えいただき、こちらこそ大変感謝しております」
(相手の具体的な行為に言及)

2:感情や状況に合わせた言葉を添える

○「こちらこそ、急なお願いにもかかわらず対応いただき、心強く思っております」
(状況と自分の気持ちを付け加える)

3:今後の関係性に言及する

○「こちらこそ、今後ともお力添えいただけますと幸いです」
(継続した関係性への期待を示す)

4:簡潔さと丁寧さのバランスを取る

○「こちらこそ短い準備期間にもかかわらず、ご参加いただき誠にありがとうございました」
(要点を押さえつつ丁寧さを保つ)

これらのコツを意識することで、「こちらこそ」という表現がより効果的に相手に伝わり、良好な関係構築につながります。

最後に

  1. 「こちらこそ」は敬語表現と組み合わせて使うとビジネスでも好印象です。
  2. 単体使用は避け、感謝や敬意を伝える表現と合わせましょう。
  3. 目上の人や取引先には、より丁寧な言い換えや表現を選ぶと安心です。

「こちらこそ」という短い言葉には、相手への敬意、感謝、そして共感の気持ちを込めることができます。完璧な敬語を使おうと身構えるよりも、「相手の心遣いに、心から応えたい」という気持ちが何よりも大切です。

この記事が、あなたのコミュニケーションをより豊かに、そして心地いいものにする一助となれば幸いです。

TOP・アイキャッチ・吹き出し画像/(c) Adobe Stock

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執筆

武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

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