Summary
- 風呂場の排水溝の臭いは、髪の毛・皮脂・カビの蓄積が主な原因。
- 重曹+クエン酸のナチュラル掃除で臭いとぬめりを除去できる。
- 毎日のお湯かけ・週1ルーティン掃除で、臭わない浴室を維持。
せっかく掃除したはずの風呂場なのに、ふとしたときに鼻につく嫌な臭い…。それは排水溝まわりに溜まった汚れや湿気が原因かもしれません。この記事では、臭いの原因と対処法をリフォームやインテリアの提案を通して、豊かなライフスタイルを提供するアトリエボックスの堂本さんにお聞きしました。
自宅で手軽にできる掃除方法や臭いの再発を防ぐ習慣までを紹介します。安心して過ごせる浴室環境を整えるヒントを見つけてください。
臭いの原因を知っておくことが、解決の近道
排水溝の臭いには、いくつかの原因があります。まずはその仕組みを理解することで、的外れな掃除や対処を避けられます。ここでは、見落としがちなポイントまで丁寧に整理します。
髪の毛や皮脂などの汚れが蓄積している場合
排水溝のゴミ受けに絡まった髪の毛や石けんカス、皮脂汚れは、空気に触れることで少しずつ分解が進み、やがて強い臭いを放つようになります。特に気温や湿度が高い時期には腐敗が早まりやすく、数日放置しただけで不快な臭いが立ち上ってくることもあるでしょう。
掃除の際は見える範囲だけでなく、ゴミ受けの裏や排水口の縁まわりもこまめに確認しておくと安心です。週1回の目視点検と主にぬめりを取り、雑菌繁殖を防ぐ為に蓋を洗うことを習慣にすると、臭いの元を溜めにくくなります。

排水トラップに水が溜まっていない・劣化している
排水溝の奥には「排水トラップ」と呼ばれる構造があり、水を一定量ためておくことで下水の臭いを遮る仕組みになっています。しかし、長く使用しなかったり、水が蒸発したりすると、この防臭効果が失われてしまいます。
特に旅行や出張などで家を空けたあとに臭いを感じる場合は、水の蒸発が原因かもしれません。バケツ1杯程度の水を流してみて、臭いがやわらげば一時的な水切れと判断できます。それでも改善しない場合は、排水トラップのパッキンや部品の劣化も視野に入れ、交換を検討するのがいいでしょう。
湿気やカビによる臭いが広がっているケース
風呂場はどうしても湿気がこもりやすい場所です。特に排水口まわりは、見た目にきれいでも目に見えないカビやぬめりが潜んでいることがあります。カビは排水溝のふちやタイルの隙間に根を張りやすく、掃除が行き届かない場所で繁殖するため、臭いの発生源になりやすいのです。
防ぐには、浴室全体の換気が重要です。また、入浴後に全体的にシャワーで水をかけるのも湿気がこもるのを防げます。入浴後は換気扇を最低でも1時間以上回し、ドアを少し開けて空気の通り道をつくると湿気がこもりにくくなります。掃除と換気をセットにして考えると、臭いの再発も防ぎやすくなるでしょう。
髪の毛・皮脂・カビ・排水トラップの水切れが臭いの主原因。
自宅でできる臭い取りと掃除方法を実践しよう
時間がない中でも実践しやすく、家にあるものでできる方法が理想的です。ここでは、安全性や素材へのやさしさにも配慮した掃除法を紹介します。
重曹とクエン酸を使ったナチュラル掃除
排水溝の臭いに悩んだとき、手軽で安心な方法として「重曹+クエン酸」の組み合わせがよく使われます。重曹を排水口にふりかけ、その上からクエン酸を溶かしたぬるま湯を注ぐと、発泡反応が起こり、汚れを浮かせてくれます。この泡が排水管のぬめりや皮脂汚れに作用するため、自然と臭いがやわらぎます。
この方法は化学薬品を使わないため、小さなお子さんやペットのいる家庭でも取り入れやすいでしょう。目安としては、重曹を大さじ3〜4、クエン酸は水200mlに大さじ1を溶かして使用すると扱いやすいです。作業後は1時間ほど放置してからしっかりと水で流してください。

市販のパイプクリーナーの使い方と注意点
市販のパイプユニッシュやハイターなどは、強力な洗浄力で排水管内の汚れや詰まりを分解してくれます。頑固な臭いが続いているときや、ぬめりの蓄積が気になるときに効果を発揮しやすいでしょう。
使用時は、製品ごとの使用量や放置時間をしっかり守ることが大切です。長時間放置しすぎたり、他の洗剤と混ぜてしまったりすると、有毒ガスが発生するおそれがあるため注意が必要です。また、換気をしながら作業し、掃除後はしっかり水を流しておくと安心。
定期的な使用よりも、汚れが気になるときに限定して使うのがいいかもしれません。なぜなら、漂白剤を頻繁に流すと配管を痛める原因にもなるからです。また、熱湯を一気に流すと樹脂パイプが変形する可能性もあるので覚えておいてください。
分解して掃除できるパーツの確認と手入れ
臭いの原因は排水管の奥だけでなく、ゴミ受けやヘアキャッチャーといった手前の部品にも潜んでいることがあります。特にゴミ受けは、髪の毛やせっけんカスが絡まりやすく、そのまま放っておくとどんどん汚くなります。まだ簡単にとれるうちに、こまめに掃除をしておくことをおすすめします。
掃除の際には、取り外せる部品はすべて外し、古歯ブラシなどを使って細部までしっかり洗いましょう。月に1回程度の分解掃除を習慣にしておくと、臭いの再発を防ぐだけでなく、見た目の清潔感も保てます。パーツの構造が分からないときは、取扱説明書やメーカーのサイトを一度確認してみると安心です。
重曹・クエン酸・パイプ洗浄剤で安全に汚れを分解・除去。
臭いを防ぐためにできる日々の小さな習慣
一度解消しても、またすぐ臭ってしまう排水溝。再発を防ぐためには、日常的な工夫が効果的です。ここでは手間をかけずに続けられる予防策を紹介します。
入浴後にお湯をかけて流す簡単な習慣
毎日の入浴後、排水口のまわりにシャワーのお湯をさっとかけるだけで、皮脂や石けんカスの残りを洗い流せます。ほんの数秒で済む作業ですが、これを習慣にすることで汚れが溜まりにくくなり、ぬめりや臭いの原因を抑えやすくなりますよ。
温かいお湯を使うことで、皮脂などの油分が固まりにくくなり、排水管に留まりにくくなるという利点もあります。わざわざ掃除の時間をとらなくても、入浴のついでにできるのが続けやすい理由のひとつかもしれません。

週1回の「重曹+クエン酸」のルーティン掃除
こびりつく前の軽い汚れであれば、週に1回のナチュラル掃除でも十分に清潔が保てます。重曹を排水口にふりかけてから、クエン酸を溶かしたお湯を注ぐことで発泡し、内部の汚れをゆるやかに浮かせてくれます。
強い洗剤を使わずに済むうえ、においの発生源である微細な汚れやぬめりもやさしく取り除けるため、日常的なメンテナンスにはぴったりです。曜日を決めてスケジュールに組み込めば、「気づいたときにやる」よりも楽に続けられるかもしれません。
入浴後のお湯かけ+週1ナチュラル掃除で臭いを防止。
最後に
POINT
- 風呂場の臭いは、汚れ・湿気・構造トラブルが複合して発生。
- 「重曹+クエン酸」の泡掃除で手軽に臭いとぬめりを除去。
- 排水口パーツの分解掃除で奥の汚れまでリセットできる。
風呂場の排水溝からの臭いは、気づかないうちに日々の疲れや快適さに影響を及ぼします。原因を知り、自宅でできる掃除と予防を実践することで、清潔な浴室空間が長く保てるようになります。今日から始められる方法で、心地よい毎日を整えてみてはいかがでしょうか。
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監修
堂本章弥(どうもと ふみや)
株式会社Atelier Box代表取締役。
リフォームやインテリアの提案を通して、お客様に豊かなライフスタイルを提供している。増改築相談員、インテリアデザイナー、空間ディスプレイデザイナー1級の資格を保有。趣味は建築物巡り。国内問わず毎年数回は旅行をし、旅先の建築物や町の雰囲気を満喫している。
構成・執筆/京都メディアライン
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