Summary
- 排水溝に髪の毛が溜まるのは構造と湿気が原因。毎日の小さな詰まりが大きなトラブルに。
- 放置すると雑菌が繁殖し、ぬめりや臭いの発生源になります。早めの対処が清潔を保つ近道。
- 髪の毛は乾いた状態でやさしく除去。割り箸やピンセットで無理なく取り除くと安全です。
お風呂や洗面台の排水溝に、気づけば髪の毛が大量に溜まっている。そんな光景に、ぞっとした経験はないでしょうか? 放置すればぬめりや臭い、詰まりの原因にもなります。
この記事では、髪の毛が溜まる理由と、すぐに試せる安全な除去法、そして溜まりにくくする予防の工夫を紹介します。家にあるものでできる方法を中心に、忙しい日常でも続けられる実用的な内容です。
排水溝に髪の毛が大量に溜まるのはなぜ?|放置が招くトラブル
髪の毛が溜まるのは自然なことですが、放置すると衛生面にも影響します。まずは、なぜ髪の毛が詰まりやすいのか、どのような悪影響があるのかを理解することが、対策の第一歩です。
髪の毛が排水溝に溜まりやすい理由
お風呂や洗面所の排水溝は、髪の毛が絡まりやすい形状をしています。特に、ヘアキャッチャーの凹凸やパイプの曲がり部分は、細い毛が引っかかるポイントです。
そこへ石けんカスや皮脂が付着すると、髪同士がまとまり、ひとかたまりになって残ります。湿気の多い浴室では乾きにくく、翌日にはさらに髪の毛が重なり、詰まりやすくなってしまいます。
髪の毛の溜まり方が異常に早い場合は、排水管の勾配(傾き)不足や、古い配管内部の劣化が原因になっていることも考えられます。また、築年数の経った住宅では、排水管内に石けんカスが層状にこびりつき、髪が引っかかりやすくなるケースもありますよ。
こうした配管の状態は、専門業者による点検で原因を特定することが可能です。

放置するとどうなる?|臭いやぬめりの発生
髪の毛を取り除かずに放置すると、排水口の内部で雑菌が繁殖します。湿った髪や石けんカスが栄養源となり、やがてぬめりや黒ずみが発生します。
時間が経つと、細菌やカビが繁殖して独特の臭いを放つようになり、浴室全体の清潔感が損なわれることもあるでしょう。放置期間が長くなるほど、水の流れが悪くなり、掃除の手間も増えてしまいます。
髪の毛をこまめに除去しても臭いやぬめりが残る場合、浴室の換気扇が十分に機能していないことがあります。換気能力の低下や、ダクト内部の汚れは湿気が抜けにくく、排水口だけでなく浴室全体のカビ発生リスクを高めますよ。
換気扇の交換やダクト清掃は、湿気トラブルの根本改善につながるため、リフォーム会社でも相談が増えている部分です。
髪の毛が絡む構造と湿気が詰まりの原因。放置は臭いやぬめりを悪化させます。
すぐできる! 安全で効果的な髪の毛の取り方
排水溝の髪の毛は、見つけたときにすぐ取るのが理想です。手間をかけず、家にあるもので安全にできる方法を知っておくと、清潔な状態を保ちやすくなります。ここでは、無理なく続けられる取り方を紹介します。
割り箸・ピンセット・手袋でやさしく取り除く
排水溝に残った髪の毛は、乾いた状態でつまみ取ると扱いやすくなります。濡れていると滑って取りにくくなるため、入浴後すぐよりも翌朝など、少し乾いたタイミングに取るのがいいでしょう。
ゴム手袋や割り箸、ピンセットなどを使い、無理に引っ張らず少しずつ取り除くのがコツです。排水口の金具が外せるタイプなら、外して奥のほうまでやさしく掃除すると効果的。
髪の毛を取ったあとは、ティッシュで軽く拭き取っておくとぬめりが残りにくくなります。
洗面台の排水構造はメーカーや年代で大きく違い、古いタイプは髪の毛が溜まりやすい形状になっていることもあります。最近では掃除がしやすい「ワンプッシュ排水栓」や「ヘアキャッチが取り外しやすい形状」のものが増えています。洗面台のみの部分交換でも、日々の手入れが驚くほど楽になりますよ。
重曹とクエン酸を使う自然派洗浄法
髪の毛が少量なら、重曹とクエン酸を組み合わせた自然派の洗浄が向いています。排水口に重曹をふりかけ、上からクエン酸を振り入れると発泡反応が起こり、ぬめりや皮脂汚れを浮かせてくれます。
10分ほど置いてからぬるま湯を流すと、排水管の奥までやさしく洗い流せます。塩素系のような刺激臭がなく、素材を傷めにくいため、安心して使える方法でしょう。
ただし、お湯の温度が低すぎると皮脂汚れが流れにくく排水管内に残り、髪の毛に付着して固まりやすくなります。給湯器の設定温度を季節に合わせて調整するだけでも、排水の汚れが軽減することがあります。
「汚れがつきにくい浴室」には給湯器の性能も関係してきます。古い給湯器の場合は点検のタイミングかもしれません。

市販クリーナーを使うときの注意点
市販のパイプクリーナーを使う場合は、必ず使用量と放置時間を守ることが大切です。強力な塩素系タイプは短時間で髪の毛を分解しますが、頻繁に使うと金具やパイプを劣化させるおそれがあります。
目安としては月1回程度で十分です。使用時は必ず換気を行い、他の洗剤と混ぜないよう注意しましょう。安全性を確保することで、素材も長持ちします。
忙しい日々の中でも、ほんの数分の手入れを続けるだけで、排水溝は驚くほど清潔に保てるでしょう。
家にある道具でやさしく除去。重曹やクエン酸で安全に汚れを分解しましょう。
髪の毛を溜めない工夫|予防こそ一番の時短掃除
排水溝をきれいに保ついちばんの近道は、「ためない」こと。毎日のちょっとしたひと手間で、掃除の手間も不快な臭いも減らせます。ここでは、今すぐ始められる予防の工夫を紹介します。
排水溝ネット・キャッチャーでこまめに防ぐ
髪の毛が流れないようにするには、排水口に合ったキャッチャーやネットを設置するのが効果的です。形が合わないと隙間から髪が抜けてしまうため、サイズ選びが重要です。
週に一度の交換を習慣にすれば、髪の毛が溜まる前に清潔を保てます。ダイソーやスーパーで手に入るタイプでも十分に実用的です。目が細かいタイプを選ぶと、石けんカスも一緒に防げるでしょう。

入浴後のひと拭きで清潔を保つ
入浴後、排水口のまわりをティッシュやペーパーで軽く拭き取るだけで、ぬめりや臭いの発生を大きく防げます。ほんの数秒の手間で、掃除の回数を減らせるのです。
髪の毛は濡れているうちに取るとまとまりやすく、あとが残りにくいという利点もあります。忙しい朝や夜でも続けやすい習慣になるでしょう。
もし日常的に掃除していてもすぐに詰まりや臭いが戻る場合は、排水管の奥で汚れが蓄積している可能性があります。一般家庭では見えない部分のため、専門業者による高圧洗浄や配管点検を行うと、長年の汚れがまとめて解消されることがあります。定期的に配管をメンテナンスすると、トラブルの再発防止にもつながります。
最後に
POINT
- 排水溝に髪の毛が溜まるのは構造と湿気が原因。放置するとぬめりや臭いが発生します。
- 髪の毛は乾いた状態で割り箸やピンセットを使い、少しずつやさしく取り除きましょう。
- 重曹とクエン酸の発泡洗浄で、髪の毛まわりの汚れを自然に分解できます。
排水溝の髪の毛は、放置すればぬめりや臭いの原因になり、掃除がさらに面倒になります。原因を知り、こまめに取ることが一番の近道です。重曹やクエン酸など家にあるもので無理なく続ければ、清潔も安心も手に入ります。今日からできる小さな習慣で、浴室をいつも快適に保ちましょう。
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監修
堂本章弥(どうもと ふみや)
株式会社Atelier Box代表取締役。
リフォームやインテリアの提案を通して、お客様に豊かなライフスタイルを提供している。増改築相談員、インテリアデザイナー、空間ディスプレイデザイナー1級の資格を保有。趣味は建築物巡り。国内問わず毎年数回は旅行をし、旅先の建築物や町の雰囲気を満喫している。
構成・執筆/京都メディアライン
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