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WORK 雑学

2025.07.28

「暫く」の読み方・意味を易しく解説!「漸く」との違いもチェック

「暫く」という漢字を目にして、読み方がわからなかった経験を持つ人もいるでしょう。普段から本を読まない人にとっては、あまりなじみのない漢字かもしれません。本記事では「暫く」の読み方や意味から、混同しやすい言葉「漸く」との違い、子どもに教えるときのポイントまで、わかりやすく解説します。

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「暫く」の読み方と意味は?

ルーペで大きな本を見ている写真
(c)Adobe Stock

本やブログ・SNSなどで「暫く」という漢字を見かけて、どう読むのだろうと疑問に思ったことはありませんか。一般的には漢字で書くことが少ない言葉ですので、読めなくても不思議ではありません。はじめに、「暫く」は何と読むのか、どのような意味を持つのかを解説します。

読みは「しばらく」

「暫く」の読み方は「しばらく」です。これは、昔使われていた読み方「しまらく」の音が変化したものとされています。「暫」は常用漢字ですが、内閣告示された〝常用漢字表〟には音読みの「ザン」しか記載されていません。

常用漢字表にない読みは、基本的にビジネス文書や公用文などでは使われません。ただ、小説などには「暫く」という漢字表記が出てくることも多いので、本を楽しむためにも覚えておきましょう。

一定の時間について表す言葉

辞書では「暫く(しばらく)」について、以下のように解説されています。

しばら‐く
[副](スル)《「しまらく」の音変化》
1. すぐではないが、あまり時間がかからないさま。少しの間。しばし。「—お待ちください」「—して主人が現れた」
2. 時間的にある程度長く続くさま。当分。「好天は—続くだろう」「—は当地に滞在する」
3. 一時的であるさま。仮に。「その件は—おくとして」
「—衣裳にたきものすと知りながら」〈徒然・八〉
小学館『デジタル大辞泉』より引用

使い方の例としては、受付でお客さまに対し「しばらくお待ちください」、友人や知人・家族に予定を伝える際「来期からしばらく別の部署で働くことになった」などです。

小説では「暫くすると雨が降りはじめた。」のように、具体的に時間を指定する必要のない場面で使われます。

示す時間は場合によって変わる

「暫く(しばらく)」が表す時間は、辞書の意味1〜3のいずれにしても、明確に何時間・何日とは決まっていません。ただ、気象庁では「しばらく」を「2〜3日以上、1週間以内」と定義しています。天気予報で「しばらく雨が続きます」と言っていたら、少なくとも2〜3日は雨になると思っておくとよいでしょう。

それ以外だと、状況によって数分だったり数日だったり、「暫く(しばらく)」が表す時間は幅広いのが実情です。そのときの文脈で判断する必要があるでしょう。

ビジネス上でのやりとりでは、相手が推測不要な、負担のない伝え方が好まれます。時間や日数がわかっている場合は、「しばらく」ではなく具体的な時間や日数を告げたほうが親切です。

「漸く」との混同に注意

はてなマークを出しながら考える女性のイラスト
(c)Adobe Stock

「暫く(しばらく)」と「漸く(ようやく)」は漢字1文字+送り仮名「く」であること、「暫時(ざんじ)」「漸時(ぜんじ)」といった似た熟語があることから、混同する人もいます。

ただ「暫く」と「漸く」は、意味も用法もまったく異なる言葉です。漸く(ようやく)の意味は、辞書で次のように解説されています。

ようやく〔やうやく〕【▽漸く】
[副]
1. 長い間待ち望んでいた事態が遂に実現するさま。やっとのことで。「戦争が終わり—平和になった」
2. 苦労した結果、目標が達成できるさま。かろうじて。何とか。「迷ったすえに—たどりついた」
3. 物事がしだいに進行して、ある状態になるさま。だんだん。
「人々は—に列を乱して」〈漱石・趣味の遺伝〉
4. ゆっくりと。おもむろに。
「—歩みて帰る」〈今昔・七・四四〉
[補説]「ややく」に「う」が加わったという説、「やくやく」の音変化とする説などがある。
小学館『デジタル大辞泉』より引用

現代では主に、切望や苦労の果てに何かが実現する・達成されることを表すケースが多いでしょう。「物事が次第に進行する」「ゆっくりと」という意味では、あまり使われていないようです。

こちらも「漸」は常用漢字ではあるものの、常用漢字表には音読みの「ゼン」しか記載がありませんので、一般的には「ようやく」と平仮名で表記します。

子どもに「暫く」を教えるときのポイント

娘に勉強を教えている母親の写真
(c)Adobe Stock

子どもに「暫く」の読み方や意味を教えるとき、情報を補足・追加したほうが知識を育てるのに役立つ場合があります。何を補足・追加するとよいのか、読みや意味と併せて押さえておきましょう。

通常は平仮名で書くことを補足する

「暫く」という言葉の読み方や意味を聞かれたときは、一般的な表記の話についても教えましょう。そうすると、子どもが作文などで読みやすい文章を書けるようになるはずです。

たとえば「平仮名にした方が読みやすいため、普通は漢字で書かない」と教えるとわかりやすいでしょう。常用漢字の意味がわかる年齢であれば、「常用漢字表に載っていない読み方なので、漢字で書かないのが一般的」と教えるのも選択肢のひとつです。

また、〝文学作品などでは漢字で書かれているものの、一般的には平仮名で書く言葉〟があることを知ってもらうことで、漢字を使い分けるという概念が育ちます。

言い換え表現も併せて教える

せっかく子どもに「暫く」の読み方や意味を聞かれたのなら、ボキャブラリーを増やすチャンスです。言い換え表現や類語も教えることで、子どもが使える・読み解ける言葉のバリエーションが広がります。

「暫く」を言い換える場合、ふさわしい言葉は「一時(いっとき)」や「少しの間」などです。どちらも具体的な時間・期間を特定していない点で、「暫く」とほぼ同じ意味合いで使えます。

まとめ

  1. 「暫く」の読み方は「しばらく」で、明確な時間を示さない曖昧な表現

  2. 「漸く(ようやく)」とは意味も使い方も違うため、混同に注意

  3. 子どもに伝えるときは、一般的には平仮名で書くことや言い換え表現も一緒に教えると理解が深まる

漢字に親しむきっかけは、ふと開いた本の中に見つけた言葉やSNSの投稿、子どもからの何気ない問いかけより生まれることもあります。「暫く」のような言葉を通じて、日本語の奥深さを楽しむ時間を持ってみましょう。

メイン・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock

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Domani編集部

Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
https://domani.shogakukan.co.jp/

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