Summary
- 排水溝に髪の毛が溜まってしまう主因は、生活習慣や湿気
- 髪と皮脂・石けんカスが絡み合い詰まりを悪化
- 手前はピンセットや割りばし、奥は専用ブラシで対応
排水溝にたまる大量の髪の毛…。気づけば水の流れが悪くなり、不快な臭いや詰まりの原因になることもあります。この記事では、髪の毛が排水溝にたまりやすい理由から、簡単にできる掃除法、予防につながるちょっとした工夫まで、リフォームやインテリアの提案を通して、豊かなライフスタイルを提供するアトリエボックスの堂本さんにお聞きしました。
わかりやすく紹介していきます。
髪の毛が排水溝にたまるのはなぜ?|見えにくい原因に目を向ける
「また詰まってる…」と思ったとき、その裏には見逃されがちな習慣や環境の影響があります。まずは髪の毛が大量に集まりやすくなる要因と、見えにくくなってしまうリスクを押さえておきましょう。
たまる原因は生活習慣と住まいの条件
髪の毛が排水溝に流れこむのは、日常の中でごく自然なことかもしれません。シャワーを浴びるとき、髪の毛は思っている以上に抜けやすく、気づかないうちに水と一緒に流れていきます。
また、整髪料やトリートメントが髪の毛を滑りやすくするため、排水溝に入りやすくなることもあります。濡れた髪が肌に張りつくように、排水口の側面にも密着して残りやすくなるのでしょう。
近年のユニットバスでは、ヘアキャッチャー付きの排水口が標準化されつつあります。設備更新の際に選択肢として検討されるといいでしょう。

「少しずつ」が積もるとどうなるか?
流れていく髪の毛は1本1本が細くても、時間が経てばまとまり、排水の流れを妨げる存在になっていきます。濡れた髪の毛は絡まりやすく、せっけんカスや皮脂と混ざることで粘り気のある塊になってしまいます…。
そのまま放置してしまうと、排水のスピードが落ち、水が流れにくくなるだけでなく、ぬめりや黒ずみ、悪臭の発生にもつながります。見た目以上に衛生状態が悪化していることも、あるかもしれません。
さらに湿気がこもりやすい場所では、浴室や洗面の換気扇が弱い、もしくは古い場合、湿気がこもりやすく、カビやぬめりの発生を早めます。換気扇の交換や、24時間換気機能の導入も「詰まり・臭い」対策として効果的です。
日常の「少しずつ」が、大きなトラブルの引き金となってしまうこともあるでしょう。
生活習慣や湿気が髪の毛詰まりを招く原因
詰まった髪の毛の取り方|すぐできる掃除法と注意点
大量にたまってしまった髪の毛も、やり方さえ知っていれば自宅で十分対処できます。道具選びから失敗しない方法まで、実践しやすいポイントを押さえておきましょう。
目に見える毛は手軽な道具でしっかり取る
まずは、排水口の目に見える範囲にたまった髪の毛を取り除きます。この段階では、市販のピンセットや「髪の毛取り専用スティック」などの道具があると扱いやすいでしょう。
身近なもので代用するなら、割りばしやワイヤーハンガーを細く曲げて使うのも一つの方法です。使い捨て手袋を装着すれば、手で直接つかんでも安心です。
取り出すときは無理に引っ張らず、少しずつ持ち上げるように動かすと、奥に絡んだ髪まで一緒に取れる場合があります。排水口カバーの裏にも意外と髪が残っているため、忘れずに確認するといいでしょう。

奥の詰まりには専用アイテムや洗剤を活用
手が届かない奥に髪の毛が詰まっている場合は、ワイヤーブラシや「排水管クリーナー」といった専用のアイテムが役立ちます。ブラシをゆっくり回しながら差し込むと、絡まった毛が引き上げやすくなりますよ。
また、繰り返し詰まりが発生する場合は、配管内部に汚れが蓄積している可能性があります。そうした場合は、専門業者による高圧洗浄を検討することも有効です。
詰まりを悪化させないために避けたい行動
髪の毛の詰まりを取ろうとして、かえって状態を悪化させてしまうケースもあります。特に注意したいのは、熱湯を勢いよく流すこと。排水管がプラスチック製の場合、変形や破損のリスクがあるため避けたほうがいいでしょう。
特に集合住宅では、無理な自己処理が原因で下階への漏水につながるリスクがあります。状況によっては管理会社へ相談する方が安全です。
ピンセットやブラシで除去、熱湯処理はNG
毎日の工夫で詰まりを防ぐ|ムリなく続けられる予防策
排水溝の掃除をラクにするには、日々の小さな工夫が役立ちます。ここでは、継続しやすくて効果的な予防法を紹介していきましょう。
裏技を紹介
丸めたアルミホイルを数個カゴに入れておくと、水と反応して除菌効果が働き、ぬめりや雑菌の繁殖を抑えやすくなります。

キャッチャー・カバーで流入をブロック
髪の毛の流れ込みを防ぐには、「物理的に入り込ませない工夫」が効果的です。
排水溝に取り付けるキャッチャーやメッシュタイプのカバーは、髪の毛をキャッチしつつ、水だけを流してくれるシンプルなアイテム。100円ショップでも手に入るものから、目の細かいシリコン素材や抗菌加工のあるものまで種類は豊富です。排水口のサイズや形状に合わせて選ぶことで、ズレにくく、ストレスなく使い続けられるでしょう。
取り替え式のものを選ぶ場合は、汚れが目立つ前にこまめに交換するのがおすすめ。目詰まりしたまま使用すると、かえって水が流れにくくなるため、定期的にチェックした方が安心です。
ルーティンに組み込む小掃除のすすめ
排水溝の詰まりは、数日放置するだけでも進行してしまうことがあります。とはいえ、毎日丁寧に掃除をするのは現実的に難しいと感じる人も多いでしょう。
そこで意識したいのが、掃除を「ついで」の感覚で組み込む方法。朝シャワーを浴びたあとや、夜の歯みがき後に、軽く排水口のカバーを外して毛を取り除く。このようなほんのひと手間でも、蓄積をぐっと減らせますよ。
週末に少し時間が取れるようであれば、泡タイプの洗剤を注いで放置する「つけ置き掃除」も負担が少なく続けやすい方法です。自分の生活リズムに合った「無理のない習慣」が、結果的に詰まりにくい環境につながっていくかもしれません。
最後に
POINT
- 髪の毛詰まりは少しずつ蓄積して起こる
- 見える部分は簡単に、奥は専用道具で対処
- 熱湯は排水管を傷めるため避けるのが無難
髪の毛の詰まりは突然ではなく、日々の積み重ねから始まります。自宅にあるものでできる掃除法や、日常の小さな習慣での予防が、大きなトラブルを防ぐ手助けになります。
防汚や抗菌仕様の建材を導入することで、そもそも汚れにくい環境をつくることができ、長期的に快適な住まい維持にもつながりますよ。
TOP・アイキャッチ・吹き出し画像/(c) Adobe Stock

監修
堂本章弥(どうもと ふみや)
株式会社Atelier Box代表取締役。
リフォームやインテリアの提案を通して、お客様に豊かなライフスタイルを提供している。増改築相談員、インテリアデザイナー、空間ディスプレイデザイナー1級の資格を保有。趣味は建築物巡り。国内問わず毎年数回は旅行をし、旅先の建築物や町の雰囲気を満喫している。
構成・執筆/京都メディアライン


